|
カテゴリ:カテゴリーA・食品
かなり長いブランクになってしまって、今まで長々と何の話をしてきたのかほとんど忘れてしまっているとは思いますが、9月15日以来の「放射線」の話の続きです。
どうやら前回までに見てきたところによると、微量の放射線は、からだに危害を与えるものではなく、それどころか、からだにとっては有効な作用さえあるらしいということがわかりました。 そして、このいわば「放射線は人類にとって有益なのだ」説の論拠となるものが、ひとつには人間が普通に生活している環境には、微量の放射線は常に溢れていて、だからといって危険なことは何もないという「自然被曝」の考え方であり、さらには世界各地にある放射能泉の温泉治療に代表される「ホルミシス効果」ということになるわけです。 (しかし、こうした「放射線は安全かつ有効」であるという説を誇大にクローズアップして、実際は微量かつ自然ではない人為的に作られた原発などの高エネルギーの放射線までが、同じようにその安全性、有効性に関して主張される傾向があるようですが、これは如何なものでしょうか。) (原発の是非はともかくとして、それはちょっと違う議論なのではと思ってしまうのですが。) (高いリスクはあるが、今の日本には必要不可欠なエネルギー源だと、単純に主張してほしい気がします。) しかしとにかく、放射線は現在、前述のような医療分野での利用以外にも、工業分野や研究分野などでも幅広く利用されているといいます。 有名なところでは、考古学や古生物学などの分野で使われている、放射性同位体の半減期を利用して古い年代を測定するというものがあります。 つまり放射線は、一般にはあまり馴染みはないとはいえ、既に多方面で実用化され、利用されている科学技術だというわけです。 こうした状況にある放射線ですから、食品分野においても既に利用されています。 まず、食品と放射線と聞いてすぐ思い浮かぶのは、「放射線照射食品」です(舌をかみそうになりますが)。 放射線照射食品とは、「コバルト60やセシウム137のような放射性物質から出るガンマ線や、電子加速装置からでる電子線を食品にあてることで、殺菌や殺虫、または作物から芽が出るのを止めたりして保存性を高めた食品」のことです。 食品においては、ジャガイモの発芽防止に利用したのが最初といいます。 「ジャガイモやタマネギなどの発芽組織の細胞は、放射線の影響を受けやすく、他の部分の細胞はあまり影響されないので、商品価値を落とさずに発芽を防止することができる」のだそうです。 こうした食品照射に用いられる放射線は、世界的に権威のあるコーデックス委員会(FAO/WHOの合同食品規格委員会)などにおいて厳格に規定されているといいます。 では、なぜ食品に放射線を照射するのか、その利点といわれるものをまとめてみます。
食品照射は、上述のように「野菜の発芽防止、殺虫、殺菌、果実の熟度抑制など広い範囲での応用が可能なため」、世界的には既に以下のような食品と利用目的で実用化されているそうです。
放射線の食品照射は、従来の農薬などによる殺菌、殺虫や温度調整による貯蔵方法などに比べて、はるかに有効性が高く、応用範囲も広いというわけです。 さらには、環境に対して悪影響を及ぼしたり、その残留性によって人間の健康への害が問題視されている農薬やポストハーベスト(収穫後の農産物に使用する殺菌剤、防かび剤)を使わなくてすむことにもなるというわけです。 こうした利点ばかりのような照射食品ですが、日本での現状はどうなのでしょう。
現在は照射ジャガイモのみとはいえ、実用化に向けた研究は次々行なわれているようです。
世界各国の動向はというと、
話が中途になりましたが、明日につづくです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.07 12:33:14
コメント(0) | コメントを書く
[カテゴリーA・食品] カテゴリの最新記事
|