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カテゴリ:日本SF・ファンタジー
谷甲州氏の「SFマガジン連載作単行本化」と聞くだけで本格SFを期待してこの大作を読み始めました。 作者あとがきにもありましたが、ありきたりでないファーストコンタクトものをという意欲作です。 で、古くからのSFファンで著者を尊敬するが故に、今回は星3つです。 大作故に、不要ではないかと思える日米と中ロの政治対決など、内容が盛りだくさんで、テンポがややゆっくりしており緊迫感を感じられなかったことや、結果的にパンドラ自体に大きなワンダーを感じられなかったことが残念でした。 上巻でのパンドラとの遭遇の前兆とも思える「獣害事件」に関する「地上戦」が濃密。 下巻は、上巻とは随分趣を変えて、ひたすら太陽系内での戦いだったので、軌道上から系内へと舞台の移る下巻を読みながら、地上はどうなっているのかと勝手に心配しながら読み進みました。 私は、上巻の方が好きで(上巻と下巻で好き嫌いを語るのはヘンかな?)もっと上巻での事件の続きを読みたい気分です。 筆力やしっかりした硬派な文章は健在で、下巻の最後まで面白く読めたのですが「幼年期の終わり」を連想させた前半部と、映画「アルマゲドン」みたいな後半がなにか私の中でうまくかみ合わないまま読了してしまいました。 しかしながら、海外SFを想わせる大作であることは間違いありません。著者の気概に敬意を表します。 良い意味で、B級SF映画にすると魅力が倍増する作品かもしれません。 ゴッセ シャンパーニュBrut Excellenceハーフボトル 375ml ◆筒井 康隆 (著)「銀齢の果て」 ◆小松左京 /谷甲州(著)「日本沈没(第2部)」 ◆山田 正紀 (著)「神狩り 2 リッパー」 ◆谷 甲州 (著)「パンドラ (上) (下)」 ◆小川 一水 (著)「老ヴォールの惑星」 ◆谷口 裕貴 (著)「ドッグファイト」 ◆町井 登志夫 (著)「血液魚雷」 ◆藤崎慎吾 (著)「ハイドゥナン〈上〉〈下〉」 ◆林 譲治 (著)「ストリンガーの沈黙」 ◆石黒 耀 (著)「死都日本」 ◆池上 永一 (著)「シャングリ・ラ」 ◆恩田 陸 (著)「ねじの回転」 ◆機本 伸司 (著)「メシアの処方箋」 ◆機本 伸司 (著)「僕たちの終末」 ◆荒俣 宏 (著)「妖怪大戦争」 ◆菅 浩江 (著)「おまかせハウスの人々」 ◆有村 とおる (著)「暗黒の城 」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.02 15:52:58
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