映画ドラマ・千一夜

評点　★★★★＋　スピーディーな展開で、楽しめた。でも、ＩＴ技術が分からんと、全然着いて行けないのでは？

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●2012年度　韓国ドラマ　SBS　全20話　責任プロデューサー：チェ・ムンソク　脚本：キム・ウニ　演出：キム・ヒョンシク　パク・シヌ　キャスト：役名が先
◇キム・ウヒョン／ソ・ジソブ　警察庁サイバー捜査第一課のチーフ長警部。
◇ユ・ガンミ／イ・ヨニ　サイバー捜査一課の美人警衛。
◇クォン・ヒョクジュ／クァク・ドウォン　剛腕の刑事、狂った牛と呼ばれる。のち、サイバー捜査一課のチ－ム長となる。
◇チェ・スンヨン／ソン・ハユン　ルックスも学歴も平凡で無鉄砲なトゥルーストーリー誌記者。
◇チョ・ヒョンミン／オム・ギジュン　セガン証券代表。エリート意識の高い男。
◇パク・ギヨン／チェ・ダニエル　ウヒョンの警察大学同期生、トゥルーストーリー新聞社代表。
●あらすじ
　警視庁サイバー捜査隊のキム・ウヒョンとユ・ガンミは、モニターの裏に隠れた幽霊のような謎のハッカー、ハデスを追跡していた。ハデスは大統領府のコンピュータにも侵入するほどの天才的な腕前のハッカーだ。ところが、ある日、彼らは女優シン・ヒョジョンの自殺を目撃することになる。警視庁は捜査後、自殺と断定するが、ハデスから、「自殺ではなく他殺だ！」と主張するメッセージが届く。彼は、シン・ヒョジョンがアパートの部屋から突き落とされる場面をネットに流すのだが・・・。
●感想
　作家は、ＩＴ技術にかなり通じていますね。物語の中で出てくるＩＴでよく使われる（特にハッキングやクラッキングで使われる）技術に非常に詳しい！　ＩＴ技術はややっこしいものが多いのですが、こんなに知識があって、物語中で使いこなし、しかも、技術戦をメインにしながら攻防を続けるストーリーに仕立てあげられた作品は、今までに見たことがなく、レベルが高いなあ、と感じました。展開が上手くて飽きないし、最後の閉め方も良かったです。
　役者も適役で上手く演じており、狂った牛のクォン・ヒョクジュなど、実力はあるのに女に持てない男の口惜しさ、みたいなものも出していて、好演でした。
　ただ、物語は高度な策謀戦なので、そこでなぜコンピュータ本体が問題かとか、サーバーをどうして止めないようにするかとか、ソフトがどう動いて、とかが分からないと物語に着いて行けない。視聴者にも技術レベルを求める作品かと思いました。また、そのため、場面場面での見逃しができないこともあって、目が非常に疲れました。（両目とも！）
●一つだけ、現実には無理だなあ、と思うのは、ウヒョンとギヨンの入れ替わりで、こればかりはサイバー空間のようには行かない・・・。ここばかりは無理があるのですが、まあ、全体的に非常に楽しめ、お勧めドラマかと思いました。
　脚本家／演出共に、十分な実力を感じます。細かな場面にも、よく手が入っていた。