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カテゴリ:絵日記三昧
美味しいものに目がない国民は、 音楽も優れたものを産み出すとか。 だから草履のようなステーキを食べる英国には、 優れたクラシックの作曲家がいないと。 ビートルズが聞いたら怒るだろう。 優れた小説家には、食道楽が多い。 水上勉さんの小説は、悲しくて優しくてやるせない。 「越後つついし親知らず」では、最後の文で涙があふれてきた。 水上勉さんは絵でも素晴らしい才能がある。 水彩と言うより、幽玄な墨絵で素晴らしい世界を展開している。 水上勉さんは、精進料理も名人の域にあるよう。 9歳頃から、毎日、禅寺の禅師に使えて精進料理を作らされた。 素材は、小さな畑の質素な野菜や野の恵み、冬は地下の保存野菜のみ。 しかし、おかげで、精進料理の細やかな料理法を学んだ。 ほうれん草の根すら、捨てるなと言われて、吸い物の実に加えて その甘い味に気づいたという繊細な料理法。 そんな精進料理の楽しみを語った本の名は「土を食らう日々」 冬季マイナス15度にもなる軽井沢に一人こもって、 たけのこ、茗荷、くわい、梅と、四季の素材を 料理する楽しみが熱心に語られている。 これだけ、四季の素材をおいしく食べる術があれば、 一人暮らしも楽しいだろうなと思った。 精進料理といえば、美味しい山小屋がたくさんある。 苗場の山頂の遊仙閣は、4時間近く歩いた山上庭園にある素敵な山荘。 食べ放題のたくさんの大皿の山菜の漬物がとても美味しい。 車でいける美味しい山小屋は、両神山の民宿両神山荘。 この絵が心のこもった奥さんの手作りの豪華な夕食。 こんにゃくの刺身、岩茸、自然薯とおかずが14種類もあった。 ![]() さて、僕は、美味しいものに目がない。 今、美味しいと思うものがみっつある。 ひとつは、沖縄の豆腐よう。 豆腐を特殊な発酵をさせた琉球王朝の珍味。 チーズと練りうにを混ぜたような味で、舌の先でとろける。 ふたつめは、さけの中骨の缶詰。 魚の背骨が歯でかむとくずれるように柔らかく美味。 ウイスキーの水割りやブランデーの肴に絶品。 三番目は、軽井沢のスーパーでしか見かけない、 信州ハムのぶあつい生ハム。 赤と白のまだらのハムの厚みは、2cm近くと厚い。 これをできるだけ薄切りにして、マヨネーズとポン酢をあえると 噛むほどにうまみが口に広がる。 いま、その生ハムと鮭の中骨の缶詰を前にして、 ビールを飲みながら、これを書いている。 今日も、美味しいものをたくさん食べた幸せな一日だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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