いろいろあった一週間2
ほんとはたくさん、書きたかったことがありました。だけど、書く気力が出ない……っていうことがあるんだな、と実感しているところです。 海のむこう、アメリカでオバマ氏が当選したこと。なんだか嘘のようです。アメリカがよほど救済を必要としているということなのでしょうけど。それにしても、黒人の大統領が本当に出たことはすごいことだな。 気になる外交ですが、おそらく日本はアメリカがどう日本に対してくるのか、よりも、日本がどうしたいのか、表明することを求められるんじゃないのかな。 なんてぼんやり考えていました。 いつもは政治家のスピーチは好きじゃないけど、オバマ氏の言葉には現実感があるような気が少しして、感動しました。 ちょっと長いけど、ニュース記事を引用します。黒人指導者マーティン・ルーサー・キング牧師が「私には夢がある」と演説してから45年。米民主党のバラク・オバマ候補が4日夜(日本時間5日午後)、米国初の黒人大統領になることが決まった。地元シカゴに集まった支援者約10万人以上を前にして、オバマ氏は「アメリカに変化がやってきた」と宣言し、山積する課題も国民が団結すれば克服できると約束。集まった支援者たちは、時に涙で顔を濡らしながら、時に満面の笑みを浮かべながら、選挙戦中のスローガン「Yes, we can!(そうだ、私たちには出来る)」を大合唱した。複数メディアの生中継によると、オバマ氏は晴れやかな、しかしいつもどおりに冷静な様子で登壇。決意にあふれた表情で勝利演説を開始し、「アメリカは、あらゆることが可能な国だ。それを未だに疑う人がいるなら、建国の父たちの夢がまだ生きているか疑い、この国の民主主義の力を未だに疑う人がいるなら、今晩こそがその人たちへの答えだ」と「夢」の力を語った。「アメリカは今夜、世界中にメッセージを伝えた。この国は決して、ただの赤い州と青い州の集まりでもないと。私たちはこれまでずっと、そしてこれから先もずっと、50州が団結したアメリカ合衆国(United States of America)であったのだと」とオバマ氏は続けた。これは、州議会議員だったオバマ氏が彗星のように全国区に登場した2004年民主党大会における、有名な基調演説のテーマを繰り返したもの。そしてオバマ氏は、「 ここまで来るのに、ずいぶん長くかかりました。しかし今日と言うこの日、この夜、この決定的な瞬間に私たちが成し遂げたことのおかげで、アメリカに変化がやってきたのです」と宣言。この「It's been a long time coming (中略)but a change has come」という表現は、「It's been a long time coming, but a change is gonna come (ずいぶん長くかかっているが、変化はいずれやってくる」と歌う、非常に有名な南部黒人のプロテストソング(サム・クック作詞作曲)の歌詞をもじって、「変化はいつか来る」と長く歌われていたのを「変化はやってきた」と変えた表現。その上でオバマ氏は「先ほどマケイン上院議員から、実に丁重な電話をいただいた。マケイン氏はこの選挙戦を長く、激しく戦ってきた。しかし議員はそのずっと前から、私たちの愛するこの国のために、もっと長くもっと激しく戦った人だ。マケイン氏がこの国のために払った犠牲のほどを、私たちは想像すらできない。私はこの国の約束を再生させるため、マケイン氏と共に働くのを期待している」と、マケイン氏を称えた。さらにオバマ氏は「みなさんがこの選挙に参加したのは、ただ勝つためでもなく、ただ私のためでもない。自分たちの前に立ちはだかる課題があまりにも大きいから、それを克服する必要があるから、参加したのです」と述べ、米国が抱える2つの戦争や地球温暖化、経済危機など、今後の課題は大きいと強調。その上で、同じイリノイ州からワシントン入りしたリンカーン大統領の言葉を引用し、「今よりもはるかに分断されていた国民にリンカーンが語ったように『私たちは敵ではなく友人なのです』。(中略)私をまだ支持していない人たちにも申し上げたい。私はみなさんの大統領にもなるつもりです。私には、皆さんの声も聞こえています。私は皆さんの力も必要なのです」と、党派対立を超えた協力を訴えた。そしてオバマ氏は演説終盤、2つの大戦や南部の人種隔離政策を経験してきた今年106歳になる黒人女性アン・ニクソン・クーパーさんの名前を挙げ、「黒人女性が投票できるようになり、人類が月面に着陸し、そしてベルリンの壁が打ち砕かれたのを目撃してきた、その彼女は知っている。Yes, we can。私たちにはできると。アメリカは変われると」と。この間、支持者たちは口々に、「Yes, we can!」「Yes, we did!」などと合唱していた。 変化はすぐにはやってこないけど、来るべきときにやってくる。そのことは、アメリカだけじゃない、きっといつでもどこにでも起こりうることなんじゃないかと、考えることができて。 そんなふうに思ったことに少し心が震えた11月5日だったのです。