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弁護士YA日記

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日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2012.05.08
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カテゴリ:弁護士業務
もう1ヶ月以上前になりますが、國學院大學法科大学院の入学式で講演をさせて頂く機会を頂いた。

きっかけは、同大学院の教授でいらっしゃる四宮啓先生と、南相馬市での出張相談で同じ日程となり、親しくお話させて頂いたこと。

四宮先生は、刑事弁護、特に裁判員裁判の分野で、誇張ではなく日本をリードする存在で、刑事訴訟法ゼミ出身の私にとっては、雲の上の存在。

そんな大御所四宮先生が、そもそも、相当に体力、気力を消耗する上に、刑事弁護とは何の関連もない南相馬市での出張相談に参加されたこと自体に、心底驚き、感銘を受けましたが、ジェントルマンでありつつも、感性豊かに若者の話を吸収されようとする姿勢に、完全に虜になってしまいました。楽しそうにお話を聞いて下さるので、元々おしゃべりな私は、もう止まりませんでした・・・。
いやあ、あの出張は、沢山の仲間に恵まれ、本当に本当に楽しかったです!!!

で、今回の入学式での講演のお話は、他ならぬ四宮先生からのお電話だったので、その場で二つ返事でお引き受けしたものの、後から、同大学院の事務課から「ご参考」と題して送付頂いたここ10年の講演者の一覧を頂き、脳天気な私も血の気が引いた。

だって、泣きたくなるほど「偉い人」ばっかりなんですよ~。どのくらい偉い人たちばかりかというと「元最高裁判所長官」「前日本弁護士連合会会長」「元検事総長」といった肩書きしかない!「元相馬ひまわり基金法律事務所所長」ってちゃんとした肩書きなんでしょうか、と足が震えてしまった。
しかも、講演の演題も「最高裁こぼれ話」とか、逆立ちしても私にはできない格調高い話ばかりであることは伺えたわけです。

あまりのことに、後日別件でお会いする機会のあった四宮先生に「先生、これは、民法95条の要素の錯誤に該当しますので無効です」と真面目に訴えてしまったくらい(笑)。
今更引き返せないと分かりつつも、いつになく、悩んでしまったのですが、まあ、でも、よく考えたら私は私なので、無理に格調高い話をすることは不可能だという当たり前の結論に至り、私にできる話だけをしてきました。

でも、新入生の方、教員の方、本当に心身を傾けて聴いて下さいました。途中、涙を一杯ためている方の顔をうっかり見てしまい、私の心も声も震えてしまいました。泣き虫でごめんなさい。
真摯な傾聴の姿勢は、講演をする方にも伝わるので、とても素直に嬉しかったです。貴重な機会を与えて頂き、本当にありがとうございました。

後ろの座席で聞いていた在校生も、講演後「僕たちは福島のために何ができますか」と真面目な顔で取り囲んでくれて、なんだか、それだけで、うるうると来ました。
みんな、ありがとう。
弱い人に寄り添う良い法律家になって下さいね。

この講演は、同大学院事務課において録音して頂いており、せっかくの機会なので、反訳した上で、最低限の加筆修正だけ加えて、ご紹介します。ちょっと長いので、全4回の記事に分けますね。読みにくくてすみません。


ではでは、はじまり~。




本日はご入学おめでとうございます。
 國學院大學は、初めて訪れましたが、キャンパス内に荘厳で清らかな神殿があるのですね。美しいキャンパスにすっかり見惚れてしまいました。皆さんが、このような美しい大学で新生活を送られることをお祝いさせて頂くと共に、実り多き有意義な学生生活になることを心からお祈りしております。

 本日は、私のような若輩者が、入学式での記念講演という大役を仰せつかり、かなり緊張しているところですが、先ほど院長先生とお話させて頂いたところでは、年齢が近い身近な法律家の話を皆さんにお聞き頂くことにこそ意味があります、ということでしたので、私としても、背伸びしても仕方ありませんし、等身大の自分をありのままに、今までやってきたこと、それから今どんなことを考えているかということを中心にお話をしていきたいと思います。

【自己紹介】

 今回の講演の題名は、「良き法律家とは何か-3.11後の法律家の使命を考える-」です。自分で題名をつけておいて何ですが、このような難しいテーマに答えはありません。私自身、昨年3月11日にあの未曾有の震災が起きてから毎日のように考えているのですが、今も答えが出ていません。その意味では、今日は、このテーマの答えを提供するのではなく、私自身が考えていることをお伝えするにすぎません。むしろ、皆さんに考えるきっかけを提供するという目的でこの講演を行いますので、皆さんも、私の話を聞きながらどんどん想像力を膨らませていただければと思います。

 さて、先ほど司会の方からご紹介いただいたところと重複を避けて、少し自己紹介を致しますと、私は大学3年生以降、大学院修士課程修了までの6年間、刑事訴訟法を専攻されている後藤昭先生の教えを受けました。後藤先生は、司法試験にも合格されていて、実務家経験も少しだけおありになりますが、これまでのほとんどの期間を研究者の世界に身を置いて生きてきた方ではあります。ただ、法律学の社会的役割ということを常に考えていらっしゃる方で、社会との接点があってこそ法律家だということをいつも仰っている方でした。

 後藤先生から教えていただいたことはそれこそ数え切れないぐらいあるのですが、一番印象に残っていて、かつ、今でも私を支え続けている言葉というのは、「法律家というのは人を幸せにする仕事です」という言葉なんですね。この言葉は、一見、簡単に理解できそうなんですけれども、実務の世界に出て私も9年目に入りますけれども、いかに難しいことか、いかに奧が深いことかということを日々感じています。

 後藤先生の教えを受けた私は、自然と、どうやったら社会との接点を持ち続け、かつ、人を幸せにできる法律家になれるのだろう、と受験生時代から考えるようになりました。
その結果が、先ほどご紹介頂いたように、東京、相馬、静岡と弁護士9年目にして、3つも弁護士会を渡り歩くという弁護士としては特異な経歴につながっていると感じます。
 
 3つの地域を渡り歩くことになった経緯、少しだけご説明しますね。

 まず、ちょうど司法試験の受験勉強中に、全弁護士から「ひまわり基金」という名目で会費を徴収し、弁護士がいない地域に、そのお金で、法律事務所を作ろうというプロジェクトが始まりました。なんて素晴らしい制度があるんだろうと思いまして、ぜひそういうプロジェクトに自分の身を投じてみたいと思って勉強しました。つまり、もともと、ずっと1つの事務所にいようという気持ちがなくて、2年とか3年とか、本当に弁護士がいなくて困っているそういう地域に自分の身を置きたいというふうに考えて勉強していたわけですね。
 
 最初に在籍していた東京パブリック法律事務所というのは、過疎地に行きたいという志が高いというか無謀というか、そういう若い弁護士を養成する事務所でした。1年半の在籍期間中、熱意と愛情に溢れる先輩方に、大変厳しく、もう一人になっちゃうんだから、どんなことでもできるようにしなさい、なりなさいということを、ある日は階段の踊り場に呼び出され、ある日は夜中まで居酒屋で懇々と説教され、といった具合に育てて頂きました。今でも、私を育てて下さった先輩方には頭が上がりません。

 その後、念願の過疎地赴任先となったのが、福島県相馬市にあった相馬ひまわり基金法律事務所だったのです。ここでの2年半については、後で詳しくお話しします。

 任期を終えた後、夫の職場のある静岡に参りまして、現在1児の怪獣の母をしつつ、弁護士の仕事を続けているところです。



続きは下記!


http://plaza.rakuten.co.jp/yyy0801/diary/201205080001/






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Last updated  2012.05.09 02:06:29
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