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2021/10/14
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カテゴリ:私の本棚




商品を見る→沈黙 遠藤周作 649円

秋の夜長にはやっぱり読書がいちばん。
わざわざ本を買わなくても、本棚には愛読書がいっぱい並んでいる。
遠藤周作の『沈黙』を読むのは3回目くらいになる。

私が『沈黙』の中で心を惹かれたのは
キチジローという人物である。
恥知らずな行為を悔いながらも踏絵を繰り返す
裏切り者のキチジロー。

『俺は生まれつき弱か、心の弱か者には
殉教さえできぬ。どうすればよか』

キチジローは、自分が転ぶのは弱さの為だと弁解しているが
はたしてそうだろうか?
私は逆に、キチジローに逞しさや強さを感じてしまう。
弱い人間は弱い人間なりに生きる方法を身につけて
生き抜いていくしかないのだ。
自分の弱さに居直っているようなキチジローが
私はなぜか憎めないのである。

最初、ポルトガル人の司祭ロドリゴ神父は
信仰者の中の信仰者と思っていた。
しかし、読み進むうちにロドリゴもまた、不完全で弱い人間
つまり、当たり前の人間だということが分かった。

拷問の末に踏絵を踏まされる隠れキリシタンたちの苦痛に対する
『踏んでもいい、踏んでもいい』
という彼の叫びはきわめて人間的である。

信者たちの上に次々と降りかかってくる迫害、拷問
相次ぐ犠牲にもかかわらず、神の救いは現れない。

いつイエスが現れて救ってくれるのか
いつ奇跡が起きるのかと
期待しながら読んでいたが
絶望と暗黒の中で呻く信者たちを前にして
なお口を開かぬ神の沈黙に、私は次第にイラ立ってきた。
『早く救ってやれよ』とお腹の中で叫んだ。

ロドリゴはついに棄教を決心し、踏絵に足をかけた時
彼の耳にはイエスの声が聞こえた。
イエスは背神者の足で踏まれつつ、それを許していたのである。

この声を通して、この時初めて
ロドリゴの内にイエスが具体化されたのではないか。
結局、ロドリゴの背教は
神への裏切りではなかったといえるだろう。

限界を超えた苦難にあえぐ信者たちを救うために踏絵をすることは
信仰者の立場から見た時、本当に正しいことなのか?
神は本当に存在するのか?

最近ボーッとしながら考えることがある
科学の力だけでは証明できないことが
いっぱいあるんじゃないかなと。

私は特定の宗教を信じている訳ではないけど
自分の力だけでは解決できないような時には自然に祈っている。
それって、神様を信じているのとは違うんだろうけど。


 

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Last updated  2021/10/14 11:38:13 AM
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