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カテゴリ:本・まんが
発行当時、書名と装丁、帯を見て購入を決めました。全く予備知識はなかったです。
以下、未読の方はご注意を! 子供の誘拐殺人とカルト教団の話が交互に絡まるように進んでいきます。物語に引き込まれ、一気に読んでいた私は、(一人の)犯人の姿に全く気づけませんでした。 途中、免許証の話が出てきましたが、もう一つの、結婚にまつわる伏線を気にしていなかった(というか、彼の不倫を説明するための一種の状況提示としか認識せず、記憶から抜け落ちていた)私は、怪しいなと思いつつも結果的にミスリードに引っかかってしまいました。 また、人物造形とその描写が非常に丁寧で、だからこそ「まさか、この人がこんなふうになるなんて」思いもしなかった、というせいでもありました。 だから、最終章の直前にホントに「えぇっ!」と叫んでしまいました。 他の人にすすめたところ、「途中でわかった」と言われてしまいましたし、思い返すと「やっぱりそうだよね」と思えるので、「超高度などんでん返し」というわけではないのでしょうが、だまされてしまったのは、私がマヌケなんじゃなく、貫井徳郎さんの文章力がすごいせいだろう、と自分を慰めています。結局は、作品を大いに楽しめたということですしね。 話自体は悲しくて救いようのないものなんですが、是非おすすめしたい一冊です。 慟哭 貫井徳郎 1993年第4回鮎川哲也賞最終候補作 発行:1993年 発行所:(株)東京創元社 価格:\1937(税込) 文庫本 創元推理文庫(税込\780)慟哭 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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