◆円安は日本を救うか?
●アベノミクスは円安誘導には効果的だった。しかし様々反論・批判もある。一頃IMFは円高に同情していたが、通貨競争になることには批判的だ。日本の対GDPの貿易依存度は案外と低く、昨年度は62兆円13%位で、円安が恵みをもたらす業種は2割程度だ。人口減とはいえ内需が結構あるんだね?残り8割のエネルギーや食料などはコスト高になる。今年度約9兆円の貿易赤字は 端的に負の効果を示しており痛い話だね。●しかしシェールガス利権獲得や、石油市場に連動しないガスを関電がBPから購入するなど、新しいコスト低減策が試みられており、いずれ解消するのでは?とも思えるが・・追い込まれれば何とかなるのは個人も国家も同じだ。●家電や自動車なども一見、助かったように見えるが、逆に生産コストが上がり、円安メリットが相殺されてるわけだ。●過去を振り返れば、一過的な効果を差し置けば、円安で経済が良くなると言うのは幻想のようだ。海外筋からの円安誘導批判も大分出てきた。●かねてから日本経済の再生に円安が有効と持論を述べていた、藤巻ジャパンの藤巻氏も、円安は良いとして、大型財政出動には批判的だ。5年以内に日本の財政は破綻する・・・と予言しており、がらがらポンは早まるとの危惧を述べている。●藤巻氏は三井信託からモルガン銀行の国債ディーラーを経て、ジョージソロスの運用担当になったが、思うほど成績が出せず、クビになった人物だ。10数年前のアベノミクスなら有効だったが、1000兆円の公的債務がある状況では、調整が早まると見ているわけだ。●たしかに安倍総理の誕生以来、超長期債を中心に、長期金利は上昇しており、市場はリスクを読み込んでると言えそうだ。低金利で、残高が少ない内に国債が増発されてれば、借り換えコストも低いので 利払い負担はそう無い。・・・が、今の状況での金利上昇は自転車操業の世界になる。銀行のバランスシートも国債バブルの状況になり、せっかく復活した日本の金融がまた凹むことになる。●つかの間の円安安堵の内に、景気回復を果たし、財政規律も果たすと言うのはかなりのことだ。ちなみに低金利円で海外投資をする円キャリートレードの成果は平均今年1月14日までで、年率32%平均の収益率らしい。これも円安要因だろう。●日銀と政府の攻防も激しいが、この度始めて日銀理事の再任が認められたそうだ。物価目標や雇用まで責任を言われるのは・日銀にとってかつてなかったこと・・前向きに捕らえて対応するのが良いのではないか?