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カテゴリ:8コママンガ漱石
上京中はたびたび病気の子規さんをお訪ねしていたようでしたが、いよいよ九月にもなり、学校も始まりますので帰らなければならない、できることなら二人いっしょにかえりたいというので私は医者に診てもらいますと、いましばらく静養した上でということでということで、夏目が一人先にかえることになりました。帰りぎわに、その頃紅葉山人の「金色夜叉」が「読売新聞」に連載されていた最中で、上京してそれをずっと読んでいたのですが、熊本のような田舎には「読売新聞」が行かないので、それを毎日東京から送れと申しつけて参りました。ところが毎日となると些細なことなので帰って怠りがちになって、三回分も四回分もまとめて送ったりして、ひどく手紙で怒られたことがあります。当時の紅葉山人の人気はたいしたものでしたが、「金色夜叉」にはいっこう感心していなかったようでした。(夏目鏡子 漱石の思い出) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.12.14 19:01:31
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