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カテゴリ:カテゴリーA・食品
9月7日の続きです。
人体が放射線にさらされることを「被曝(ひばく)」といいます。 「被爆」とは字が若干違います。 この被曝には「内部被曝」と「外部被曝」の2種類があるそうです。 また、人体は常に「宇宙線」や地殻からの放射線によって自然に被曝しているそうで、これを特に自然被曝と呼んだりもするそうです。 「内部被曝」と「外部被曝」の違いは、「放射線源」が体の外にあって、「放射線だけ」が体に照射された場合の被曝を「外部被曝」、「放射線源」自体を体の内部に取り込んでしまった場合の被曝を「内部被曝」ということで区別されます。 放射線源を体内に取り込むことなどあるのかと驚いてしまうわけですが、その経路には以下のようなものがあるそうです。 ・汚染された飲食物を摂取するなどして、放射性物質を口から取り込んでしまう。 ・放射性物質が皮膚の傷口から血管に入ってしまう。 ・放射性物質のエアロゾル、または気体を肺で吸い込んでしまう。 このような経緯から発生する内部被曝は、その汚染の除去が難しいために、結果として外部被曝よりも長い期間に渡って被曝し続けるという危険性があります。 次は放射線被曝による障害についてです。 これも2種類に大別されるようです。 「急性(即時的)障害」と「慢性(遅延的)障害」です。 具体的には、それぞれどのような症状が現れるのでしょうか。 急性障害としては、全身に放射線を浴びた人にみられる「急性放射線症」というものがあります。 急性放射線症はいくつかの段階を経て進行しますが、特に影響を受けた部位によって3つに分類されるそうです。
短時間に過度の放射線を浴びると、血液、内臓、脳という人間にとって最も重要な部分に重篤な障害が及んでしまうようです。 (「東海村臨界事故の被曝者たち」に具体的症例が記述されています。) 放射線障害には、このような即時的な影響ばかりではなく、何年、何十年も経ってから現れてくる障害もあるそうです。
癌全般において、その原因がなんであったとしても、いきなり発現するということはないようですが、放射線の影響による癌の多くも被曝後10年以上経過してから発症したりするようです。 (そうなると、その発症がはたして放射線被曝による影響なのかどうかは、実際のところ特定が難しいということになってしまいます。) 見てきた結果からすると、やはり予想通り放射線を浴びることは、人体にとっていいことではないということのようです。 検査や治療などの目的で放射線が使用される場合でも、被曝するデメリットを診断や治療によるメリットが上回ると判断されるからこそ使用されるわけです。 (今回分かりましたが、検査とはいえPET検診は「内部被曝」ということになるようです。) しかし、「放射線=危険」、単純にそれだけだとしたら、いろいろな問題や素朴な疑問が出てきてしまいます。 たとえば、前回その成り立ちを少しは理解できた(はずの)原子力発電所は本当に大丈夫なのかとか、放射能泉は体にいいどころか危険なのではないかといった疑問です。 原子力発電については、すでに日本国内の消費電力の3分の1をまかなっているにもかかわらず、まだまだ即時中止などの反対意見が根強くあるようです。 詳しく知らないのにいうのもなんではありますが、「原発は安全かつ効率的なものである」というのが原発を推進する側の言い分のようです。 多くの人や農作物、家畜などに害を与えるような量の放射線は(少なくとも日本国内では)絶対に漏れることはなく、 漏れるとしても、その量は人が常日頃、宇宙線や地殻などから受ける「自然被曝」と変わらない量でしかないのでまったく安心であり、 資源のない日本には原子力が不可欠で、それは多少の危険性が発現してしまうというデメリットを大きく凌駕するほどのメリットがあるものである、 簡単にいえば、こういった理由によってその安全性、正当性を主張しているようです。 しかし現実に100%その通りだとしても、「核のゴミ」の問題は残ります。 前回出てきたウラン238やプルトニウム239がMOX燃料としてリサイクルされたとしても、最終的には「高レベル放射性廃棄物」といわれる放射性物質が残るのだそうです。 しかし、この「核のゴミ」を日本のどこに捨てるのか、場所はまだ決まっていません。 この高レベル放射性廃棄物は、半減期が非常に長い物質です(数億年単位)。 そのため、人間の時間感覚からするとほぼ永久に、その姿を二度と見ることがないように人間界から隔絶してしまわなければならないわけです。 かといって、人間の知らないところで自然界に漏れ出してもいけません。 核のゴミには、さらに「軍事転用の問題」もあります。 原子力発電の燃料となる「濃縮ウラン」を作ったあとに残る「劣化ウラン」が、「劣化ウラン弾」という兵器となって戦争に使用されているというのです。 もともと天然のウランなので放射能は弱いということですが、例えば、非戦闘員であるはずのイラクの子ども達までが、その微粉末を吸い込むことによって内部被曝し、悲惨な放射性障害を起こしているというのです。
話を戻します。 「ホルミシス効果」というものがあります。 ホルミシス効果とは、「生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用」をいうそうです。 放射能泉である玉川温泉や三朝温泉などは、ガンをはじめとした「不治の病」が治る温泉として有名なわけですが、この地域に生活する人たちのガンの発生率に関しても、全国平均よりも低いという報告があるそうです。 さらには、「中国の陽江では、自然放射線量が日本平均の3倍もあるのにも関わらず、胃ガンの発生率は48%低い」とか、「ラジウム岩盤浴で血液がサラサラになる」という臨床報告などいろいろあるようです。 一度に大量の放射線を浴びると危険である事は事実ですが、微量の放射線であればむしろ健康にとっては良好に作用するという、このような効果のことを「低線量(微量)放射線ホルミシス効果」と呼ぶのだそうです。 これに対して、少しの放射線でも体に悪いという「直線閾値(しきいち)なし説」や、ある一定の閾値(しきいち)を越えると危険となるという説と放射線の人体に与える影響に関しては、今もって見解の分かれる部分があるというのが現状のようです。 (従ってホルミシス効果に関しても、必ずしも再現性が得られないため、まだ確立されたものとはいえないそうです。) (というよりも、一部?あるいは多数派?の見解としては、かなり否定的なようです。) (しかし、巷には「ホルミシス効果グッズ」なるものが多数市販されているようです・・・・) (理屈はどうあれ、治れば、効けばいいわけですが・・・・) 長くなってしまいましたが、次回で最後(のはず)です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.06 15:34:25
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