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カテゴリ:カテゴリーA・食品
以前も話したように我が家では、肉中心の食生活から「脱油(脂)生活」へと変貌を遂げ、肉類や植物油を摂ることがかなり減りました。
食肉については以前、一度整理しました。 1.動物は人間の体温よりも高いため、その肉を食べると体温差によって血液がドロドロになる。その脂は酸化もしやすい。 2.肉は酸性食品のため、体内が酸性化し「脱灰作用」が起きる。 3.食物繊維を含まないため、腸にも悪影響を及ぼす。 4.家畜を育てることはとても効率が悪いため、世界規模での食糧不足を引き起こす。 つまり、肉食することは病気と貧困の原因を作るということです。 今回、さらに食肉の問題点を知って、もう肉を見てもほとんど食欲がわかなくなりました。 メイン情報は『新・食べるな、危険!』(食品と暮らしの安全基金)です。 <アメリカ産牛肉の問題点> ・BSE(狂牛病)発生の可能性― 牛を原料とした飼料は、日本では、牛はもちろん、豚、鶏にも禁止されているが、アメリカでは、豚、鶏の飼料に使える。 それによって、牛、豚、鶏のエサがひとつの工場で生産されると、牛のエサにあの「肉骨粉」が混じる可能性が高くなる。 現に2005年にテキサス州の牧場からアメリカで2頭目のBSE(狂牛病)が確認された。 しかしアメリカではいまだに、「肉骨粉」を飼料として使用している。 世界各国では対策が進んでいるのに、今のままではアメリカがBSEの震源地になってしまう危険性がある。 そんな状況にもかかわらず、アメリカ国内のBSEの検査体制はずさんである。 全頭、二重検査体制(今の日本)には遠く及ばない、おざなりの検査である。 そんな牛肉をアメリカは日本に輸出しようと躍起になっている。 日本もアメリカの仰せには危険が予測できていても逆らえない(過去の例に漏れず)。 日本に来る牛肉の「特定危険部位(BSEの病原体が溜まりやすい危険部位)」の除去にしても、抜き打ち検査で何度も危険部位の混入が発見されるというお粗末さである。 ・女性ホルモン剤(成長ホルモン剤)の使用― アメリカでは効率よく太るとして、牛の飼育用に女性ホルモン(成長ホルモン剤)が使われている。 小さなペレットにして、若い牛の外耳の皮下に埋め込み吸収させる。 女性ホルモンには天然系と合成型があるが、「EUでは、天然型か合成型かを問わず、成長促進剤としてのホルモンの使用を禁止」している。 よって、EUはアメリカからの牛肉を原則輸入禁止にしている。 ホルモン剤は、体外から摂取すると、たとえごく微量でも危険性があるといわれている。 特に妊娠中の女性は気をつけないと、胎児の体内ホルモンのバランスを崩す恐れがある。 ちなみに成長ホルモン剤に関して、日本では国内外問わず検査が義務付けられていない。 BSEよりもこの成長ホルモン剤のほうが危険度が高いと指摘するむきもある。 <霜降り牛肉の問題点> ・不自然な飼育法― 「とろけるような美味しさ」と、多くの日本人が喜ぶ「サシ」。 サシの入りやすい黒毛和種を飼育技術を駆使して育て上げる。だから外国産牛では作れない。 トウモロコシ、大麦、大豆カスなどの穀類は与えるが、「緑色の草」は脂肪に黄色味をつけてしまうから与えないなどの飼育方法をとる。 さらに日本人の好みである柔らかい肉にするために、オス牛を生後3~5ヶ月で去勢し、女性ホルモン剤を使用することもある。 こうした不自然な育て方を経て、あの高価なサシ入り肉や柔らかい肉が出来上がる。 食肉用として利用するのは筋肉の部分である。考えてみれば、筋肉が「箸で切れる」ほど柔らかいというのは異常である。 ちなみに、筋肉に入った脂肪を大事にするのは世界で日本だけである。 ・にせもの「成形肉」― 工場やスーパーで作られる「お手頃サシ入り肉」というものもある。 肉切れと脂身に、接着剤として食品添加物を加え混ぜるのである。 これを冷凍し固めて切れば、霜降り牛肉のサイコロステーキになる。 さらには偽装事件にもなった、牛脂などの添加物を注入加工したステーキ用牛肉なるものもある。 ・脂肪の取りすぎは不健康のもと― 国産牛はBSEに関しては安心だが、この不自然な霜降り牛肉を堪能しすぎると、大腸内に発ガン促進物質が増えるというリスクだけでなく、血中コレステロールを上昇させることにもなる(血液ドロドロに)。 <豚肉の問題点> ・病的で抗生物質漬けになっている豚― 日本の豚の6割以上から病気が発見される。それでも、と場で病変部が廃棄され、残りが食肉になっている。 豚に病気が多いわけは、経済効率だけを追求して飼育しているからである。 日本では、畳一枚の広さに豚二頭というのが一般的な飼育である。出荷前ともなると体重は110kgほどになり、豚同士が体を触れることなしには過ごせない。 豚は繊細な神経を持った生き物なのに、それを無視して狭い豚舎に詰め込むため、ストレスで胃潰瘍やその他の病気になってしまうのである。 さらに、床に排泄される膨大な糞尿は、強烈なアンモニア臭を放つ。そこで生きる豚にはたまったものではない。呼吸器の粘膜がただれて肺炎になる。 もちろん、肉に悪臭がしみ込むから味もまずくなる。 生産者としても病気になられては困るので、以上のような慢性的にかかるさまざまな病気の治療や予防として、細菌感染症の薬である抗生物質や合成抗菌剤を大量に使う。 病気になる豚がいると、その豚だけでなく、通常、群れのすべてに抗生物質が使われる。 炎症性の疾病は、抗生物質が効けば簡単に治るはずだが、現実はなかなか治らない。 それは、慢性的に抗生物質を投与することによる弊害で、抗生物質が効かなくなってしまった「耐性菌」が生まれているからである。 豚の飼育現場ではこのように、膨大な量の抗生物質が使用され、次々と耐性菌が生まれているのである。 ・人間にも害を及ぼす「多剤耐性菌」― こうして、家畜の飼育現場で生まれ、飼育環境から広がる耐性菌は、複数の抗生物質が効かない多剤耐性菌を誕生させ、人の治療を困難にしている。 現に日本でも多くの死者を出している。 そしてついに、2002年には、「最後の切り札」といわれていた抗生物質、バンコマイシンが効かない「VRSA」という非常に恐い黄色ブドウ球菌が、アメリカで発見されるに至っている。 <鶏肉&鶏卵の問題点> ・耐性菌汚染率ワースト1― 2002~03年、東京都は都内のスーパー5店舗の鶏肉210品を調査した。 すると、70%の肉から食中毒を起こすカンピロバクター菌が検出され、そのうち59%が抗生物質耐性菌だった。 このような菌で食中毒を起こし重症になっても、抗生物質が効かないことになる(治す薬がないということに)。 耐性菌が鶏肉に付いているのは、ブロイラー(食肉専用種の若鶏)の飼育に、大量の抗生物質が使われているからである。 ブロイラーは一般に、畳一枚のスペースに、30~50羽近くを押し込む超過密で飼育されている。 豚舎と同じ経済効率追求の結果である。 このような超過密の飼育では、一度病気が発生すると大きな被害となってしまう。 だから、抗生物質や合成抗菌剤をエサに混ぜて飼育せざるを得ない。 ブロイラーはエサと一緒に常時、数種類の抗生物質を食べさせられているので、おなかの中にいる菌は多剤耐性菌になっている。 抗生物質は、糞と一緒に排出される。そして、糞が乾燥するにしたがって抗生物質は濃度が濃くなっていく。 だから、生き残った菌は濃い濃度に耐えられる耐性菌になっている。 多剤耐性菌が生まれると今までの抗生物質はすべて効かなくなるから、途中で薬の種類を変える。 鶏は床の上にある糞をついばむので、再びおなかに入った菌は、途中で種類を変えられた抗生物質に出会い、その抗生物質にも耐性を持って、さらに強力な多剤耐性菌になっていく。 このようにブロイラーの腸の中は、強力な耐性菌の製造工場になっている。 それらの耐性菌は、出荷前の休薬期間があっても簡単にはいなくならない。 鶏肉が危ないのは、日本だけではない。VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)という、抗生物質が効かない細菌が、1998年にはフランス産の鶏肉から50%、タイ産から21%、ブラジル産から9%検出されている。その後中国産からも検出された。 今やヨーロッパやアメリカを始め、、世界の多くの国々で、鶏肉からVREが検出されている。 畜産で使われる大量の抗生物質によって、強力な多剤耐性菌が生まれているが、耐性菌の汚染率が一番高いのはブロイラーである。 ・鳥インフルエンザの問題も― 大規模農場では、鶏卵もブロイラーと同じように、窓をなくした「ウインドレス鶏舎」を取り入れている。 外部と遮断し、照明、換気、室温の調整で早く太るようにしたり、多くの卵を産むようにしているのである。 そんな中に、檻を積み上げ、鶏を過密に詰め込むのである。 これでは、鶏は弱くなってしまい病気にもなりやすくなる。 鳥インフルエンザの発生原因や人への感染経路については、まだ不明な点が多いが、病気になりやすい弱った鶏では、当然鳥インフルエンザの感染を防ぐことは難しい。 以上の事柄に共通するのは、経済効率だけを優先し、生き物を商品としか見ない人間の身勝手さであり、現在発生している家畜たちのさまざまな病気や、人間を襲う耐性菌、ウイルスはそのしっぺ返しであるといって間違いない気がします。 「と殺」の問題を考えるまでもなく、「肉はもういらないな」という気になってしまいました。 その2に続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.06.06 09:52:06
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