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映画ドラマ・千一夜

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April 28, 2007
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カテゴリ:アニメ・人形劇
総合点:86 お勧め度:★★★★ (構想・シナリオ・セリフ)=8 (映像、画の出来)=9 (場面展開・発展性)=8.5 (音楽)=9.5 (インプレッション:感性面)=8.5

●2006年日本アニメ GONZO 監督:千明孝一 製作総指揮:亀山千広 原作:宮部みゆき 脚本:大河内一楼 音楽:JUNO REACTOR 声:松たか子(ワタル) 大泉洋 常盤貴子 ウエンツ瑛士 今井美樹 田中好子 高橋克実 柴田理恵 石田太郎 堤下敦 板倉俊之 虻川美穂子 伊藤さおり 伊東四朗 樹木希林
●宮部みゆきさんのベストセラー小説をアニメ化した冒険ファンタジー作品だそうです。(原作を読んでいません。また、原作が宮部さんとは知らなかった・・・)
●どこにでもいる平凡な小学5年生のワタルは、近所の廃ビルで謎の少年・ミツルに出会う。おりしもワタルの父親が愛人を作って家出し、母親は自殺未遂・・・。ワタルは病院に横たわる母を見て、何とかこの運命を変えたいと思う。転校生のミツルは“運命を変える扉”を知っており、ワタルはその扉を越えて、幻界(=ビジョン)へ飛び込む・・・。
●コンピュータゲームにもなっている作品のようです。その公式ページに載っているワタルや猫を思わせる「ミーナ」の絵が秀逸です(アニメの絵はデフォルメされて、少し印象が変わる)。また、ビジョンでの木の絵や雲の絵が、風の谷のナウシカを思わせ、絵のレベルはいいと思いました。
●既に世には数多の冒険小説が出され、数え切れないほど映画化されているので、ストーリーの軸はいつかどこかで見た・・・ものの組み合わせのようになるのです・・・。近所にある廃ビルの設定も、階段の向こうにある扉も、トカゲの形をした行商人も猫の顔をした可愛い少女も、国を支配する側と支配されている市民やスター・ウォーズで言うジェダイの役に相当する正義の抵抗勢力や動物やカエルの形をした神像や・・・、けれども、それらのものを一つに書き込んで破綻のない物語にするのもかなりの労力を要し、この物語はこの物語でかなりいい線に纏まって楽しめる感がありました。
●人間の脳は不思議なもので、眠っている間に夢を見ます。普段は右脳と左脳の間に制御関係があって話の(論理の)つながりを維持しますが、夢を見ている最中は勝手にやってますから、とんでもないストーリーが出来上がる。会社で技術の打ち合わせをした夜、その部長と一緒に一生懸命セメントこねたり・・・、まあ、いろんな構成要素が組み合わさって、普通じゃ考えられないストーリーも創作されてしまいます。
 僕の友人は不思議で、起きたとき、全然夢を覚えていないそうです。一年に2,3回しか夢を見ないとか! 信じられないですね。僕は眠りが浅く、日に4、5本の映画を見るような感じで夢を見ます。特に効くのが紅茶とお茶で、眠りは本当に浅くなり、夢見回数が増えてしまいます。これ、良くない・・・。
●ここでいう幻界は、或る意味、主人公ワタルが見る夢です。考えてみると小学4、5年生ごろは、脳が一定の成長を遂げ、それまでの子供脳から少年脳へと劇的に代わる大事な年齢です。9歳から免疫機構も整備が始まり、12歳くらいで完成すると聞きます。ここでの設定=小学5年は、少年にとって本当の冒険(=自分の人生)が始まる最初の歳でもあって、作者はその辺の事情を熟知していると思われます。
●大きな長い話を111分にまとめているがために、進行が早すぎるな、と感じる場面も多い。司教が登場して幻界の説明をする辺りも、皇女とミツルの会話も、ここでは何か唐突な感じを受け、物語の必要要素をすべて入れてこの時間内に終わりにする・・・大勢の役員を集めての説明会みたいな慌て方がところどころ感じられ、そこが残念な気もします。
 また、ミツルと戦う場面や、長いことワタルを導いてきた声が、最後には醜い姿を示す場面や、戦う相手が自分自身だったりする構想は宮部さんならでは、という演出ではあるけれど、どこか「いつかどこかで・・・」が、やはり感じられ、ここでは出展の多さに少し残念、という感もなくはない・・・。
●ま、でも、全体としてはそれなりに纏まって、終わり感は良かったと思います。
●この映画で特に良かったのは音楽ではないか。場面に適した曲想の局が嵌められ、秀逸でした。映画では音楽・登場人物の声、が非常に大きな要素だな、と改めて感じました。ワタルの声=松たか子さん、も、大変良かったです。





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Last updated  November 10, 2007 07:00:55 PM
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