2383736 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

320life

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

ノマ@320life

ノマ@320life

サイド自由欄

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

カテゴリ

2023.01.14
XML
テーマ:読書(8218)

本のタイトル・作者



自分が喜ぶように、働けばいい。 二つの本業のすすめ [ 楠木 新 ]

本の目次・あらすじ


まえがき 第二の本業で75歳まで安泰!
第1章 40代、50代からの長い人生、一本道なんてもったいない!
第2章 独立・起業をしたくなったら会社を賢く活用することを考えよう!
第3章 40代、50代をいきいきと働く人の4つのパターンを事例で解説
第4章 先達の成功と失敗に学ぶ第二の本業の見つけ方
第5章 自分をプロデュースして第二の本業を軌道に乗せるコツ
あとがき 自分が喜ぶ本籍地を探そう!

引用


若い頃は、役職や収入にこだわりながら目の前の仕事に懸命に取り組むことで十分だと思うのです。ただ40歳を超えた中高年からは、「自分は何をしているときが幸せなのか」を考える必要があります。(略)
この「自分(他人ではありません)は何をしているときが幸せなのか」を普段から考えておくべきでしょう。人によって簡単に見つけることができる人もいれば、そうでない人もいます。また見つけていてもどんどん前に進めていける人もいれば、どうしてよいのかわからずに立ち往生している人もいます。
会社で働きながら取り組むのですから多少時間をかけてもかまいません。頭の中で考えるのではなく行動してみることがポイントです。周囲から三日坊主と言われても3日分は前進しているのです。
自分の幸せが不明確だとあまり関心のない資格試験の勉強を始めたり、自分に合っていないことに時間をかけすぎてしまうことになりかねません。
その次には「自分をどこに持っていけば人に喜んでもらえるのか」を考えます。これは「自分のお客さんは誰か」を確定する作業でもあります。


感想


2023年006冊目
★★★★

どうせまた同じような、SNSだとか物販とか得意なこと(イラストとか)を副業として勧める本なんだろうな〜と全く期待していなかったのですが、タイトルに惹かれて読んだら案外良かったです。

楠木新(クスノキアラタ)
1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表


というわけで、著者が役職経験したりメンタル病休経験したりしながら、色んなことにチャレンジして、取材や執筆といった副業を定年まで勤め上げながら続けたという経歴の持ち主なので、面白かった。
明石市役所職員から南京玉すだれなどを演じる大道芸人になった人など、著者がインタビューした「勤め人をしながら副業をしている人」がたくさん登場して、その人たちの仰っていることや選択もまた興味深い。

なんというか、イメージとして、好きなことや得意なことで副業というと「本業がパッとしないから、副業のほうがいつかメインになればいいな」という感じがある。
あるいは単にギグワークみたいなお小遣いを稼ぐための副業。

でもそうじゃなくて、本業のメリットを最大限享受しながら、副業で自分独自のキャリアを育てつつ、またそれを本業にも還元していく…という感じ。
この本を読んでいると、「会社ってめっちゃいいところ(システム、場所)やな」と思った。辞めるのもったいないやんと。笑

著者は言う。
会社員人生の前半戦は、40歳くらいまで。
新卒一括採用で上位職を目指していく。
後半戦は40代なかば以降。
前半戦と同じ働き方に、迷う。
成長している実感が得られない、今の仕事が誰の役に立っているのか、このまま時間を過ごしていいのか…。
―――自分はこのままでよいのだろうか?

ああ、私まさにこれ!これです!!
なんというか、閉塞感と絶望感がある。
ここからもうどこへも行けないんじゃないか。
私が身につけたものは、ここでしか通用しないんじゃないのか。

社内の役職や年齡が上の人たちが、夢も希望もなく、ただ義務感と惰性、お金のために仕事をこなしているように見える。
私もああなるのか。あと何十年かを、ああして過ごすのか。
ただひたすらに、仕事が終わる日だけを指折り数えて。
先のことを考えないようにして、ただ今日を無事に終えることを目標にする。
膨大な時間が、ただ「待つ」ことで過ぎていくのか。
―――心底、ぞっとする。

著者は、この状態を「こころの定年」と名付ける。
生命保険会社の役員の「このままではいけないと思っても、もうここまで来たら動けない」という言葉が私に刺さる。

そこで著者は提案する。
もう一度何かをやってみる。
将来に備えて変わるために、「第二の本業を持つ」のだ。

著者も、40代後半では「こんな会社では働けない」「自分の人生をどぶに捨てることになる」と思っていた。
そこから50歳をすぎて執筆活動を始めたら、「会社ほどいいところはない」と思えてきたのだそうだ。
本業があれば安心して失敗できるうえ、様々な人と関わり、情報を得て、学ぶことが出来る。
50代後半には著者は「会社にお金を払いたい」と思うくらいになる。
(ここらへん、推しに課金したくなる気持ちと似てる)

確かに、ハードもソフトも、会社というのは投資をしているし整備しているので、それを受け取るだけの会社員ってすごく楽だ。
著者は仕事には注力しなければいけないが、もっと人間関係に重きを置いても良いのではないかという。
会社でなければ、毎日決まった時間に顔見知りに会って話せるなんてことは、ない。
「友達を探すために会社に行く」くらいの気持ちでもいいんだ、と言う。

うーん。そうできたら良いのにな。
私は今の職場ですっかり人間不信になってるので(どうせこの人も本当は私のこと嫌いなんだろうな、と思ってしまう)、人の裏側や腹を探ってしまう。
でも、よく考えれば、会社に入ってから「ともだち」ができた。
私は深い人間関係を構築したり、それを長期間維持することが出来ないので、一緒に働いた「そのとき」だけではあっても。
(それを「ともだち」と呼ぶのかは別としても。)

でもさ、どうなんだろう、日本の会社って非人間的だよね。
(私の海外の会社のイメージは洋ドラだから間違っているかもしれないけど)
私の会社は、プライベートなことを話す風潮にない。
昔ながらの男社会。家庭を仕事に持ち込むな。
まさに隣は何をする人ぞ、だ。
私は積極的な自己開示をするようにしていた(お迎えなど子供の都合が仕事の勤務時間に影響するので)けれど、それをまた疎ましく思われる。
子供いるアピールうざい、と言われる。
結果、死んだ貝のように黙り込むのが正解なのだろうなと最近思うようになった。

目立たず、喋らず、黙々と与えられた仕事だけを最低限こなす。
8時間座って「息を吸って吐けば、仕事は終わる」のだ。
それだけでいいんだ、と割り切れたらいいのに。
無理なんだよねえ。
でも頑張れば頑張るほど、空回りしているような―――いや、ハムスターの回し車を回しているような気がする。
手を抜くことが正解なんだ、という結論。
虚しくて気が狂いそうになるんだよねえ。

私は、そうやって淡々と仕事をしている人を馬鹿にしている。
目の前の仕事を片付ける。その行為は尊い。けれど。
その先を、私は唇を噛んで、眉をひそめて思う。
そしてそれが透けて見えているんだろう。
だからめっちゃ嫌われてるんだろうな。笑

著者も、仕事につながる見込みはないまま、セカンドキャリア(パラレルキャリア)を選択したサラリーマンたちのインタビューを始めた。
肩書があるほうが取材をしやすい、と社会人向けの大学院へ進学。
取材内容がのちに副業へと繋がっていく。

会社というセーフティーネットがあるまま、新しいことにチャレンジできるって、考えてみればものすごく恵まれた環境。
そっちが上手く行けば、あるいはそっちに完全に注力したくなれば、そちらを選べば良い。
会社員であれば、いくらでも間違えることが出来る。
定年まで、トライ・アンド・エラーを繰り返すことが出来る。
福利厚生を受けながら。

やっぱりこう、「自分が喜ぶこと」×「自分が喜んでもらえること」を考えるのが、新たなキャリアを模索するうえで大切なんだな…。
自分が楽しいだけなら、趣味でいい。
「自分が喜んでもらえること」がなおかつ「お金になる」のが、副業の醍醐味なんだろう。

いつか私は、「いやだな、行きたくないな」と思わずに仕事に行けるのかな。
化粧で気合を入れて、にっこり笑顔を貼り付けずに。
その仕事って、どこにあるんだろう。
探しても見つからない、私のメガネ。


ランキングに参加しています。
「見たよ」のクリック頂けると嬉しいです。
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.01.14 10:42:20
コメント(0) | コメントを書く
[【読書】働くこと・キャリア・転職] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.