オペラファンの嗜好と経済学?
オペラファンの嗜好、はかなりはっきり分かれているような気がします。 ごくおおざっぱにいえば、ドイツ・オペラ派とイタリア・オペラ派(繰り返しますが、ごく大雑把です。当てはまらないひともたくさんいます。念のため) そして、行動?の傾向もやや違うようです。 最近、それを実感させられる小さな体験がふたつありました。 ひとつは、この4月に実施する、企画同行するオペラツアーでのできごとです。 私の企画なので、演目はヴェルディ、そして現代の名歌手(フローレスとか)が中心の旅。ミラノでドミンゴの「シモン・ボッカネグラ」、チューリヒでフリットリ&ヌッチの「ルイザ・ミラー」、ウィーンでフローレス&デセイの「夢遊病の娘」というあんばいなのですが(おかげさまで満席です。ありがとうございます)、ミラノで、別手配で、ガッティ指揮の「ルル」を入れました。ドイツ・オペラ系(クラオタ)が多い音楽評論家のひとたちにとっては、垂涎の演目なのですが・・・ ふたを開けたら、1枚も申し込みがありません!!(個人的には、行ってみてもいいなあ、という演目だったのですが) コモ湖に泊まるので、往復が長い、ということもあるのかもしれませんが・・・ 溝はやはり深い、と思わせられたできごとでありました。 もうひとつは、新国のある職員さんから聞いた話です。 「イタリア・オペラとドイツ・オペラでは、客席の雰囲気が違う」 それはわかるのですが、 「消費行動も違う」のだそうです。 たとえば最近なら、12月の「トスカ」の公演のときは、「ビュッフェの飲み物がよく売れ(とくにシャンパン)」、 「タクシーを呼んでくれ、というひとも多い」 いい気分になって、満員の電車に揺られて帰るのはいや、ということらしい。 一方、11月の「ヴォツェック」あたりだと、正反対の結果が出るそうです。 どちらがお客が集まるか、というと、とうぜん「トスカ」のほうが集まるわけで。 音楽雑誌などではどうしてもドイツ系の話題が多いですが、経済効果を考えると、イタリア・オペラ、もっと分析&注目ですね。