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2009年04月04日
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BLの苦手な方は読まないでください。

 二次創作ですから苦情は受け付けません。

 どうかお許しくださいませ。


   手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  



 刹那は白い壁に囲まれた四角い部屋に独り残された。

 もう一度あたりを見まわしてみたが、白で統一された部屋は

 なぜだか異質な感じがする。

 『ここはどこの病院なのだろう・・・』

 刹那は漠然と考えながら、ハッと気がついた。

 『窓がない。』

 この白い病室には窓がなかった。

 『ここは病院じゃない。』

 刹那は目が覚めてから、ずっと感じていた違和感に気づいて

 不安になった。

 刹那がベッドから起き上がり、腕に刺さっている点滴を

 引き抜こうとした時、扉が開いた。

 「ダメじゃないか。寝ていなさい。」

 グラハムが病室に入ってきた。グラハムは少し怒ったのか

 不機嫌そうに刹那を白いベッドに寝かせつけた。

 「スープを持ってきてあげたよ。飲みなさい。」

 グラハムはステンレス製のワゴンに乗った銀色のお皿から

 半透明に輝く薄茶色の液体を銀色のスプーンですくって

 刹那の口元に持ってきた。

 刹那がおそるおそる口にすると、意外と美味しかった。

 それはコンソメスープだった。刹那は具が入っていない

 コンソメスープを見たのは初めてのような気がした。

 「美味しいかい?3日間何も食べていないからね。

 最初は胃に優しいスープからにしたほうが良いと思って

 特別に作らせたんだ。」

 グラハムはにっこりと微笑んだ。

 「さあ、もっとお飲みなさい。」

 刹那はグラハムの機嫌が直ってほっとした。

 幼子のように口を開け、スープを飲ませてもらっていると

 不思議と先ほどの不安は消えいく。

 まるで雛鳥が親鳥から餌を与えられている時のような

 信頼感が生まれた。

 刹那は幸せだった。

 刹那は幼子のように甘えた目つきで媚びたように口を開き

 スープを飲んだ。

 刹那の腕には点滴の針が刺さっている。

 血管に常に注ぎ込まれるその薬には麻薬にも似た作用がある。

 また、グラハムの持ってきたスープにも同じ薬が入っている

 事を刹那は知らない。

 霧のかかった思考の中で刹那はグラハムだけを見ていた。

 グラハムは満足そうに微笑みながらスープを与えている。

 やがて刹那がスープを飲み終えると、グラハムは

 「今はまだ、ゆっくり寝てなさい。おやすみ。刹那。」

 と言って、刹那の額に口づけし、部屋を出て行った。

 グラハムが立ち去った後、刹那はゆっくりと眠りについた。
 
 テレビも時計もない白い空間には静寂だけが漂っていた。


                           (続く)


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最終更新日  2024年03月02日 22時01分26秒
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