カテゴリ:演奏会
実は、良かったんじゃないかしら?
大阪 ザ・シンフォニーホール 大フィル第426回定期演奏会 パスカル・ロフェ指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 ドビュッシー:交響組曲「春」 デュサパン:「エクステンソ」(日本初演) ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」 今シーズンを締めくくるプロ、そして、今シーズンを特徴づける、外国人指揮者ずらりシリーズのトリでもありますね。 ここまで、ドルソン・リープライヒ・エリシュカ・リス・インキネンと来たわけだけれど、エリシュカ氏の回が一番、というのは動かないとすると、後の中では今日が一番良かったかもしれない、ですね。 ドビュッシーは今ひとつだったが、ダフニスが良かった。実のところ、ロフェ氏の棒、明晰でニュアンス豊か、いかにもモダン向き、という物なのだが、大フィルが今ひとつついて行き切れていない感じがずっとあって、どうなるんやろう、と思っていた、というところもなきにしもあらず。でも、ダフニスでは、音楽が進むに連れてシンクロ度が上がっていき、最後の突進するかの如くの「全員の踊り」では、ぐっと胸が熱くなるところまで聴かせてもらえて、これはこれで満足すべきでしょう。合唱が入ったフルヴァージョン、初めてライブで聴かせてもらえて、本当に感謝、でありますな。フルート陣の頑張り、そしていつもながらの弦セクションの表現力が、この演奏の魅力を支えていたのは間違いがない。 ただ、欲を言えばきりがないけれども、木管セクション全体のニュアンスに、もう少し華というかしっとり感というか、があれば・・・という気持ちがないわけでない。ブラスは、予想に反して(失礼)なかなかの健闘で(特に、ペットの篠崎さんの音色の魅力を再認識。この人が大フィルに入ってくれて、本当に良かった)、ホルンにもう「半歩」安定性がアリさえすれば、という感じではありましたが。ラヴェルは、本当に管が大変であります。 初演のデュサパンは、予想よりもずっと耳障りのいい音楽で、それなりに楽しめました。音響の力で聴かせよう、とする音楽で、そこに魅力のほとんどがある。こういう営みが、21世紀となっても、誠実かつ連綿と行われている・・・・それはそれで、尊いことかもしれませぬ。ドビュッシー・ラヴェルと並べるこで、フランス音楽の一つの芯のようなものに触れられたような気がしましたね。 今シーズンのラストを締めくくるに相応しい、立派な定期でありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 14, 2009 01:07:49 AM
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