本のタイトル・作者
呪術廻戦 夜明けのいばら道 (JUMP jBOOKS) [ 芥見 下々 ]
本の目次・あらすじ
第1話 野薔薇と棘
第2話 此処に在らずとも
第3話 浅草橋哀歌
第4話 幽往舞進
第5話 散歩道の後に
引用
それでも体が動くのは、どうにも我慢がならないからだ。
ちっぽけな約束の言葉を拠り所にして、信じていた。あの愚かな少女の姿が、我慢ならないからだ。
だから行く。
信じることなど無意味だと、約束は破られるためにあると、自分もそれを証明する側になるのが―――ただ、只管に不愉快だから。
感想
2022年147冊目
★★★
京都校の先輩が盛りだくさんで嬉しい一冊。
第1話は、買い物に出かけた野薔薇が任務中の棘に出会い、ひょんなことから助けられる話。
おにぎりの具しか喋らない棘のことを「よく分からない」と言っていた野薔薇が、棘の内面のやさしさに触れ、棘のことを理解するようになる話。よかった。
第2話は、人間では立ち入りが出来ない「帳」が下りた場所にひとり赴くことになったメカ丸。
ひとりだけ違う、仲間のなかにいながら傍観者であったメカ丸が、「友人」を意識する話。
これもよかった。
第3話は、伊地知さんの話。
過労でへろへろの伊地知さんが家入から飲みに誘われ、向かった先には五条がいて…。
裏方として働く大人の伊地知さん。
別巻で五条さんが伊地知さんの有能さを褒めていたの、嬉しかったな。
今回も伊地知さんの頑張りが見えて、むねあつ。
五条さんの「思いやりと過保護は違う」という言葉、重い。
第4話は、京都校の女子組。
「窓」の少女に懐かれた真依だったが、単独専行で彼女は囚われる。
切り捨てられそうな彼女を助けに向かう真依。
名門に生まれた女呪術師。彼女の重責。
女の子がキャッキャしているのはよいな!ほんとうにな!
第5話は、死んでいたはずの虎杖が帰ってきた後の1年生トリオ。
暇を持て余し、スポーツ複合施設へ遊びに出掛ける。
まだ死んでいた虎杖の存在に慣れない2人だが…。
伏黒視点なんだけど、野薔薇のさりげない気の回し方、伏黒の不器用さ、そして虎杖の「ふたりのやりたいことがしたいな」。
ええこやー!!!!!!
というわけで、全体的にきれいにまとまっていて、サイドストーリーとしてもかなり良い出来。
じんわりくるお話ばかり。
呪術ファンは必読。
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