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テーマ:絵が好きな人!?(4328)
カテゴリ:絵日記三昧
桜の頃は・・・ 伊那の高遠城址。 夏の盛りには・・ 西伊豆の透明な岩場 ヒリゾ海岸 そして夏の終わりごろ、毎年行きたくなるところがある。 川沿いの小高い丘の上の小さな美しい町。 石畳の一本道の周囲には、川へ下る細い路地が巡る。 夏の終わりの3日間を、明け方まで町の人は踊り続ける。 深編み笠で顔を隠した20歳の乙女たちしなやかなしぐさ。 黒い半被のような若者の小気味良い男踊り。 同じ繰り返しにもかかわらず、幾度みても、見飽きない。 独特の音色で遠くから聞こえてくる胡弓と三味線の音。 のどを引き絞るようなものがなしい恋の歌。 そして踊りは優雅そのもの。 越中八尾の風の盆。 ![]() 宿はどうせとれないからと徹夜覚悟で二度も行った。 たくさんの絵を夢中になって夜通し描いた。 二度目は、疲れて、お寺の境内で仮眠した。 しかし眠っている間に、どこかで踊ってるかと思うと 寝るのすら惜しかった。 歌と胡弓三味線と踊りが一体となった美しさは夜通し続く。 観光客が去った深夜1時ごろより 暗い路地から胡弓の音色が聞こえ、 町の人たちが自分たちの為に踊り始める。 もう深編み笠をかぶらずとも良い。 10人前後の老若男女の踊り手たちが、 路地の闇の中から、しずしずと現れてくる。 幽玄と言って良いほどの光景だった。 ![]() 奥多摩の渓流を歩いていた時にも同じような瞬間に出会った。 畳一畳ほどの広がりをもった落花の一群が 風にゆらぎ、もつれ合い、絡みあいつつ、去っていった時。 束の間の光景。 全く異なるが、不思議に八尾の深夜の路地と同じく 思いがけない出会いに息をのむ瞬間だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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