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あすなろ日記

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2011年12月14日
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 BLの苦手な方は読まないでください。

 苦情は受け付けません。

 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m



  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート  手書きハート

 
 
 先生と別れた数日後、僕は学校帰りに加藤君に誘われて、

 伊藤君と一緒に加藤君家に遊びに行った。加藤君家は

 豪邸だった。およそ百坪の土地を囲む高さ三メートルの

 外壁に守られた要塞のような3階建ての家だった。庭には

 獰猛そうな犬が2匹いた。

 「今日はみんな出かけてて、誰も家にいないんだ。」

 と加藤君は言って、玄関の鍵を開けた。玄関には高そうな

 壺に花が活けてあった。廊下にも高そうな絵が飾られていて、

 吹き抜けの螺旋階段を上って2階に行くと、長い廊下の両端に

 いくつものドアが見えた。

 「すっごいね。この家、全部で何部屋あるの?」

 「10部屋くらいかな。3階は事務所と倉庫になってるんだ。」

 「事務所?!」

 「事務所って言っても、組の看板掲げてる事務所は駅前の

 繁華街のビルにあるから。家を建て直す時に10LDK+

 事務所って設計にしたらしいんだけど、実際には組員が

 自宅に出入りするのをおふくろが嫌がって、使ってないんだ。」

 「へぇ~。」

 僕は加藤君が別世界の住人のような気がした。

 加藤君の部屋も別世界だった。壁一面の棚にプラモデルと

 ゲームソフトが並べてあって、ゲーム機が5台置いてあった。

 テレビ、ステレオ、ガラスのテーブル、学習机、ベッドと

 ウォークインクローゼットのある広い子供部屋だった。

 「すげぇ。想像以上の金持ちだぁ。」

 伊藤君も初めて加藤君の部屋に入ったのか、驚きの声を

 あげた。伊藤君の家は2DKのボロアパートだから、自分の

 部屋が伊藤君はなかった。小学校1、2年の頃は何度も

 遊びに行ったから知ってるけど、お母さんと二人暮らしだった。

 お父さんと離婚してから看護士のお母さんが一人で育てて

 くれているらしい。今でもお母さんと一緒に寝てるのかなって

 僕はふと思った。

 「まあ、座れよ。ゲームでもやるか?あ、そうだ。飲み物と

 食べ物とってくるから、ちょっと待ってろ。」

 と加藤君が言った。僕と伊藤君は部屋に二人きりになった。

 僕は少しドキドキした。先生にフラれたばかりだっていうのに

 不謹慎な気もするけど、僕は伊藤君の事が好きだった。

 初恋の人って言うのかな。小学校入学に合わせて引っ越して

 きた僕は知っている子が誰もいなくて不安だった。そんな

 僕に伊藤君は笑顔で話しかけてきてくれた。僕達はすぐに

 仲良くなって、毎日、学校から帰ると、家の近所の神社で

 よく遊んでた。あの忌まわしい神社は僕の家から徒歩2分。

 忘れたくても忘れられないほど近い。あの日、伊藤君に遊ぶ

 約束をすっぽかされたことを今でも僕は根に持っている。

 でも、それとこれとは話が別で、やっぱり僕は伊藤君が

 好きだ。何を話そう。緊張すると僕は何も喋れなくなる。

 「お待たせ。いいもの持ってきたぜ。」

 会話する暇もなく、加藤君があっという間に戻ってきた。


                                (続く)









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最終更新日  2012年01月18日 08時46分26秒
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