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映画ドラマ・千一夜

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November 3, 2006
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カテゴリ:韓国ドラマ
総合点:95 お勧め度:★★★★★
(ストーリー展開)=9.2 (独自性・発想)=9.3 (描き方)=10 (チャーム度)=10

●2004~5年 韓国ドラマ SBS 演出:イ・スンリョル
●出演者:
◆チソン:カン・ヒョヌ役(チャンホ) グローバルグループ・カン会長の息子。大学卒業後、厳しい父親の元で室長として会社経営に携わるが、自分を求めて、研修を口実に渡ったアメリカで学生となりカメラマンを目指す。或る日、父親の入院のニュースで韓国に呼び戻されることになるが、それは彼を会社人として取り戻そうとする父親の策略だった・・・。若くてハンサム、考え方がしっかりとして背広姿も凛々しい好青年。
◆ユジン:チ・ウンス役 母親を亡くし、父親の療養のために移り住んだ江原道で、ペンション「眠れぬ森」を営む。(テロップでは「夢見る林」となっている=クンクノスビン) 或る日、父親と病院に行った帰り、国道に倒れていた若い男を轢きそうになるが、彼は実は誰かに刺されて怪我をしているのだった。
◆リュ・スヨン:チョン・テミン役 カン会長の顧問弁護士。エリート街道を歩んできた完璧主義者で法律業務担当だが、カン会長の勧めで経営学も学び、その右腕となる。人当りは柔らかだが、頭が鋭く冷徹で計算高い。実は或る事情から、彼はカン家に大きな恨みを持っているのだった。
◆イ・ボヨン:ユン・スジン役 ソウル金融ユン会長の娘。将来を期待される美術アーティスト。お嬢さん育ちでプライドも高いが、15歳の時に出会ったヒョヌに強く恋している。ヒョヌは恋愛事に慎重で、なかなか彼女を選んではくれないが、いつしかヒョヌが彼女を受け入れてくれることを心から望む。
◆イ・ヘヨン:カン・ヒョンジョン役 ヒョヌの義理の姉。結婚しているが離婚調停中で、お金持ちの典型的な遊び人風生活をしている。有能なテミンに気がある様子。
◆キム・ムセン:カン会長 グローバルグループの会長。一人息子のヒョヌを後継者と考え、アメリカから連れ戻すが、ヒョヌにはその気が無い。怒った彼はヒョヌ愛用のカメラを壊してしまうが、ヒョヌはいたたまれなくなって家を飛び出してしまう。
◆パク・インファン:ウンスの父親 持病のために江原道に移り住み、森の中でペンションを営みながら一人娘・ウンスの幸せを願う。最初はどこの誰とも分からぬヒョヌと最愛の娘・ウンスの付き合いに反対するが、最後は彼らの婚約を許す。
◆そのほかパク課長、ジャンミなど
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●このお話ですが、とにかくリズムが良いのです。物語の最初の場面は「夢見る林=クンクノスビン」から始まるのですが、そこでのウンスの父親に対する信頼や愛情の篭った生活ぶり、また、彼女の周囲の人に対する暖かい性格などが僅かな時間で旨く表現され、物語はすこぶる快調に始まります。また、飛行機で韓国に戻ろうとするヒョヌの明るくて快活な性格も大変旨く描かれ、空港でヒョヌとウンス、そして恋敵となるテミンが出会うあたりも、今後に期待を抱かせる大変旨い想定です。ウンスの恋敵となるスジンの登場や、カン家に出入りし、グローバルの顧問弁護士となっているテミンの立場・心情の描き方も大変スムーズな展開で、会話も旨い。
●こうしてこのお話は、一話ごとに僕の心と大変に旨くマッチングしてしまい、毎回非常に良い進行速度で進みました。(気が付いてみると、もう14話という感じだった)
 音楽も派手さはないのですが、場面によくマッチしているし出来が良い。見ている間中非常に心地よく感じられました。
●このお話の魅力ですが、ひとえに、主人公であるウンスの人生に対する基本的態度に、その源があるのじゃないかと思います。明るくて賢くてユーモアがあって、母親が亡くなったりするような悲しいことがあっても決してそれに負けないし、いつでも人生に前向きに立ち向かって、自らの力で乗り越えようとする。父親想いで、誰もが都会の賑わいを望んでソウルに向かうような世相の中、静かな田舎でゆっくりとした生活をする道を自ら主体的に選んでいて、「若いのにどうしてソウルに行かないのか?」という周りからの質問に、ウンスは「ソウルは私には大きすぎるから」と、周りの人の情を傷つけない非常に旨い返事をするのです。
 他の人に接するに大変優しい、それに、他人のことを決して悪く言わない。訳ありがちなテミンとも、偶然の結果から友達になるのだけれど、彼との接し方も節度ある良識的な態度だし、一方、自分が本当に愛する人が誰かも大変しっかりと心得ていて、凛とした自らの姿勢を崩しません。
●一方男性主人公たるヒョヌは、最初の登場のときは学生兼カメラマンで、自由人らしい髭面の野性的な感じが魅力だし、会社の公式人として人前に出るケースでは、有能で頭の切れる青年実業家を思わせるきっぱりしたスーツ姿で似合っている。また、記憶を失ったチャンホとして、ウンスの前でペンションで一緒に生活するときは、ひょうきんでユーモアのある賢い好青年でといった按配で、その表情がまるで、「一人の人の中に三つの人が居る様な魅力」を見せ、見る側を見飽きさせません。
 これはウンスも同じで、ペンションで働いたり、派遣社員としてグローバルでヒョヌ本部長のもと頑張っている普段の姿のときと、特別に着飾ったときの別な人とさえ思わせるような魅力は素敵です。特に、青葉の髪冠を頭に載せて約婚式に臨むときの、ギリシアの花嫁を思わせるようなノーブルな表情はいいですね(これが番組紹介のテロップに使われている)。
●他に印象に残った場面。
 研修旅行で山に登るとき、ウンスを煙たく感じているチーム長が怪我をします。ウンスは日頃の事と変わりない様子で迅速な手当てをしてしまうのですが、それを見ていたヒョヌが、「ウンスシーは瞬発力がある」と彼女の魅力(能力)に気が付く場面。
 18話でヒョヌの記憶が戻り、想いのすべてを捨てて夢見る林に戻ってしまったウンスを追いかけてペンションに向かうところ、そうして、彼女に記憶が戻ったことを話して、心から泣かせるところ。
 今までの誤解がすべて解ける場面というのは、それまで掛かっていた魔法が解けるときでもあります。呪縛から解放される瞬間っていうのは、非常に感動深く感じられる。
●韓国の田舎の林の中にある素敵なペンション「夢見る林」に始まり、其処に終わるこのお話は、いわば現代の御伽噺かなあと思うのです。
 その昔、日曜日の夕方8時からディズニーランドという番組の放映があって、「冒険の国」とか「おとぎの国」とかが週代わりで放映されておりました。
 そのおとぎの国のお話ではいつも、紙芝居のように、左右に開く扉がゆっくりと開いて物語が始まり、最後は王子様とお姫様が結ばれてめでたしめでたしというふうにお話が終わると、その扉がゆっくりと閉じるのです。
 この物語のエンディングは、本当にそんな感じの印象です。
 インターネットでの番組紹介には「切なくて儚い物語」とありましたが、それはあんまり当ってなくないですか? 登場するヒロイン=ウンスシーは、快活で賢くて人懐こくて頑張りやさんで負けず嫌いで、でも大変可愛い娘です。また、王子様たるヒョヌも、実業家たる有能な男たる顔と(日本語で海外の企業とやり取りする場面が何回か現れる)、一人の女性を心から愛する心根の優しい面と、記憶を失くした自信を失った普通の男とを旨く描きわけられています。
●それにしても、ここでのユジンさんは素敵です。特にいいのは表情だけれど、声もいい。(このドラマは登場人物すべての声がいいです。チソンの声もイ・ボヨンもリュ・スヨンも。他の役者さん達の声も。付け加えていうと、主人公二人を取り巻くパク課長の性格・表情が大変良いし、ウンスの親友・ジャンミも魅力があって凄く良いです)
 こうしてこのお話は、終始、どこか心の底に「必ず素敵なエンディングが遣ってくる」という予感を抱かせて進行し、最後その通りの終わりを見せます。
 ユジンさんは、バスケットをするときの動きも、お掃除をするときの動きも、街を歩くときの動きも、傍から運動神経が良いことがよく分かる動きで頗る魅力的だし、スケートのシーンがあるのですが、スケーティングも大変旨いです。こういうの、憧れちゃいます・・・。ちなみに、僕は中学のとき500mをスピードスケートで50秒台で滑られました。ちゃんとローリングが出来るほどの腕前で、スケートには少し煩いんです。500m50秒は最近のオリンピック選手の35秒にははるかに及ばないけれど、その昔は世界記録だったんですヨ・・・。
 ついでに・・・、ユジンさんは髪を結った後ろ姿も大変素敵。最終話で障害者センターにいるとき、赤いセーターでの後ろ姿が出るのですが、その可愛さと肩のあたりの素敵な量感には参ってしまいます。
●余談です。
 ドラマが進んで18話。物語はここで終わっても可笑しくないな、という感じになります。でも、その後、二話が続く。その後の二話を見ていると、その二話だけちょっと今までとリズムが違うな、ということは視聴者にも感じられますが、後で公式ページなどを参照すると、ドラマ放映時の人気から残り2話が足されたそうで、なんとなく納得が行きました。
 それにしても、ラストが健全なのは嬉しいんだなあ・・・・。





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Last updated  October 27, 2007 10:21:12 PM
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