|
カテゴリ:日本の伝統的食文化
ここ3ヶ月くらいの間に、我が家の食生活、食べるものは本当に大きくかわりました。
そのことについては、当の本人たち(妻と私)が一番驚いています。 その頻度を数字でイメージ化するときっとこんな感じです。 肉料理 80%以上→10%以下 食用油 100%→10% 添加物 100%→5%以下 化学調味料100%→ほぼ0% 水道水 100%→0% 魚料理 10%→40% 豆類 20%→70% 野菜 30%→90% 海藻類 20%→100% バランスや質を考えると、まだまだ端緒についたばかりといったところですが、それでも当人たちにとっては大激変です(特に肉と油については自分でもすごいと思います)。 いろいろな情報を頼りに、こういう形になったわけですが、もっと簡単に食べればいい食品を選択できる便利な食事法があることがわかりました。 山田豊文先生の推奨する「マゴワヤサシイ」という食事法です。 これは、「理想の食材の名前を語呂合わせしたもの」だそうです。 以下、山田先生の本から抜粋します。 ・マ=豆類、納豆、豆腐、味噌などの大豆加工品。 マグネシウム、亜鉛、ビタミンB群のほか、良質のタンパク質と食物繊維を多く含みます。 特に納豆や味噌はさまざまな種類の酵素をもっています。 豆類には、ファイトケミカル(抗酸化物質)のひとつである「イソフラボン」も豊富です。 さらに大豆製品には、脳にいい適量の不飽和脂肪酸とレシチンが含まれます。 ・ゴ=ゴマやナッツなどの種実類。 カルシウム、マグネシウム、鉄や亜鉛などのミネラルをバランスよく含み、抗酸化作用にすぐれているビタミンEが豊富に含まれています。 なかでもゴマには「セサミン」など多くの有効成分が含まれており、肝機能の強化や動脈硬化の予防に役立つと注目されています。 ・ワ=ワカメやコンブなどの海藻類。 発育や新陳代謝の維持に欠かせない甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素、解毒能力を高める亜鉛を摂取できます。 カルシウムやカリウム、マグネシウム、鉄、α-リノレン酸、ビタミンB群や食物繊維も比較的豊富に含まれています。 ・ヤ=野菜類。 各種ビタミンやミネラルの補給源として欠かせない食材です。 さらに、食物繊維やカリウムの豊富な根菜もあります。 野菜類にはカロリー栄養素はほとんど含まれていませんが、体をきれいにしたり、免疫力を高める物質が豊富に含まれています。 ・サ=魚類、特に小型の青背魚。 魚介類は良質なたんぱく質源です。 亜鉛、セレン、鉄を主としたミネラルのほか、アミノ酸の一種である「タウリン」が豊富です。 タウリンは高血圧の改善作用のほか解毒作用があり、コレステロールや中性脂肪を減らしたり、肝機能を強くしたりする作用があります。 イワシやサバ、アジなどの青背魚には、特にDHA、EPAなどのオメガ3が豊富に含まれています。 ・シ=シイタケなどのキノコ類。 カリウムを豊富に含むことに加え、ビタミンB群やD、食物繊維なども多いのが特徴です。 このほかキノコ類はファイトケミカルのひとつである「β-グルカン」などの多糖類が多く含まれています。 これらは、免疫を高めたり、ガン細胞の増殖を制御する働きがあります。 ・イ=イモ類。 カリウムの含有量が高く、カルシウム、マグネシウムやビタミンC、食物繊維も豊富に含まれます。 サトイモやナガイモにはビタミン類のほか、胃潰瘍や風邪の予防に役立つといわれる「ムチン」が含まれています。 サツマイモには、便を柔らかくする作用があるといわれる「ヤラピン」など、さまざまな成分が含まれています。 当然、以上のような名のつく食材であれば質的にはなんでもいいとうわけではありませんが、とにかく基本はこれらの食材を油や食品添加物を使わずに調理するということのようです。 要は、昔ながらの日本の食事ということですネ。 何だかんだといっても結局、昔の日本人は賢かったということのようです。 確かアメリカの「マクガバン・レポート」というものには、理想の食事は「日本の元禄時代の食事である」と書かれているという話もあったはずです。 再び山田先生― 「『マゴワヤサシイ』のほとんどの食材はアルカリ性食品であることが特徴です。 このなかには牛乳、乳製品、肉は含まれていません。 これらに卵や砂糖を含めた酸性食品は体内のミネラルバランスを悪化させ、さまざまな病気を引き起こす元凶となるからです。」 「また、酸性食品は脂肪やたんぱく質を多く含んでいるため、消化に負担がかかることも問題です。 この点、アルカリ性食品は消化がすみやかで体に負担をかけないのも利点です。」 食物を摂るにあたって、山田先生は特に「酸性食品」の「消化吸収」と「ミネラルバランス」という問題点を強調していらっしゃるようです。 「たんぱく質は脂肪と違い、多めに摂っても問題ないと思っている人が多いかもしれません。 ところが、過剰摂取の弊害については近年少しずつ明らかになってきているのです。」 「まず、たんぱく質の摂りすぎは肝臓と腎臓に大きな負担となります。 これは、たんぱく質には窒素が含まれているため、代謝の過程でアンモニアが発生するからです。 アンモニアは非常に毒性が強いので、肝臓で毒性の低い尿素にされます。」 「このプロセスで肝臓に負担がかかるのです。」 「さらに、血中に入った尿素はそのままでは尿として排泄できないため、さらに腎臓でろ過されます。 ここで腎臓にも負担がかかるのです。」 「この尿素のろ過がスムーズに行われないと尿酸になります。 尿酸が蓄積されると高尿酸血症になり、場合によっては痛風を発症することになるのです。」 胃が食べ物を消化してくれたり、肝臓、腎臓が血液をきれいにしてくれたりすることは、当然の営みだと思っていたのですが、どうやらこれらの行為は、私たちの体にとってはかなりの負担になっているということのようです。 さらに、肉に代表される「酸性食品」の過剰摂取は、骨からカルシウムなどのミネラルを溶かしだす「脱灰」を促進させてしまうというのです。 「脱灰」とは、歯科関係でよく使われる用語のようですが、あの新谷弘美先生も述べていることです。 「普段、弱酸性に保たれている血液が酸性食品を多く食べることによって酸性に傾きます。 すると体はこれをなんとか中和しようとして、骨や歯にあるカルシウムを溶かして血液中に送り込みます。」 このメカニズムのことを「脱灰(だっかい)」というそうです。 用の済んだカルシウムは再び骨や歯に戻されます。 そしてこれを「再石灰化」というのだそうです。 普通はこの脱灰と再石灰化のバランスがうまく保たれているのだそうです。 動物性たんぱく質を多く含んだ酸性食品をたくさん食べていると、先ほど述べたようにたんぱく質代謝の過程で生じる尿酸や硫酸のために、血液を大きく酸性に傾けてしまいます。 するとやはり体はこれを何とか中和させようとして、「脱灰」を促進させるのですが、それがあまりに進み過ぎると体の中のミネラルバランスを崩し、免疫機能を狂わせてしまうのだそうです。 そのくらいのことと軽く考えてしまいますが、これがたとえば、「さまざさなガンをはじめ、アレルギーやリウマチなどの自己免疫疾患、めまいやてんかん、注意失陥多動性障害(ADHD)、自閉症、うつや不眠症、神経系の異常や脱毛症、前立腺肥大、子宮内膜症などの内分泌系の異常、アルツハイマー病や糖尿病、動脈硬化、腎臓結石、白内障などを引き起こす」原因になるというのですからたいへんです。 「過剰な脱灰は非常に危険なことなのです。」 そして、脱灰を促進する原因が酸性食品(たんぱく質、脂質、糖質=三大栄養素!)の過剰摂取のほかにもうひとつあるそうです。 「それはマグネシウムの不足です。」 「体内のカルシウムとマグネシウムのバランスは非常に重要なポイントです。 私たちの体は一定の割合でカルシウムとマグネシウムのバランスをとっています。」 マグネシウムはカルシウムを体内に吸収するときも必要だといわれています。 カルシウムを多く摂っても、マグネシウムがなければカルシウムは体内に吸収されないというメカニズムがあるためです。 脱灰のメカニズムの中でもマグネシウムが不足していると、再石灰化がなされなくなり、結果として脱灰が過度に促進されてしまい、ミネラルバランスが崩れていくことになるというわけです。 よくいわれることに、カルシウムとマグネシウムのバランスが崩れると、カルシウムが体内に吸収されないために、骨がもろくなり骨折しやすくなるということがあります。 しかし、カルシウムとマグネシウムのバランス崩壊には、もっと重大な命に関わる問題もあるのだそうです。 それは、「カルシウムがいくら多くてもマグネシウムの摂取が少なければ少ないほど、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクが高まる」ということです。 若い人などのスポーツ中の突然死の原因も実は、この「マグネシウムを中心とした、いくつかのミネラルの不足やミネラル同士のアンバランスにある」といわれているのだそうです。 外食やコンビニ食、甘いお菓子やスナック菓子を毎日のように食べる、あるいは清涼飲料水やアルコールを大量に飲むなどしていると、マグネシウムはどんどん消耗されてしまうのだそうです。 さらに激しい運動やストレスによってもさらにマグネシウムは消耗されてしまいます。 「マゴハヤサシイ」の食事法は消化吸収に負担をかけない食材です。 また、体をあまり酸性にしない食材でもあります。 さらには、ビタミン、ミネラルを多く摂れる食材でもあるわけです。 健康の基礎、基本のひとつとして、まずはここから始めていくのがベストだと思います。 追伸。 「マゴハヤサシイ」の反対言葉的なものに「オカアサンヤスメ」というものがあるそうです。 オムレツ、カレーライス、サンドイッチ、焼きそば、スパゲッティ、目玉焼き、という普通子供が喜ぶ(子供だけではないでしょうけど)料理というわけです。 一般にこれらの料理には、脂肪や炭水化物、たんぱく質などのカロリーが多く、食塩や添加物も多く含まれています。 そして反対に、ビタミンやミネラルがあまり含まれていません。 できるだけ食べない方がいいというわけです(当然、材料や調理法を工夫すれば健康にいただくこともできます)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.24 08:01:20
コメント(0) | コメントを書く
[日本の伝統的食文化] カテゴリの最新記事
|