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テーマ:お勧めの本(7219)
カテゴリ:かるいノリで古典を
「第1編」つづき。
魔法使いでもあるブランクサム城の奥方は広間に戻り、一族でもっとも信頼できる騎士、デロレインのウイリアムを呼びます。彼はスコット一族の中でも国境地帯を知りぬいた屈強の戦士で、命知らずの“山賊”です。この夜、奥方は彼にある使命を与えるのでした。 「難局に役立つデロレインのウイリアム卿よ、 もっとも強い軍馬にまたがりなさい そして拍車を惜しまず、馬を駆り立てて、 トウィード川の清い流れのほとりへ向かい、 メルローズの聖なる大修道院で 聖母マリアの側廊の修道士を捜し出すのです。 上人さまにわたくしからよろしくと伝えて、 運命の時が来ましたと言いなさい。 そして今宵そなたたち二人で 墓所の宝を手に入れるのです」 ――サー・ウォルター・スコット「最後の吟遊詩人の歌」第1編より第231~240行(訳はHanna) 奥方はウイリアムをメルローズ大修道院に派遣し、そこの地下墓地にある、今は亡き大魔術師マイケル・スコットの墓から、ある宝物を持ち帰るようにと命じます。その宝は、聖ミカエル祭(9月29日)の晩にスコット一族の長の求めによってのみ、手に入れることが出来る魔法の書物なのです。 奥方はウイリアムに、「決して書物の中を開かぬように、さもないと身の破滅ですよ」と警告します。ウイリアムは、「自分は字が読めないから、魔法の書物を見ようなどとは思わない」と答え、さっそく出発し、闇をついて馬を駆り立てます。荒野を越え、川を渡り、まだ夜が明けぬうちに、青白い月光に照らされたメルローズの町へ到着します。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 10, 2006 11:10:25 PM
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