フィリッポス2世の暗殺
今日6月19日は第3日曜日、父の日です。私が父と言う言葉で真っ先に浮かぶ人物は1、フィリッポス2世(アレキサンダーの父)2、デネソール(指輪物語のボロミアとファラミアの父)3、ロドリーゴ・ボルジア(チェーザレ・ボルジアの父)といずれも強烈な個性の人間です(笑)私自身の父は平凡なサラリーマンで今は孫の成長を楽しみにしている普通のお爺さんなのですが・・・・ちょうどアレキサンダーに関する英語の本でクライマックスになるフィリッポス2世の暗殺場面を読んでいるので、この事件について少し変えます。世界史を大きく変えたマケドニア王フィリッポス2世の暗殺事件は彼の娘でアレキサンダーの妹になるクレオパトラの結婚式の時に起きました。クレオパトラの結婚相手は母の実の弟(彼女にとっては叔父になる)エペイロスの王アレクサンドロスでした。自分の娘と妻の弟を結婚させたフィリッポス2世、関係が悪化していた妻の機嫌をとろうとしたのか、それとも弟の方と絆を作って妻は追い出そうとしていたのか、いろいろ思惑はあったと思います。娘クレオパトラとエペイロス王の結婚式ですが、その日の主役は完全にフィリッポス2世でした。映画でもありましたがオリュンポス12神の大きな像とフィリッポス2世に似せた13番目の神の像を乗せた山車が派手なパレードを行います。観客もマケドニアだけでなくギリシャ中から集まっている、数々の戦いに勝ってギリシャをまとめ次はいよいよペルシャとの戦い東方遠征とフィリッポス2世の最盛期、絶好調で自分は神にも近いと思っている時にいきなり暗殺されるのですから皮肉です。暗殺の実行犯は衛兵隊長パウサニアス、彼は小姓としてフィリッポス2世に仕え、王のお気に入りでもありました。でも新しく来た小姓が寵愛を受けているのを嫉妬して罵り、その小姓は戦場で王の前に立って自殺同然に死んでしまいます。死んだ小姓の友人(フィリッポス2世の7番目の妻エウリディケの後見人、映画でアレキサンダーを侮辱して怒らせたアッタロス)が仕返しにパウサニアスをだまして酔わせ、野蛮な男達に襲わせるということをします。そのことをパウサニアスはフィリッポス2世に訴えるも王はアッタロスは罰せず、ただ彼を出世させて衛兵隊長にしただけ、パウサニアスの怒りの矛先はアッタロスよりも王に向いてついに暗殺、というわけです。この事件、パウサニアスの方に動機はあるのですが、なぜ凌辱された時すぐにではなく7,8年もたってから、なぜ大勢の観客がいる結婚式の真っ最中にと疑問は残り、当時から裏で糸を引く者がいたのではないかといろいろ噂されたようです。実行犯のパウサニアスはすぐ殺されてしまったので真相は藪の中、個人の恨みなのかそれとも彼を煽り、暗殺の手助けをする者がいたのかわからないままです。アレキサンダーはフィリッポス2世の死で20歳で王位につき、その後東方遠征に出て世界の歴史を大きく変えています。この暗殺事件がなければ彼は母オリュンピアスが心配したように危険な戦場に行かされて若くして戦死したかもしれない、父の死で運命が大きく変わっています。逆にチェーザレは教皇である父の死で運命に見放されてしまう、強烈な個性の父は息子の人生を大きく変えるようです。 コリン・ファレル/アレキサンダー(通常版)価格:3,465円(税込、送料別)