紙一枚でないんだよ!
「紙一枚でないんだよ!始める時には、あんなに色々と書類を提出しなくちゃいけないのに!」一旦後見人に選ばれた場合、後見人でなくなるパターンは3つしかありません。1 後見人が辞任する2 後見人が解任される3 被後見人(後見を受けている本人)が死亡する大きな違いは1と2は裁判所が関与しますが、3は誰にもどうしようもないということです。それなので、後見終了の場面において、2ヶ月以内に管理していた財産の収支を計算し、その現状を家庭裁判所に報告し、新しい後見なり、相続人に引き継がなくてはいけないという点は同じなのですが、微妙な違いがでてきます。辞任や解任の場合は、家庭裁判所が関与しますので、おそらく(見たことはありませんが)「辞任を認める」とか「解任をする」とか、そういった審判書がでるのでしょう。死亡の場合はそういったものが当然ありません(審判しないから)。このお客さんの場合は、家庭裁判所から電話がかかってきて、「法務局で後見終了登記もしてくださいね」と言われただけとの事です。この登記の取り扱いも違っており、辞任や解任で後見人をやめた場合は家庭裁判所から法務局へ嘱託(裁判所から法務局へ登記を依頼すること)されるのですが、死亡の場合は、後見人本人が法務局へ行き(郵送も何)、裁判所にも提出した、死亡の記載のある戸籍謄本、死亡診断書等を提出して、登記申請をしなければなりません。ちなみに、後見が開始されると、戸籍には記載されないのですが、後見登記というものがされ、後見人の権限を証する書面などとして使われます。ですので、後見が終了した時には、終了の登記をしなければいけないのです。おそらく、解任や辞任の場合は、裁判所がその人が後見人を辞めるということを認めるので、登記まで責任をもってやります!ということなのではないかと思います。今回のお客様は、別の件で来所され、最後に世間話のように、最初の発言をされたのですが、本人が死亡しているので、当然後見業務は終了とはいえ、裁判所のやることにしては?随分と簡単なんだな~と感じられているようでした。