登板路燃費計測からわかったこと:低BLが真価を発揮するには
以前、登板についてのまとめを書きました。こちらです。なかでも、重要な理論として、 登板に必要なエネルギー(ガソリン消費に充放電の収支を加味して評価)は、 バッテリレベルや、加速の仕方にはほとんど関係ない、を導きました。そのときの実験はこちら。ところが、最近のE-1結果にて、低BLは登板に弱いのでは?と疑うことが多くなっていました。そこで、今日は g-mon さんと2度目となる登板路燃費計測を行ってみました。場所は宮ケ瀬E-1コースの一部、国道412号の半原日向交差点の先にある登板車線がある区間です。コースのリンクはここ。私の目論見は、燃費監督(MS-1)にてエンジン始動から停止までの、消費燃料と電力収支を測定する、というものでした。実験後のファミレスでの簡易集計にて・燃費監督から計算した私の結果は低BL大勝利・SOC変化量と区間燃費から計算した g-monさんの結果はどれもあまり変わらずとまったく違う結果となり、g-monさん、納得いかない表情。しかし、家に戻り結果を考察していると、燃費監督の電力収支がSOCの変化値よりも倍ぐらい大きな値を示すことがわかりました。 → 作者の張果老さん、私の計算がおかしいかもしれないのでアドバイスお願いします m(__)m 文末に状況を記載しました。私のデータは5回分が燃費監督のそれらの値しか記録しておらず、3回分しか集計に使えないことになりました。ただ、g-monさんの結果がきれいに傾向を示す実験結果となっています。一人で実験をやらなくてよかった(^^;冒頭に示した以前の実験結果とほぼ同じような結論です。「低BLでも高BLでも、電力収支を加味すると、燃費はほとんど変わらない」ただし、SOC1%が燃料何mLに相当するのかで、電力収支の換算値が変わってきます。過去の経験からSOC1%=5~6ccぐらいか?という感触を持っていますので、その前後の数値も並べてみました。計算の元となるデータの有効桁数が十分ではないので、結果の数値には誤差が数%含まれると思われますが、それでもきれいに揃ったほうだと思います。結果から考察できたこと(1)充電したSOC1%をガソリン5.5mL相当の動力に使えると仮定すると、 登板燃費はバッテリレベルに依存しない。(2)充電したSOC1%をガソリン5.5mL未満相当の動力にしか使えないと 低BLは不利(3)充電したSOC1%をガソリン5.5mL以上相当の動力に使えると 低BLは有利したがって、低BL法はモーター効率をうまく引き出してこそ有利な走法といえそうです。モーター効率が悪いと、充電をたくさんしなければならず、ガソリンをたくさん消費するからです。逆に、モーター走行を極力避けエンジン走行時の充電量を抑える(なるべくバッテリレベルをBL5の上限~BL6の中間あたりに抑える)バッテリ温存法は失敗の少ない走法といえると思います。今日の実験は、燃費にとっては最悪の走行でした。毎回 1,000マイルをノルマとしている g-monさん、道連れにして申し訳ない(^^;※燃費監督の疑問点燃費監督のゴール地点での1例です。70Whの充電 → SOC 7%分の充電と判定しましたが実際に増加したSOC は 4.5%でした。なお、SOC 1%は何Whなのか、エアコンを入れて計測してみました。3%ダウンさせたときに 30Whだったので、1%=10Whとしています。追記:きみゅさんにアドバイスいただきました。HVバッテリーの定格は、201.6V 6.5A なので、100% は 1310.4VA(Wh)したがって、SOC 1% = 13.1Whそれから、燃費監督は発電機の電流値を積分した数値を表示しており、充電されて貯められた分ではないのでロスを考える必要があるとのこと。なるほどです。確かに、エアコンオンして電力消費させたとき、10Wh で 1% 消費でしたから、ロスがありそうです。燃費監督が表示した電力量と実際のSOC変動値からその効率を逆算するとロスは15%となりました。燃費監督から得られたデータを表にしました。上記と同様の傾向がみられますね。