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カテゴリ:エッセイ
認知症患者さんやその御家族が少しでも安心した生活を送れるように精神障害者保健福祉手帳用診断書を記載している。名古屋市と愛知県で別の役所が取り仕切っている。
名古屋市は名古屋市精神保健福祉センター〒453-0024名古屋市中村区名楽町4丁目7番地の18 中村保健所等複合施設5階 電話番号:052-483-2095 ファックス番号:052-483-2029。 愛知県(名古屋市以外)は愛知県精神保健福祉センター〒460-0001 名古屋市中区三の丸三丁目2番1号 東大手庁舎 TEL:052-962-5377 FAX:052-962-5375。 精神障害者保健福祉手帳用診断書という名称からほとんどの開業医は精神科でないと記載できないと信じて疑わない。それは間違いで内科医でも外科医でも障害者自立支援法第59条第1項の規定による指定自立支援医療機関(精神通院医療)の担当医師に指定でき、精神障害者保健福祉手帳用診断書を記載できる。そもそも、私は脳神経外科医である。主治医が変わっても更新手続きをしてほしいと言われることがあるが、お断りしている。主治医が書くべきものなのだから。 精神障害者保健福祉手帳用診断書は下記の9項目も記入しなければならない。記載するだけでもかなりの時間と手間がかかる。 本日の名古屋市精神保健福祉センターからの電話は「7.生活状況の具体例」についての記載の内容についてのクレームだった。私は「物忘れ、幻視、易興奮、鬱状態、感情失禁のため家族の介護負担は計り知れない」と記載していた。ところが診断医は生活状況の具体的例、例えば 「食事は前に置けば食べるのか」など具体的に書けというのである。同センター事務のHさんには「書いてほしい内容の問診票を作ってくれれば家族に記載して貰い、転記する」「認知症専門外来では家族の困っていることを聞いて、それを解決するために処方を調節するのが仕事であり、食事を前に置けば食べるのかどうかなど知るよしもない。」「医療情報というよりも介護情報であるので、どうしても知りたいのであれば担当ケアマネージャーを教えるので直接電話してに尋ねてほしい」と伝えた。以前にも同じようなクレームが3回あった。担当している診断医の名前は公開できないということであった。 当クリニックの診断書や主治医意見書はかなり真面目に書いてある方であると自負している。これ以上何を書けばいいのか。そもそも、7.6の具体的程度、状態等は以前のバージョンの診断書にはなかった。愛知県と名古屋市で別の部署があるというのは税金の無駄遣でもある。 ぐっとこらえて、診断書を書き続ける毎日である。 以下、 精神障害者保健福祉手帳用診断書の具体的項目 1.病名 IDCコード 2.初診年月日 3.発病から現在までの病歴および治療歴 4.現在の病状、状態像など 1)抑うつ状態 2)躁状態 3)幻覚妄想状態 4)精神運動興奮及び昏迷の状態 5)統合失調症等残遺状態 6)情動及び行動の障害 7)不安及び不穏 8)てんかん発作等(けいれん及び意識障害) 9)精神作用物質の乱用及び依存等 10)知能・記憶・学習・注意の障害 11)広汎性発達障害関連症状 12)その他( ) 各々で該当する項目を選択する 5.4.の病状・状態像などの具体的程度、症状等 6.生活能力の状態 1.現在の生活環境 入院・入所(施設名 )・在宅(ア 単身 イ 家族等と同居)・その他( ) を記入する 2.日常生活能力の判定は (1) 適切な食事摂取 (2) 身辺の清潔保持、規則正しい生活 (3) 金銭管理と買物 (4) 通院と服薬 (5) 他人との意思伝達・対人関係 (6) 身辺の安全保持・危機対応 (7) 社会的手続きや公共施設の利用 (8) 趣味・娯楽への関心、文化的社会的活動への参加 について、各々1.自発的にできる(適切にできる)2. おおむねできるが援助が必要3.援助があればできる4.できない で選択する。 3.日常生活の能力の程度 (1)精神障害を認めるが、日常生活及び社会生活は普通にできる。 (2)精神障害を認め、日常生活又は社会生活に一定の制限を受ける。 (3)精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、時に応じて援助を必要とする。(4)精神障害を認め、日常生活に著しい制限を受けており、常時援助を必要とする。 (5)精神障害を認め、身の回りのことはほとんどできない。 を選択する。 7.6の具体的程度、状態等 8.現在の精神保健福祉サービスの利用状況 9.現在及び今後の治療方針 10.医師の略歴 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 9, 2013 04:30:57 PM
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