本のタイトル・作者
「会社辞めたいループ」から抜け出そう!転職後も武器になる思考法 [ 佐野 創太 ]
本の目次・あらすじ
序章 転職して人生がうまくいく人、そうでない人
第2章 ステップ1 ネガティブな感情を吐き出して、本音を把握する“退職成仏ノート”
第3章 ステップ2 人間関係から本音を「整理」する“人間関係の仕分けノート”
第4章 ステップ3 本音を職場や面接で伝わる言葉に磨く“明日への手紙”
引用
目指すものは「絶対的な数値や価値観があるわけではない市場価値」ではありません。「目の前の同僚や上司、顧客が会社の看板を外したあなたに声をかけるかどうかを指標にした人間価値」こそが、転職活動を超えて私たちが目標にすべきものでしょう。
感想
2022年071冊目
★★
著者は、1988年生まれ。日本初かつ唯一の「退職学」の研究家。
新卒で大手転職エージェントに就職。シンクタンクに転職して1か月で退職。
元の会社に契約社員で戻り、その後介護離職。
退職学。すごい、なんでも学になるんだ。
「会社辞めたいループ」にハマっている私からしたら、ドンピシャのタイトル。
ただ、中身はあんまり響かなかった。
手帳術や何かでよく書いてある、「今の気持ち・感情」から「その原因・本心」を探っていくというプロセス。
まあ、それをしないで、表層的な部分だけに嫌気がさして仕事を辞めてしまっても、後悔するだけなんだろうな。
自分が本当は何を望んでいるのかが分からないままであれば。
特に「怒り」って、本心を現す。
『HUNTER×HUNTER』でも、ミトさんがゴンに「その人が何に怒りを感じるか知れ」と言っていた。
自分の中の、核となるもの。
それが脅かされる時、人は怒りを覚える。
私は働きながらずっと考えていた。
私は何に怒りを感じて、私は何を赦せないのか。
私は、楽しく働きたい。
一日のうちの長い時間をかけている場所に、いるのだから。
だからそうしない人―――職場の雰囲気を悪くする人に、激しい怒りを覚える。
私は、働くことを通して成長したい。
自分の人生の長い時間をかけるのだから、出来ることを増やしたい。
そうして誰かの役に立ちたい。
だからそうしない人―――学ばない人、成長しようとしない人を、理解できない。
私が望むのは、生きていくうちの時間の、労働とそうでないもの、を統合して調和すること。
ワーク・ライフ・バランスではなく、ライフ・インクルーディング・ワーク。
働くことを通じて学び、成長し、世界に還元すること。
ホリスティック・ライフ・バランス。
今の職場でそれが出来るか?というと、出来ていない。
私が大切にしていることが蔑ろにされている。
私はいつも怒りを覚え、それを通り越してかなしくなり、むなしさを覚えている。
けれどそれが実現される場所がどこかに用意されていると思うほど、私は阿呆ではない。
会社辞めたい、毎日そう口にしながら、この場所にいるしかないのだろうか。
「君は10年後の世界を生きているんだよ。君の考え方は10年先のものだから、今この会社の人は誰も理解できないし、付いて来れないんだ。君は未来の幹部候補生だ。だから君が上に上がって、会社を変えていくしかないんだよ」
と、職場で言われた。
でも私は、これから先の10年を待てるほど気が長くないし、そこまで私の心が折れずにいられるか分からない。
私はそこまで強くない。
毎日毎日、もう辛い辞めたい、ドロップアウトしたいと願っているのに。
係長になって1年で体重が7kg減り、額の吹き出物は消えることがなく、常にうっすらと体調が悪い。
ひとりでフロアに残って残業しながら、何度も泣きながら決裁していた。
以前の部署の人には、「見るたびに痩せていく」「いつも顔色が悪い」と言われ、大丈夫?と声を掛けられる。
旧態然とした組織で幹部になっても、戦い続けることに疲弊するのは目に見えている。
それは果てしない消耗戦だ。
それを、未来の誰かのためにと出来るほど、私は人が良くない。
キャリアを積み上げる―――それは、昇格して、裁量権を得ていくことなんだろうか?
私はなんでもやってみたい。挑戦してみたい。
そうして失敗しても、後悔しても、自分で選んだことだと、自分が納得できるから。
転職もまた、そうなんだろうか?
私は別の道を選ばなかったことを、いつか後悔するのだろうか?
転職サイトに登録し、保育園児のいるたいした資格も職歴もない女に、世界は厳しいのだと知る。
いったんは、今の会社で踏ん張ろうと決めた。
でもまだ、降格するかで決めかねている。
私は何と何を秤にかけているのだろう?
苦しくてしんどくて仕方がなかったけれど、昇格していけば出来ることが、部下の数だけ倍速でどんどん増えていくことに、この1年で気付いた。
成長のスピードが段違いだ。
これまで軽自動車で畦道走っていたのが、高速道路をスポーツカーで走っているくらいの差がある。
成長のファスト・パス。そしてそれは、誰にでも与えられる切符ではない。
その矜持と自負と、優越感もあいまって。
自分のこと、家族のこと、仕事のこと。
十年後に、私が後悔しないのは、どちらだろう?
天秤にかけるという考え自体をやめたいのに、今はまだその仕組みに乗るしかない。
どちらかに重きをおけば、どちらかがバランスを崩してしまう。
そうではない、総合的な「生」を、私は求めているのに。
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