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不惑ワクワク日記

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March 21, 2009
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カテゴリ:演奏会
蜜月にある指揮者とオケ、というものは、技術とか演奏の精度とか、そんなものを越えたところで素晴らしい音楽を聴かせてくれる・・・その典型のような演奏会。

名古屋 愛知県芸術劇場コンサートホール
オランダ・アーネム・フィルハーモニー管弦楽団2009年日本公演
小林研一郎指揮 オランダ・アーネム・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン独奏 千住真理子
ケース・オルタウス:「地蔵」(日本初演)
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」

名古屋で仕事があって、丁度この演奏会に行き当たった次第。

初めて、愛知芸劇のコンサートホールに足を踏み入れたわけだけれど、まあサントリーホールそっくり。ルック・アンド・フィールもそうだが、響きもそっくり。しかし、日本って凄い国ですねえ、これほどのホールがこんなにあちこちにあるんだもんねえ。

さて、アーネム・フィル。2年前に聴いた時も思ったけれど、やはりそんなに上手いオケではありませぬ。アンサンブル精度があまり高くないんですよ。この点は、すこし改善されたかな、というくらいで、今回も印象は同じ。

でも、今日本当に思ったことは、オケの技術的な巧さ、なんてものよりも、もっと大事なことがあって、それがあれば、唯一無二の「音楽」が生まれ得るのだ、ということ。それは何か?・・・「指揮者とオケの幸福な結びつき」ですね。そのことを、今日ほど感じたことはない。

おそらくは、このオケ、この世界的指揮者に対して精一杯の尊敬で応えようとしている、そしてコバケンもまた、自分のこれまでの音楽体験のできる限りを注ぎ、このオケを精一杯育てようとしている・・・・そのことが、今日の演奏の最初から最後まで途切れることは無かったです。

最もそれが解ったのは、実は、アンコールで演奏された「ダニーボーイ」。この曲、コバケンの演奏会のアンコールの定番で、僕にとってももう「耳タコ」のだが、そんな斜めに構えた僕でさえ、我が耳を疑ったぐらいの素晴らしい響きと情感に満ちた演奏。奇しくも、当のコバケンでさえ、「皆様のオーラが、このような演奏を可能にしてくださるんですねえ。何度もやっておりますが、このような演奏は、今日が始めてでございます」と言ったほど。いや、まさにそのとおりで、僕に言わせて頂けるなら、コバケンとアーネム・フィルの今の素晴らしい関係・絆が可能にした奇跡、だと思います。そんなときに居合わせることができた、というのも、まさに一期一会。

まるで團伊久磨の作品のような「地蔵」にしろ、このオケの鈍くささゆえにあまり上手く付けられていたとは言えないブルッフにしろ、洗練された演奏と言うよりはやや野暮ったいと言われても仕方がない「展覧会の絵」にしても、どれをとっても本当に気持ちがこもっていて、一生懸命で・・・・ツアー5日目の中日、加えて今日は実にマチネとの1日二回公演、さぞかししんどかろう、疲労が出てきてもおかしくは無いだろうに、にもかかわずのこの熱演・・・そう思えば思うほど、今書いたみたいな些細な欠点は、ここにある音楽にとって、もうどうでもいいことであって、むしろ彼らが達成した音楽の到達点にこころからの賞賛を送りたい。

美しい瞬間は上げれば切りがないけれど、「キエフの大門」の最後の長いコードが、絶妙のポーズとその後一旦弱音に落としてからのクレッシェンドで爆発したときの抜群の演奏効果にとどめを刺す。還暦を超えたコバケン、彼ならではの「晩年の仕事」の成果、ですね。

その一方で、ぐすたふくん、もう一つ思ったことがあるんです。

考えてみれば、日本、という国、そしてその聴衆、世界的に見ても、もうかなりの所まで成長をしてきている、と言って良いのでは無いかしら? そして、自分たちとしても、成長してきた、ということを認めても良いのでは無いかしら? だから、外来のオケに対する接し方、というものも変わっても良いのかもしれない。確かに、超一流のスーパーオケの音楽を「聴かせて頂く」「良いものを経験させて貰う」という、まあこれまでのような「ありがたや、ありがたや」的なのもあるだろうけれど、そうではなくて、互いに対等の位置にたつ、同じ目線で音楽を見る、親愛の情を持つ、互いの音楽に共感を覚える、そう言う接し方でいいんじゃないかなあ。そこにこそ、「外来オケと日本の聴衆の幸福な出会い」というものが成立して、素晴らしい演奏会が出現するように思います。

だから、今日の演奏会、コバケンが「ヨーロッパ風にやって下さいね」とお願いして起こった、二つ目のアンコール(ハンガリー舞曲5番)のあとの会場総立ちのスタンディング・オベーションと、それに対してオーケストラ全員が応えた深い深い「日本風の」お辞儀・・・・このことは、極めて印象深く、そして象徴的な事のように思えましたね。

こういうことが出来るというのも、やはり今の「小林研一郎」だからこそ、なんだろうなあ。これもまた、ここまでのキャリアを積んできたからこそなし得る「晩年の仕事」といっていいのかもしれない。

いろんな意味で、極めて印象深い演奏会となりました。





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Last updated  March 21, 2009 09:17:29 PM
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