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テーマ:歴史なんでも(780)
カテゴリ:歴史箱
ミチサク神とイサク、守屋山・洩矢の神とエルサレムの聖地モリヤ、御柱祭りとソロモンの神殿造り――諏訪大社と古代イスラエルの関係が次々と出てきますね。
御頭祭りでアブラハムとイサクの話が出てきたところで、古代ユダヤ人というか正確には古代イスラエル人と、現在イスラエルと呼ばれている国にいるユダヤ人の違いをもう一度説明しておきましょう。とにかく古代イスラエル人やその失われた10支族と古代日本の話を書こうとすると、インスピレーションさんが「分かっていない人がたくさんいるから、何度でも、今のユダヤ人と古代ユダヤ人(古代イスラエル人)は全く別な者たちであることを明確にしておきなさい」と言うんですね。知っている人も多いと思いますが、もう一度「歴史」をおさらいします。 アブラハムの妻サラには子供がいなかったのですが、なぜか年老いてから突然、息子を産みます。それがイサクですね。生贄になるところを「天使」に救われ九死に一生を得たイサクは、カナンの女性リベカと結婚、エサウとヤコブという双子の兄弟をもうけます。本来なら長男エサウが家督を継ぐべきところを二男であるヤコブが継ぐことになったので、エサウは怒ります。兄を恐れたヤコブは故郷を離れて伯父の元に身を寄せ、やがて財を築き独立します。 その後、兄エサウと和解するため故郷に帰る途中、ヤコブは「神」と「相撲」を取って「勝利」してしまうんですね。そこで神から「神とともに戦うもの」とか「神の勝者」を意味するという「イスラエル」という称号をもらいます。そして、そのヤコブに12人の息子が生まれ、イスラエル12支族の祖になるんですね。 12支族の祖は、ルベン、シメオン、レビ、ユダ、ダン、ナフタリ、ガド、アシェル、イッサカル、ゼブルン、ヨセフ、ベニヤミンです。ヤコブの時代にイスラエル12支族はエジプトに移住しますが、やがてエジプト国王から迫害されるようになり、奴隷の境遇に甘んじることになるんですね。そこに現れたのが、レビ族のモーゼ。モーゼはイスラエルの民を連れて、エジプトを脱出(出エジプト)、カナンの地に住みつきます。 紀元前1000年ごろ、それまでバラバラだった12支族が団結します。軍事指導者サウルを初代の王とする統一王国ができたんですね。これが古代イスラエル王国と呼ばれる国です。 その後、ダビデ、ソロモンといった王が誕生し、イスラエルは強大な王国となりますが、ソロモンの死後分裂、10支族はサマリアを都として北イスラエル王国を、ユダ族など残り2支族はエルサレムを都として南ユダ王国を建国します。北の10支族は紀元前722年、アッシリアに征服された後、歴史から消息を絶ちます。これが失われた10支族ですね。 一方、南の2支族も紀元前587年、新バビロニア王国によって滅ぼされ、バビロンで囚われの身となります(バビロン捕囚)。彼らは新バビロニア王国崩壊とともに解放され、エルサレムに戻りますが、もはや独立王国を作るほどの力はなく離散、祭司が指導する神政共同体のような形で生活を続けることになりました。これがユダヤ人と呼ばれるようになった人たちです。 ここまでご紹介した古代イスラエルの人たちというのは、黒髪で浅黒い肌のアラブ系の人たちであると言われています。では、なぜ今イスラエルにいるユダヤ人に白人が混ざっているかと言うと、8世紀ごろ、東欧にいた白色系のハザール人が政治的理由からユダヤ教に改宗して白色ユダヤ人(アシュケナージ)を名乗るようになったからなんですね。 だからユダヤ人だったイエスの顔も、色白で金髪なヨーロッパ人ではなく、中東系の顔をしていたわけです。 英BBC番組が科学技術を駆使して復元した「イエスの顔」がこちらに出ておりますので、ご覧ください。 英語はこちら 日本語はこちら (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.04.18 00:16:13
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