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2024/04
2005/07/18
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カテゴリ:預貯金
新生銀行が新しい定期預金を始めたようで,「パワード定期プラス」という名前です。従来からある「パワード定期」の期間が長いバージョンのような位置づけです。仕組みは以下の通りです。

1.期間は3年か5年の2つ。金利は円で毎年支払われる。
2.現在のUSD為替レートより,5円,7.5円,または10円円高のレートを特約設定レートとし,預金者が選べるが,利回りはそれぞれ異なる。
3.元金は満期時に特約設定レートと同じか円安の場合,円でそのまま払い戻され,特約設定レートより円高の場合は,特約設定レートでUSDに換算され,USDで払い戻される。

期間が2通り,特約設定レートが3通り選べるので,全部で6通りあるのですが,まあ,どれもにたようなものですから,5円円高の特約設定レートの3年ものを見てみましょう。本日(7/18)現在で,この場合の金利は1.4%です。3年もの円定期として見れば,確かに高利回りです。新生銀行の商品ラインナップでも確かに円定期の欄に書かれています。おそらく,通帳にも残高○○円とか書かれることでしょう。しかし,この預金は実態としては外貨預金であり,しかも外貨預金のオイシイ部分は銀行のもの,危ないリスクは預金者に負わせるという銀行にとって誠に都合のよい預金となっています。

為替レートを1 USD = 112円とします。特約設定レートを107円(5円円高レート)に設定し,100万円預けてみましょう。3年後に107円以上の円安だった場合は,めでたく(?)円預金と全く同じことになり,しかも金利は1.4%ですから,税引き後1,033,600円となっているはずです(閏年は考えない)。107円より円高になってしまえば,金利は円で,元本はUSDで受け取ることになりますので,$9345.79+\33,600が手元に残ります。

私がもし銀行側の人間で,100万円の上記預金を受け入れた場合,どうするかといいますと,利子払いのため42,000円(税引き前)は別枠として残して,その他残額をUSDに換えてUSDで運用します。銀行ですから為替手数料はほとんど無しでUSDに換えられるとして,$8553.57となります。USDの運用利回りはどのくらいでしょうか?銀行の運用成績はわかりませんが,ソニー銀行のUSD3年定期預金の金利は,現在最高で3.2805%ですから,これを超える3.5%程度の運用成績は上げられるのではないかと思われます。短期金利のFF金利が3.25%,米国債10年ものが4.2%程度ですから,3年で3.5%はまあまあありそうな利回りです。その3.5%で3年間運用したとすると,単利でも$9451.70となります。これを預金者に元本として返さなければなりません。銀行側の損益としてはどのくらいになるでしょうか?

1 USD = 112円の場合

要するに,為替変動なしの場合です。$9451.70を円に戻すと,1,058,590円で,預金者に払うのは元本の100万円(利子は別枠で確保済み)ですから,銀行のもうけは58,590円となり,預金者の利息以上です。要するに為替変動がないのだから,日米の金利差が銀行のもうけです。銀行のもうけは課税前です。

1 USD > 112円の場合

預け入れた時より円安だった場合です。この場合も預金者に払い戻すのは同額ですから,為替差益分まるまる銀行のもうけになります。例えば,115円/$だったら銀行のもうけは86,946円,120円/$なら134,204円のもうけです。預金者側は42,000円(税引き後33,600円)の利息が確定していますが,銀行側は円安になればなるほど大もうけです。

107円 < 1 USD < 112円の場合

円高になると,外貨で運用している銀行側にとってやや苦しいところで,為替差損が出ます。しかし,日米の金利差による差益が,112円/$の場合58,590円あったわけですから,これが効いて,なんとか預金者に払い戻しをしても赤字にはなりません。107円/$でも,11,332円の黒字ですが,少し黒字幅が少なくなってきましたね。

1 USD < 107円の場合

さて,この預金の(銀行側にとって)すばらしい点は,これ以上円高が進んでしまった場合の為替リスクを預金者が負ってくれるというところです。預金者にはUSDで払い戻せばよくなり,$9345.79払うと,差額$105.91が残ります。まあ,少額ですが,何はともあれ赤字にはなりません。すなわち,銀行側に為替リスクはないということになります。一方預金者は,為替手数料を1円/$として,104.4円/$より円高が進んでしまうと,利息を加えても元本割れという為替リスクを負うことになります。

以上のように,銀行側としましては,この預金が預入された場合,すぐさまUSDに変換して運用すれば,金利差,円安方向に行った場合の為替差益はみんな銀行のもの,円安になればなるほど黒字額はうなぎ登りです。一方,円高方向に行ったときの為替差損は預金者にほぼ押しつけることができ,運用利回り次第ではありますが,3.5%あれば,絶対赤字にはならないという,大変ありがたいシステムなのです。

さ~皆さんがんばって預金してください。銀行としては手ぐすねを引いてお待ちしております。

#結論としては,こんな預金をするよりは,ソニー銀行で外貨預金した方がなんぼかましと言うことです。





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Last updated  2005/07/18 05:33:43 PM
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