|
カテゴリ:オリジナルBL小説「落日」
BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「キャアー!!」 絹を引き裂くような悲鳴が聞こえて、僕は目を覚ました。 「ママ!お兄ちゃんが死んでる!ママ!早く来て!」 妹の麻美が泣き叫んでいた。僕は虚ろに目を開けて、 自分で切った手首を見た。すると、傷口から溢れる血は 止まることなく、タラタラと流れ続け、カーペットを汚していた。 「麻美?!どうしたの?」 母さんの声がして、母さんが寝室から出てきた。母さんは 子供部屋の入口に立った時、凄く驚いた顔をして、こう言った。 「麻美!見ちゃだめよ!」 そして、両手で顔を覆うように泣きじゃくる麻美の目と口を 押さえた。母さんは錯乱状態に陥る寸前の麻美を救う為に 血で汚れた僕を麻美の視界から消したのだった。 「おーい!どうしたんだ?」 階段を上ってくる父さんの声がした。父さんは廊下から 僕を見るなり、走り寄ってきて、僕を抱きかかえた。 「麻里緒!しっかりしろ!死ぬな!麻里緒!救急車! 早く救急車を呼んでくれ!」 だが、しかし、狼狽する父さんに対して母さんは冷静だった。 「救急車って・・・よく見たら、救急車を呼ぶほどの傷でも ないんじゃない。世間体もあるし、あなた、車で病院に 連れて行ってくれないかしら。止血すれば、普通の外来でも きっと大丈夫よ。」 「おまえ、それでも母親か!チッ!もういい。俺が連れて行く。」 父さんはそう言うと、ポケットからハンカチを取り出し、僕の 手首に巻いた。そして、ぐったりとした僕を抱きかかえて 車へと連れて行った。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年01月27日 13時43分47秒
コメント(0) | コメントを書く
[オリジナルBL小説「落日」] カテゴリの最新記事
|