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カテゴリ:「秘密」詩・小説
BLの苦手な方は読まないで下さい。 二次創作なので苦情は一切受け付けません。 お許しくださいませ。 室長は初恋の人が忘れられなくて恋人をつくらないでいる と第九の誰かが言っていたことを青木は思い出した。 また、薪は恋人はつくらないが、毎夜、ゆきずりの男とベッドを ともにしているとか総監や長嶺と寝ているとかあらぬ噂が絶えない 人でもあった。最初、青木も半信半疑だったのだが、1ヶ月前 はじめて薪のマンションに行った時、ベッドに押し倒したら、 拒絶されて、誰とでも寝るという噂が嘘だと分かり、安心した。 だが、一方で鈴木に対する想いがそれだけ強いのかと思うと せつなかった。 青木はこの1ヶ月間キス以上のことを薪にしていない。 相手がその気になるまで待つつもりだった。 大切にしていたのに・・・ 夜眠れないとか怖い夢を見るとか言うから、毎晩、添い寝して 慰めてあげたのに・・・ 初めて泊まった日も貝沼の夢を見て夜中に悲鳴をあげたから、 薪さんの震える体を抱きしめて朝までずっと一緒に寝てあげた。 薪さんはまだ貝沼の呪縛から逃れられないでいる。 人を殺した罪悪感が自らに無意識のうちに罰を与えているのか。 それとも好きだった人がそんなに忘れられないのか。 薪さんはいつも遠い目をしている。 俺のことをじっと見つめているかと思えば、目が合うと急に目を そらして、体裁の悪そうな顔をする。 きっと鈴木さんに似ているから、俺に鈴木さんの面影を重ねて 見ているのに違いない。いや、顔が似ているから一緒にいるのが つらくなったのかもしれない。 俺は鈴木さんのことが忘れられる まで待とうと思った。毎日好きだよってキスするだけで、 薪さんの嫌がることは何一つしなかったのに・・・ そういえば、まだ一度も薪さんに好きって言ってもらってない。 青木の怒りが爆発した。 (続く・・・) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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