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カテゴリ:テレビドラマ
●評点 ★★★★
NHK土曜時代劇陽炎の辻3~居眠り磐音江戸双紙~完全ガイドブック ●佐伯泰英 作 NHK 2010年度お正月ドラマ ●お話 豊後関前藩出身の坂崎磐音が、剣の達人として活躍する「居眠り磐音=陽炎の辻」シリーズの特番です。お正月番組。 長屋の大家・金兵衛の娘=おこんと結婚して佐々木道場の跡継ぎとなった磐音が、少年の仇討ちの助太刀をすることになる。敵(かたき)は何と、少年の剣の師匠と実の母だった! 母親への思慕と武士としての道との挟間で揺れる少年を、磐音はどう支えてゆくのか。 ●感想 僕は、日本のテレビドラマを見る機会はほとんどありません。家にテレビがないのがその一因なのと、テレビは時間を先方の時間に合わせるのが、どうも嫌なのです。今回はお正月番組として放映されていたものを、実家で見た次第。 昨日の夕方に、原作者である佐伯さんの特番があり、今を時めく人気作家である彼の執筆の動機や執筆の様子、それに、どのようなスケジュールで日々の生活を送っているのかを、俳優の児玉清さんが取材した番組があった。その番組が大変面白かったので、つづけて作品を見たのです。 最近は、本屋に行くと必ず置いてある佐伯さんのシリーズ、彼の作品の形態は全て書き下ろしで、全編、文庫本スタイルで通しているとのこと。それに、20日で1作出来てしまうそうです。これは本当に凄い! 文章を書いたことの有る人ならば分かるかと思いますが、この速さはほとんど超人的です。(しかも作品の描写は活き活きとしていて現実感が高く、見事です) その番組の題名には「職業作家」という文字が付いていましたが、プロはやっぱりこうでなくては、という「プロ魂」を感じました。 ●本来は、「陽炎の辻」は、本編が面白いと思うのです。彼が故郷の藩を何故出奔しなければならなかったか、親友を切らねばならなかったか、かつての許婚の辛い運命は、などなど、それらを人情片手に読み進むのが、非常に面白そうで、本道ではないかと・・・。 今回の作品は、主人公が特に磐音でなくても成り立つ物語で、ちょっと本道からは外れているかな? と感じました。 ●この作品では、幕府の作った掟(武士は家を守るため、その息子は、父親に危害を加えた者をあだ討ちしなければならない・・・)を守らねばならぬ状況から、如何にその少年が成長するかを描こうとしています。ですが、今回の結末は(この結末もアリとは思いますが)、こちらでも或る程度予測の付く進行で、できたら磐音らしい、もう一ひねり人情が効いた結末が欲しかったように感じました。 ●平和な時代に入って、本来的にはあまり必要の無い無産階級となりつつある武士階級を、江戸幕府は「高い格式の元に存続」させ、そうしながら、如何にしてその武士階級がもっと力を得て台頭し、幕府式の政治機構を壊さないように、目に見えない「仕来たりや掟やでもって、人々や社会をコントロール」しようとした。人情あれそれというような議論の前に、どう見てもこのドラマでの一番の悪は、幕府の政治機構そのものじゃないか? なんて、見ていて考えてしまいました。 本来、酒によって正常な判断能力を失った少年の父親(=旗本直参の設楽家当主)を罰すべきなのに、ここではそうしない・・・。こういうのは、江戸時代にはありがちなシチュエイションだったかもしれませんが、どうも僕には、物語の結末に、微妙に納得行かないものが残ってしまいました。途中の演出は、急ぎで作られた「特番」にしては旨かったし、武士の生き様らしい潔さを感じられる場面も多くありましたが、ある意味、一定の時間内に治めなければならない事情もあるのか、ちょっと惜しいなあ、という面が残りました。 ●佐伯さんの作品はあまりに長く、今のところ、当たっている時間がありません。いつか本編を読む必要アリ、とは、思ってはいるのですが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 3, 2010 05:51:59 PM
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