脇役のエピソード
私が今までに繰り返して見て人生を変えられたと思うほど影響力の強かった2つの映画「指輪物語」3部作と「アレキサンダー」、ストーリー全体や主役ももちろん好きなのですが、むしろ脇役の方にこのエピソードが気に入ったという強烈な印象の人物がいました。まず「指輪物語」では「2つの塔」から登場したファラミア、この人にはまず一目ぼれでしたが(笑)いくら努力しても長男である兄ばかりを溺愛する父にうとまれ、それでも兄と父を愛するという姿に心を奪われました。自分がホームページやブログを始めたきっかけはそもそもこの人について書きたかったから、影響力は計り知れないですし、その後この役を演じた俳優さんの出演作はかなり見ています。さらにファラミア大好きになって彼の目線で「旅の仲間」を見たら、最初に見た時はアラゴルンとあんまり区別がつかなかったボロミアに目が釘付け「私の兄上!」とばかりに出て来る度に涙が出そうになる、すっかりボロミアファンにもなり、そのおかげで「カラヴァッジョ」の新旧2作品(古い方はDVDで)を見ることになりました。「アレキサンダー」ではまず親友ヘファイスティオン、幼い頃から一緒にいた親友でもある側近というのが私の感動のツボで「チェーザレ」のミゲルなどもまさにこのパターンです。その他に謀反の疑いをかけられて殺されてしまうフィロタスなどもかわいそうで印象的でした。そして演じた俳優さんがかっこよかったということもありますが結構印象が強かったのがカッサンドロスです。映画には出てこないのですが彼は後にアレキサンダーと母親の違う妹にあたるテッサロニケと結婚してマケドニア王となります。カッサンドロス朝マケドニアというのは息子の代で兄弟争いが起きて短命で終わってしまいます。重臣の息子から王にまで登り詰めたカッサンドロス(その途中には勢力争いや陰謀など様々なことをしている)彼はアレキサンダーが生きていた頃、東方遠征中にペルシャ人の影響で家臣がみな王に対してペルシャ風に大げさに跪くというのを見て笑いだしアレキサンダーが激怒して壁に頭を打ちうけるような暴力を振るわれたことがありました。このことはカッサンドロスの心に深い傷跡(トラウマ)となって残り、何年も過ぎて自分が王になってから、たまたま見たアレキサンダーの彫像で体が震え倒れたほどでした。何人もの人を殺して手は血に染まっているはずのカッサンドロスが現代人のようなトラウマを抱えていたという意外性に驚きました。さらにアレキサンダーの姿として一番有名で教科書にも出ているポンペイから発掘されたモザイク画、あれはもともとカッサンドロスが住んでいたマケドニアの王宮に飾られていた原画があったようです。いくらアレキサンダーの死後も政権を奪ったと言われないためことあるごとにその名を出さなければいけない立場にあったとはいえ、最も恐れて彫像を見ただけで倒れるような人物の絵を自分の王宮に飾って毎日眺めなくても(笑)なんて自虐趣味の人だろうと思いました。こういうエピソードがあるから歴史研究はやめられず、数年前にはアレキサンダーの故郷を訪ねる旅にも行っています。【楽天スーパーセール特別価格】【DVD/洋画/アクション/新品】アレキサンダー プレミアム エデ...価格:3,213円(税5%込、送料別)