◆韓国で 今起きていること?
●昨年末から年明けにかけて、多くの日本人は韓国との政治的確執について戸惑ってるだろう?この原因について自分なりに考えるとこうなる。 薄識による誤りはご容赦願いたく。●日本には、武士道と言う概念がある。その昔、国際連盟事務次長を務めた新渡戸稲造が英語で発刊した「武士道」・・・が日本人・日本国を理解するための大きな啓蒙書となった。世界中で今日、サムライと表現される日本人のイメージを作り上げた功績は大きい。●大震災の時、多くの避難民がうろたえず、他人を思いやること、略奪もないこと、整然と秩序正しく対応してることなど、緊急時にもかかわらず世界中からその所作が称賛されたのは記憶に新しい。その他・礼儀正しさ・勤勉・親切さなど、武士階級のみならず一般庶民にも武士道がそれなりに浸透していたことが大きいという。●時は 15世紀にさかのぼるが、高麗から独立した朝鮮王朝の優秀な儒学者 李退渓と言う人がいた。何しろ極め付き優秀な人物で、当初は政治に重用されていたが、政治に嫌気をさし、その後隠遁して、時の政権から何度もオファーされたものの、最後まで固辞して学問一筋に後輩の育成に尽力した人物だ。●秀吉の文禄の役の22年前に亡くなったが、その弟子が日本に捕虜として連れてこられた。これまた優秀ゆえに、徳川5代将軍綱吉の儒学振興の中で、林羅山に影響を与え、現在の湯島聖堂につながる日本朱子学の発展に寄与した。その後 朱子学は知行合一を唱える陽明学として発展し、日本の開国・大政奉還に多くの役割を果たした。●武士道は、その成り立ちが、仏教・神道・儒教のミックスしたものと言われており、とりわけ神道の考え方は、キリスト教の考え方に近く、日本にキリスト教があまり普及していないのは、頼る必要がなかったとも言われている。●第2次大戦前、日本は明治維新以来、西洋の科学技術や思想を取り入れて、急激に近代化したが、一方、皇室を中心とする日本国の、いわゆる国体(国民体育大会ではないよ?)についての日本人のアイデンティティーに悩むこととなった。●そこで当時の文部省は、国内の学者を集めて、1930年代後半に「国体の本義」と言う書籍を発刊し日本人のアイデンティティーの道標とした。敗戦後 天皇制擁護の書籍・右翼思想書として焚書となったが、復刻されて日本人論の良書となっているのだね。●さてここからだが、儒学を通じて、日本の思想史に大きな影響を与えた朝鮮民族だが、現在、かの地でこれに代わる物があるとは寡聞にして知らない。日本と違って、キリスト教徒が多いのは民族のアイデンティティーを満足させる何かが素人考えではあるが足りないのではないか?と思われるのだ。●武士道にみられる、およそ朝鮮儒教・朱子学から得た、仁義礼智忠信考弟などの概念が、外交の場や国内の政治でほとんど見られない‥のはどうしたことか?武士階級など遥か昔に亡くなった日本でも、精神は脈々生き続けているのが日本社会なのだが。●韓国における、自らの「国体の思想」はおそらく漂流しており、誰もそれに対して責任も持たないし、また包含‣克己する思想人がいない‥と言う不幸に見舞われているのではないか?だからと言って、これは外国人が与えるものではないので、彼ら自身が切磋琢磨の思考で克服しかないのだが。