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カテゴリ:本の紹介
●評点 ★★★★☆
●2001年 池宮彰一郎作 ●感想 平成13年から日経新聞に連載された新聞小説で、一時期その新聞を読んでいたこともあり、木曾義仲が登場して京を制する辺りを読んで、いつかは全編読みたいな、と思っていた作品です。不思議なことに、何かに関心が回っていると忘れてしまう。5年以上もほおって置いたか・・・と却って驚いた次第です。 ●「平家」は言わずと知れた、「平安末期に登場し、「奢る平家は久しからず」の例えとなったあの有名な平家」のことですが、高校の教科書でも習う「平家物語」や「義経記」、鎌倉幕府の編纂した「吾妻鏡」など多数の書籍にも丁寧に当たって描かれるこの小説では、それまで悪役で通っていた平清盛像を、一代で大事業を為そうとした英傑として扱い、また、それを理解しながらも自らの地位・立場から出られなかった後白河上皇(後の法皇)との交情や源氏の有りよう等を立体的に描いて、骨の入った作品として読めます。 ●司馬遼太郎の「坂の上の雲」や新田次郎の「武田信玄」など、骨の入った時代小説は好きですね。史実を丹念な調査で調べ抜いて、しっかりとした文体で描く。 この作品も全編、ドラマでした。 ※一部、言葉の順序のせいか、分かり辛い表現がありましたね。新聞小説は連載で、作家としては非常に厳しいシチュエイションなのではないかと思います。 ●この本の中では記述は少ないですが、木曾義仲の豪胆さと、田舎者だけれどきっぱりした性格と、それを愛した巴御前が、僕は好きなんですよね・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 26, 2009 06:17:24 AM
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