｢歩きつなぎの旅」の記録

[（完結）東北一周徒歩旅行] カテゴリの記事

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  東北一周徒歩旅行　総括

  2005年04月29日にＪＲ磐越西線喜久田駅をスタートした「東北一周徒歩旅行」。東北６県を時計回りに、３年７ヶ月かけてスタート地点まで戻りました。延べ４３日間、１２９７．７ｋｍの旅でした。日本海側を北上する区間では、かつて悪天候のため登り損ねた鳥海山を縦断できたりと、まずまず順調に歩きつなぐことができました。計画通りに行かなくなるのは、青森県の岩木山を越えたあたりから。2006年夏と2007年夏、猛暑によって体力・気力を消耗・・・・２年続けて旅半ばでリタイアせざるを得なくなりました。真夏にテントを背負っての旅は体力的に無理だと悟り、2008年夏は毎日旅館に宿泊して歩きつなぎました。来年以降も、夏の旅はテントなしになりそうです。こうして振り返ると、年ごとに体力が低下してゆく過程を見るようでフクザツです。年齢に合わせて旅のスタイルを変えてゆくのも仕方ない、とは思いつつ・・・・。

  2008.12.03

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  梁川の「ＳＬのりば」

  阿武隈急行富野駅を出発してまだ３ｋｍほど、梁川の町はずれの道路脇に「ＳＬのりば」の看板がありました。阿武隈急行の線路からは１００ｍくらい離れています。11月22日、「東北一周徒歩旅行４２日目」でのこと。どういう意味なのか分からないまま通り過ぎようとしたところ、少し先で車輌の方向転換に使う「転車台（ターンテーブル）」が目に留まりました。「ＳＬのりば」に戻って案内板を見ると、「11月03日で今年の営業を終えました」という掲示。３週間前まで運行されていたようです。転写台横の車庫にＳＬは納まっているらしく、残念ながら、その姿を見ることはできませんでした。東京に帰ってからインターネットで調べてみました。「ＳＬのりば」があったのは「やながわ希望の森公園」。４月から１１月の土日祝日、蒸気機関車「さくら１号」というミニＳＬが公園内の線路８００ｍを走っているとのことです。周回コースではないため、転車台が必要になるようです。

  2008.12.02

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  【東北一周徒歩旅行４３日目】針道（福島県二本松市）→喜久田駅（福島県郡山市）

  2008年11月23日（日）晴のち曇 05:00起床。パンとコーヒーで朝食、05:55民宿「川崎屋」を出発する。気温は０度くらい。県道６２号線を西へ向かう。日の出の時刻は06:30ごろ、だんだん夜が明けてゆく。荻ノ田からショートカットの脇道に入る。幹線道路を少しはずれただけで、かなり寂しい道。滅多に車が通らないと見えて、落ち葉が舗装路面を覆っている。熊が出ても不思議ではない雰囲気。思わず早足になってしまう。07:45小浜の町を通過、殿原で県道１１８号線に折れる。ゆるやかな丘陵がいくつも連なる地形を、上ったり下ったり。晴れてはいるものの、風が強い。ひと休みしたくても、日当たりが良くて風の当たらない場所はなかなか見つからない。結局、歩き続けることになる。田畑と雑木林ばかりで何にもないところに、ぽつんと「しらさわ温泉」の建物。地元のひとが入浴に来るだけかと思ったら、宿泊もできるようだ。個人的にはこういう辺鄙な温泉ほうが、賑やかな温泉地に泊まるより性に合っている。09:55白岩通過。 鬼生田の神社に風を避けられる場所を見つける。おにぎりとお茶で昼食休憩。目的地の喜久田駅まであと１１ｋｍ余り。今10:45だから、急げは予定していた14:10発の電車より１本早い13:08発に間に合いそうだ。丘陵地が終わって吹きっ晒しの平野に出る。小雨まじりの強烈な西風、押えていないと帽子が飛んでしまう。東北新幹線をくぐり、阿武隈川を渡る。交通の要衝、磐越道・ＪＲ東北線・国道４号線・東北道を次々越える。３年７ヶ月前「東北一周徒歩旅行」をスタートさせたＪＲ磐越西線喜久田駅、12:55到着。何の特徴もない無人駅が起点・終点の地である。13:11強風により少し遅れた電車に乗り込む。普通電車を郡山・黒磯・宇都宮・赤羽・秋葉原で乗り換え、17:33最寄駅まで帰り着く。針道→喜久田駅：３６．８ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計１２９７．７ｋｍ）

  2008.11.23

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  【東北一周徒歩旅行４２日目】富野駅（福島県伊達市）→針道（福島県二本松市）

  2008年11月22日（土）曇時々晴昨夜23:59東京駅八重洲口を発ったＪＲバス東北の夜行便「ドリームふくしま号」は、05:45小雨の降るＪＲ福島駅東口に着く。コンビニで食料を調達、阿武隈急行の始発電車に乗り込む。夜行バスが定刻より２５分早く着いたため、予定していた06:54発より１便前の06:03発。車窓から夜明けの沿線風景を眺めながら、コンビニおにぎりとお茶で朝食にする。06:40富野駅着。雨はあがってくれたが、風が冷たい。厚手の手袋を持ってきて正解。今年08月14日の続きを歩き始める。今回は２泊３日の計画を立てようとしたものの、適当な地点に宿を取ることができず、１泊２日の強行旅程を組むことになった。梁川は干し柿の生産地。あちこちの農家に風通しのよい小屋があり、ものすごい数の柿を吊るしている。果樹園にはいくつも橙色の小山、むいた皮を肥料にするようだ。広瀬川に沿って県道３１号線を南下する。09:30土関で国道１１５号線に出る。地図ではすぐにあることになっている県道が見当たらない。道路整備で移動したらしい。紙ベースの地図では、変更があっても修正されるまで数年かかる。インターネットの国土地理院サイトでも、リアルタイムでは修正されない。地形・方角から道を探す。10:30月舘。コンビニで納豆巻きを調達、昼食休憩にする。雲間から時々太陽が顔を出してくれるけれど、じっと座っていると寒い。冷えてしまう前に休憩は切り上げ。広瀬川沿いの国道３４９号線、南下を続ける。 12:40川俣の町の東側をバイパスで抜けると、３４９号線は上り勾配に変わる。阿武隈川との合流点付近から半日かがかりで遡ってきた広瀬川も、源流が近くなる。峠のトンネルの西に木幡山、東に口太山。紅葉の真っ盛り。２泊３日で組めたら、口太山に登るつもりだった。 針道の町のスーパーで明日の食料を調達、14:35今日の宿・民宿「川崎屋」に到着する。通りに面して「川崎屋食堂」、奥が民宿。食堂でコーヒーをご馳走になる。もう石油ストーブが登場している。入浴の後、食堂で夕食。話好きの主人と世間話で過ごす。21:00就寝。「川崎屋」、夕食付５５００円。富野駅→針道：３８．１ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計１２６０．９ｋｍ）

  2008.11.22

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• 「ラドン温泉」って、何？

  「東北一周徒歩旅行３８日目」の08月11日に泊まった「くろ川旅館」と「東北一周徒歩旅行４０日目」の08月13日に泊まった「ぶんか荘」、どちらの風呂も「ラドン温泉」でした。「ラジウム鉱泉」には入ったことがあるものの、「ラドン温泉」というのは多分今回が初めて。どこが違うのか分かりませんが・・・・。浴室の一部をガラスで仕切った一画が「ラドン温泉」の浴槽で、底にはめ込まれた４０ｃｍ四方くらいの金属板から、時々小さな泡が出ています。壁には「入浴方法」が大きく掲げられていて、「１回１０分」だの「１日３回まで」だの、いろいろ書かれています。ラドン温泉「ぶんか荘」の風呂。「ここにはよく来るんですか？」、一緒に浸かっているおじいさんに聞いてみました。「近所だから週に２・３回かな」。「ラドン温泉って、効きますか？」、「ああ、よーく効くよ」。放射線を放出するラドンが含まれた地下水を、ボイラーで沸かしているのだそうです。「前は昼過ぎから始めてたんですけど、燃料代高くなって、５時からにしてるんですよ」、「ぶんか荘」の女将さんがグチっていました。

  2008.08.22

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• 権現森温泉

  「東北一周徒歩旅行３９日目」の08月12日に泊まったのが、「権現森温泉」。予約の電話をしたとき、「食事の支度はできませんよ」とのこと。はじめから素泊まりのつもりなので、１泊お願いしました。宿代が３５００円と聞いて、かなり古いだろうということは想像できました。郊外大型店やコンビニが並ぶ仙台北環状線（県道３７号線）を、案内看板に従って少し外れると、すぐに人家がなくなり樹林に入ってゆきます。２００ｍほど歩くと一軒屋の「権現森温泉」、まわりは雑木林と田圃だけの里山・・・仙台郊外に残るエアポケットのようなところです。案内されたのは、母屋の２階に並ぶ部屋のひとつ。昔は長逗留の湯治宿だったのかも知れません。今は日帰り入浴ばかりで、宿泊利用は滅多にないようです。広くはない風呂ですが、他に客はなく、ぬるくしてゆっくり浸かりました。部屋に戻ると、お茶と茹でトウモロコシが用意してありました。リモコンがなくてチャンネルを変えられないテレビ・エアコンなし・汲取りトイレの宿ですが、涼しい風とヒグラシの声が縁側から流れてきます。設備はオンボロでも、静かでのんびりした時間・・・・こういう枯れた温泉が、けっこう好きなのです。

  2008.08.21

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• アブ対策装備の効果は？

  これまでの経験から、夏場の樹林でアブが出そうな場所は、だいたい察知できるようになっています。今回の旅では、アブ対策装備として、防虫スプレーと防虫ネットを持参しました。08月12日の「東北一周徒歩旅行３９日目」、宮城県大和町（たいわちょう）の七ッ森。人里から、林道で湿っぽい樹林の中へ・・・アブが出るのは覚悟していたものの、群がってきたのは尋常な数ではありませんでした。防虫スプレー・・・・・今回初めて持参しました。全くの役立たず。気休めほどの効果もありませんでした。対象となる虫には、説明書きにちゃんと「アブ」と載っているにもかかわらず・・・。防虫ネット（首から上用）・・・・・２年前から夏場は持参しています。今回初めて使いました。首から上は護ることができます。露出している腕・Ｔシャッだけの上半身は、アブの餌食でした。腰から上をカバーするネットじゃないと、防ぐことはできません。結局、脇腹を１０箇所ほども刺されました。目の届くところは払い除けたのですが、ザックの脇は盲点で、集中的にやられてしまいました。

  2008.08.20

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• 旧奥州街道の生き残り・・・？

  徒歩旅行のルートを計画するとき、幹線道路は極力避けるようにしています。１ケタ国道なんてのは以ての外・・・・・とは考えているのですが、他にルートを見つけられず、不本意ながら１ケタ国道を歩くこともあります。08月11日の「東北一周徒歩旅行３８日目」、ルートの途中、国道４号線を歩くことになりました。４号線の歩行距離をできるだけ短くするため、迂回路がないか事前に地形図で調べてみました。すると大衡村内に、４号線と埋川の間に挟まれて、５～６ｋｍにわたる「実線（軽車道、幅員１．５～３ｍ）」の道が見つかりました。２００～３００ｍの間隔を保ちながら、４号線と並行して続く道・・・・・これまでの経験からすると、多分、４号線に飲み込まれることなくその姿を現在に留める「旧奥州街道の生き残り」であろうと想像しました。旧街道には旧家や土蔵・祠・石仏などが残り、歩いてみると様々な発見があるもの。そういったものを期待しながら、当日この迂回路を歩きました。４号線の喧騒とは別世界の緑多い道、車も滅多に来ません。・・・・・ではあるものの、旧街道の雰囲気とは何だか違います。古い遺物が全然見つからないし、集落を通っていないのです。いくらか歩いたところで立て看板が目に留まりました。「通学路につき地元軽車両以外の通行はご遠慮ください」。児童・生徒が通学に４号線を使わなくてもいいよう、大衡村が造った道だったのです。・・・・・旧奥州街道なんかではありませんでした。

  2008.08.19

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• トヨタ専用コンテナ貨物列車

  以前、新聞で読んだことがあるので、トヨタ専用のコンテナ貨物列車が運行されているのは知っていました。早朝の東海道線ですれ違った貨物列車が、青地に白く「ＴＯＹＯＴＡ」と書かれたコンテナ列車だったことも、一度あります。08月09日の「東北一周徒歩旅行３６日目」、ＪＲ東北線油島駅近くの下り線、緑の水田のむこうをスカイブルーの長編成が通過して行く様は、なかなか絵になっていました。カメラが間に合わず、シャッターチャンスを逃してしまいましたけど・・・。一般の貨物列車はいろんな貨車・コンテナが混在していて、書かれている企業ロゴが記憶に残ることはありませんが、このトヨタ専用コンテナはかなりインパクトがあります。翌日、通過しそうな時間帯に待ち伏せましたが、空振りに終わりました。Wikipediaによると、「ＴＯＹＯＴＡ　ＬＯＮＧ　ＰＡＳＳ　ＥＸＰＲＥＳＳ」という名称で、土休日（発駅基準）を除き１日２往復しているようです。東京に戻ってから知りました。

  2008.08.18

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  【東北一周徒歩旅行４１日目】大河原（宮城県大河原町）→富野駅（福島県伊達市）

  2008年08月14日（木）曇のち雨04:40起床、パンとレモン水で朝食。05:20「ぶんか荘」を出発する。また曇り空、予報によると雨になるらしい。７日間の今回の旅も今日が最終日、最高気温が３０度を超えたのは初日だけ。暑さで消耗することがなかったお陰で、ここまで歩き続けて来られたと思う。大河原橋で白石川を越え、ＪＲ東北線を渡る。県道１１０号線を南へ、戸ノ内から山間地に入ると、アブがまとわり付いてくる。07:05国道１１３号線に出る。国道を歩きだしてすぐ、２０代と思しき男性がこちらへ歩いてくる。服装・装備からして徒歩旅行のようだ。旅の途中で「同好の士」に会うことは、ほとんどない。挨拶を交わし、しばし立ち話。日本海側から太平洋側まで、１週間の旅なのだそうだ（後日調べたところ、国道１１３号線は東北南部を横断している）。エールを交換して別れる。県道２３２号線に折れる。車が通らないのはいいのだが、またアブがでる。釜前の清水で喉を潤し、ひと休み。08:10熊野田からは県道２４号線を南下する。蒸し暑くて汗が乾かない。 09:15川前の「なんでもや」でアイスを買い休憩。「何でも」あるわけではないけれど、田舎のコンビニといった感じ。再び歩き始めて間もなく、予報の通り、雨が降り出す。旅の最後になって初めて、傘の登場となる。ここでもアブのお出迎えを受ける。10:25芦沢で国道３４９号線、阿武隈川に出る。交通量は少ないものの、車が通るたび、傘で泥跳ねから身を守らなければならない。対岸には阿武隈急行。11:10福島県入り、兜橋で阿武隈川を渡る。 11:50今回の旅の終点・阿武隈急行富野駅に到着、無人駅である。身支度を整え、荷物を整理、パンとコーラで昼食をとる。12:14発の電車に乗り、12:49福島駅着。ここで「青春１８きっぷ」の出番、ＪＲ東北線に乗り換える。４２分の待ち合わせで13:31発に乗車、黒磯・宇都宮で２回の乗り継ぎ、18:12上野駅着。山手線・総武線を経て自宅に帰り着く。大河原→富野駅：３１．１ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計１２２２．８ｋｍ）

  2008.08.14

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  【東北一周徒歩旅行４０日目】権現森温泉（宮城県仙台市）→大河原（宮城県大河原町）

  2008年08月13日（水）曇05:00起床、パンとレモン水で朝食。06:10権現森温泉を出発する。県道３７号線（仙台北環状線）を南へ、もうこの時間びゅんびゅん車が走る。ＪＲ仙山線をくぐり広瀬川を渡ると、東北自動車道と国道４８号線が複雑に立体交差する交通の要衝・仙台宮城ＩＣ。歩いて通るには相応しくない場所である。茂庭（もにわ）へ向かう県道３１号線に入っても、仙台中心へ向かう車が引っ切りなし。一方、沿道の田圃ではラジコンヘリコプターによる農薬散布の作業中。仙台郊外には、都市と田舎が同居している。07:55中ノ瀬。やうやく幹線道路を脱したようで、交通量が少なくなる。３１号線は名取川を渡り、丘陵地へ上ってゆく。アブが２～３匹まとわり付いてくるが、昨日の七ッ森のことを思えばカワイイもの・・・とは言え、やっぱり鬱陶しい。09:00坪沼にコンビニ、レモン水を調達する。少し行くと「弘法御霊水」を示す石柱。こんこんと湧く冷水を期待していたら、薄緑色の小さな池にか細い湧水がちょろちょろ注ぐだけ。飲めそうにない。わざわざ石柱を建てるほどのこともないと思うけど。 県道３１号線は東北自動車道に接し、その傍らを並行して続く。校庭に二宮金次郎像、「バックパッカーの祖」である。10:30無刀関（むとうぜき）で食堂に入店。今回の旅も食事はコンビニ弁当とパンばっかりで、こういうのは初めて。例によってカレーライス大盛を注文、サラダ・らっきょう・お新香付きで６５０円。支払のとき「今日はどこまで？」とおばさん、格好を見れば徒歩旅行だと解るらしい。村田ＪＣＴ手前で東北自動車道を離れ、12:00村田の町に入る。「蔵の町」を掲げるだけあって、町並みのあちこちに重厚な店蔵が残る。１階がアルミサッシになっていたりするのは御愛嬌、わざとらしく再現されるより、中途半端なままのほうがよっぽどいい。 村田の町を出ると県道１４号線、水田地帯に単調な道が延びる。東北新幹線・国道４号線を過ぎて大河原の町、14:05今日の宿「ぶんか荘」に到着する。ここの風呂はラドン温泉、ぬるいうちからゆっくり浸かる。洗濯と買物を済ませ、夕食はのり弁当とお好み焼。20:00就寝。「ぶんか荘」、素泊４２００円。権現森温泉→大河原：３３．８ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計１１９１．７ｋｍ）

  2008.08.13

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  【東北一周徒歩旅行３９日目】大柳（宮城県大衡村）→権現森温泉（宮城県仙台市）

  2008年08月12日（火）曇05:00起床、パンとレモン水で朝食。06:35「くろ川旅館」を出発する。今日も曇り空で湿度が高い。行く手に見える不自然な円錐形をした山々が七ッ森、向かうのはその山々の間を巡る自然歩道。田圃と大豆畑の田舎道を経て、07:25森の中へ延びる林道入口。ひと休みしてから森に足を踏み入れる。いままでの経験からして、いかにもアブが出そうな環境。腕・首・顔に防虫スプレーを吹きかける。予期したとおり、じきにアブの襲来が始まる。進むに従い見る見る数が増えてゆく。防虫スプレーを殺虫剤の如く振り撒くが、全く効き目がない。すぐにスプレーは空っぽ。アブは百匹ほども群がってくる。タオルを振り回して追い払っても、空しい抵抗でしかない。首から上をカバーする防虫ネットがザックの中にあるものの、止まって取り出す間にアブの餌食・・・とはいえこの状況はたまらない。必死の思いでネットを被る。払っても払ってもまとわり付いて、Ｔシャツの上から刺してくる。「この状態を写真に撮れば、いい絵になるかな」、ちらっとそんな考えが浮かぶが、実行に移す余裕全くなし。・・・これ以上の前進は無理。ほうほうの体で引き返す。08:00人里近くまで戻って、ようやくアブ地獄から逃れる。これまでにも度々アブの襲来を受けているが、これほど凄まじいのは初めて。夏場に七ッ森を歩くのは、狂気の沙汰だと悟る。朝っぱらからすっかり消耗。 七ッ森を迂回するため、清水で国道４５７号線に出る。宮床での電光表示の気温は２４度、最高気温が３０度に届かない日が続いている。緩い上りを経て、10:25宮床ダムでひと休み。靴を脱ぎベンチで横になる。ダムからしばらくで仙台市泉区に入る。仙台市と言っても山間地。市営の大きな墓園があるため、沿道で目立つのは墓石の展示販売店ばかり。朴沢で４５７号線は平地に出る。11:50福岡のコンビニでカツカレー弁当とレモン水を調達、店内の休憩コーナーにて昼食。七北田川沿いに下り、12:30根白石（ねのしろいし）の町を抜ける。早坂下から上る台地上に、泉区の市街地が広がる。台地を切り開いたニュータウンのようで、起伏の複雑な地形。車での移動を前提にした街は、歩く身にきつい。景観にそぐわない仙台大観音、異様に見える。コンビニで食料・飲料を調達。 14:40今日の宿・権現森温泉に到着。もとは湯治宿、今は素泊まりだけ受け入れている。ゆっくり温泉、他に客はいない。部屋に戻ると茹でトウモロコシとお茶。ヒグラシの声を聞きながら、麻婆丼とツナサラダ巻きで夕食。持ってきた蚊取線香が役に立つ。20:30就寝。権現森温泉、素泊３５００円。大柳→権現森温泉：３４．７ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計１１５７．９ｋｍ）

  2008.08.12

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  【東北一周徒歩旅行３８日目】小塩（宮城県大崎市）→大柳（宮城県大衡村）

  2008年08月11日（月）晴れたり曇ったり 05:00起床、パンと紅茶で朝食。06:35加護坊温泉「ロマン館」を出発する。ＪＲ東北線田尻駅前まで戻り、県道１５号線を西へ向かう。湿度が高く、日が差すと蒸し暑い。田尻の町、トタン屋根から木が突き出した家を発見。写真を１枚。東北新幹線の高架をくぐり、08:55江合（えあい）橋を渡る。今回の旅で一番大きな街・古川市街を北から南へ縦断。ファストフード店があったら朝定食を・・・、と期待していたが見つからず。10:00国道４号線に合流。多田川を渡ったところで排ガスと騒音の４号線を離脱、一面田圃の農道に迂回する。稲穂が黄色く色づき始め、青臭く乾いた籾の匂い。東北自動車道を越えると、農家の屋敷森が集まる下沖集落。休憩できる場所を探す。こういう集落にはたいがい神社があるはず・・・と思ったとおり、小さい鎮守様にベンチも。ゴロリ横になるうち、すーっと眠りに落ちてしまう。 坂本で国道４号線に復帰。12:15コンビニでチキン竜田揚げ弁当とレモン水を調達、近くのバス停で昼食にする。できるだけ幹線国道を避けて旅の計画を立てているものの、適当な迂回路がない場合もあり、不本意ながら１ケタ国道を歩かざるを得ない。大衡村に入ってしばらくで４号線を離れる。国道から２００～３００ｍの間隔を保ちながら５～６ｋｍも並行して続く道を、事前に地図で確認している。実際に歩いてみると、静かで緑豊かな１車線の生活道路、ほとんど車も通らない。排ガス臭い４号線とは別世界のよう。木陰で休み休み、のんびり歩く。 大童（おおわら）で国道４５７号線に出て、また車優先の道。14:30国道４号線との合流点で今日の宿「くろ川旅館」に到着する。風呂は17:00からなので、コンビニでの買物と洗濯を先に片付ける。ここの風呂はラドン温泉。夕食はソースかつ弁当と野菜の煮物、21:00就寝。「くろ川旅館」、素泊３７００円。小塩→大柳：３２．５ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計１１２３．２ｋｍ）

  2008.08.11

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  【東北一周徒歩旅行３７日目】若柳（宮城県栗原市）→小塩（宮城県大崎市）

  2008年08月10日（日）曇一時晴05:00起床、パンとレモン水で朝食。06:45「阿部旅館」を出発する。曇り空で涼しい。若柳の町を出て県道１７６号線を南へ、両側には水田と大豆畑が続く。列車の姿は見えないが、遠くからＪＲ東北線を走る軽快な音が聞こえてくる。県道１７７号線に折れ、更に南へ。伊豆沼が近くなると、あちこちに「はすまつり」の幟。コンビニで昼食を調達する。08:30迫町サンクチュアリセンター、ここから伊豆沼南岸を巡る東北自然歩道・宮城１８番コースが始まる。岸辺は葦が密生していて、所々に水辺へ出られる小道が開かれている。広い沼の半分以上をハスが埋め、ピンク色の花が真っ盛り・・・「極楽浄土的」壮観な眺めである。「伊豆沼と言えば渡り鳥」と単純に思っていたが、こういう趣向があるとは知らなかった。淀んだ浅瀬はオタマジャクシだらけ、こいつら全部がカエルになる様はあんまり見たくないな。10:10内沼南端で自然歩道を離れる。１時間半ほど沼岸を歩いたけれど、散策するひとに行き合うことはなかった。景色もなかなかだし平坦なコースなんだから、歩くひとがいてもよさそうなものを・・・。 田畑・集落と樹林が交互する起伏のある田舎道を南下。太田切へ曲がる場所を間違える。地図上の地形に照らしておかしいなと思いながらも、ずるずる深みにはまってゆくのはお決まりのパターン。３ｋｍ以上無駄に歩いてしまう。「今日はどこまで？」と農作業のおばあさん、「田尻です」。「どこから？」、「若柳から」。「は～は～、ご苦労様です」、・・・こういう場合どう応えればいいのか。12:15五輪堂山自然公園、東北線沿いで東屋もある。トヨタ専用コンテナ列車が昨日と同じダイヤで運行しているなら、ちょうどこの辺りを通過する頃。昼食の稲荷寿司を食べながらシャッターチャンスを待つ。・・・が、通るのは客車と普通の貨車だけ。日曜は運休なのだろうか。空振りに終わる。 瀬嶺駅から田尻駅まで東北線に並行して、田圃を突っ切る単調な道が続く。田尻駅前のコンビニで食料・飲料を調達。15:00今日の宿・加護坊温泉「ロマン館」に到着する。いろんな風呂が楽しめる「さくらの湯」は、日曜とあって盛況。夕食はチキン南蛮弁当と納豆巻き。21:00就寝、エアコン要らずの涼しさ。「ロマン館」、素泊３８００円。若柳→小塩：３１．３ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計１０９０．７ｋｍ）

  2008.08.10

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  【東北一周徒歩旅行３６日目】松川（岩手県一関市）→若柳（宮城県栗原市）

  2008年08月09日（土）晴時々曇 04:30起床、パンと紅茶で朝食。05:45「かみや旅館」を出発。ＪＲ大船渡線と砂鉄川の間、滅多に車の来ない田舎道を南へ向かう。曇り空で湿度が高く、空気が重い感じ。07:25陸中門崎（かんざき）駅で大船渡線は西に離れてゆく。砂鉄川は北上川に合流。旧川崎村の中心・薄衣（うすぎぬ）の町を通り、08:00国道２８４号線・北上大橋で北上川を渡る。橋の上にはベンチもあり、風が抜けて涼しい。国道から外れればのんびり歩けるものと期待していたが、県道４８号線も案外交通量が多い。トラックに追い越されるとき、白線で仕切られただけの歩道は心許ない。起伏の続く県道、青空が広がって暑くなりだす。ひと休みできる場所を探しながら歩いていたところ、・・・・09:15中山集落に神社発見。鎮守の森に囲まれて涼しく、公有地のはずだから気兼ねなく休める。ベンチや水場があったりで、神社は徒歩旅行の休憩地として利用価値が相当高い。今回の旅には、テント・寝袋など野営装備を持ってきていない。パンパンになってはいるものの、３０Ｌザックひとつの軽装備に納めてきた。背負う荷物が軽いため、計画より速いペースで歩けている。・・・来年以降も真夏の重装備徒歩旅行はないだろうな、神社の縁側でそう思う。 10:40国道３４２号線に合流する。すぐにコンビニが見つかり、生姜焼き弁当とレモン水を調達。近くの木陰で昼食にする。花泉の町を抜けて県道１８３号線、ＪＲ東北線に並行した田舎道である。今日はあと１０ｋｍほど、急ぐ必要はない。芝生の木陰で３０分ばかり、ゴロリ大休止。12:40油島駅近く、青いコンテナに白い「ＴＯＹＯＴＡ」が鮮やかなトヨタ専用貨物列車・・・下り東北線を長々と通過して行く。急いでデジカメを取り出すが、間に合わない。明日の昼頃も東北線沿いを歩く予定、今度はカメラに収めてやろう。岩手県縦断が終わり、宮城県入り。2007年03月末廃線の「くりはら田園鉄道」を越える。いまだに線路の残る踏切を、通る車は律義に一旦停止している。 若柳大橋で迫川を渡り、14:20今日の宿・「阿部旅館」に到着。さっそく入浴。夕方、食料・飲料をスーパーにて調達する。夕食はのり弁当と手巻寿司、21:30就寝。「阿部旅館」、素泊４０００円。松川→若柳：３６．５ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計１０５９．４ｋｍ）

  2008.08.09

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  【東北一周徒歩旅行３５日目】水沢駅（岩手県奥州市）→松川（岩手県一関市）

  2008年08月08日（金）快晴 昨夜23:14にＪＲ京浜東北線川口駅を発った岩手県交通の夜行バス「イーハトーブ号」は、05:30ＪＲ東北線水沢駅に着く。東京の「もわっ」とした朝と違い、気温は２０度くらい。空気も乾いている。05:45昨年10月の続き、「東北一周徒歩旅行」をスタートする。国道３９７号線を東へ、コンビニで食料を調達。昨日、北上川の河川敷で花火大会があったらしく、道路脇のあちこちに案内看板が残る。ずらり並んだ水沢競馬場の厩舎では、もう調教が始まっている。小谷木橋で北上川を渡る。06:55おにぎりとお茶で朝食。 西田で東北自然歩道・岩手３１番コースに合流、道標に従い未舗装道路に折れる。道は樹林に入ってゆく。出そうな環境だと思ったら案の定、やっぱり出た・・・虻。今回は虫除けスプレーを準備している。樹林を抜けたところで行き止まり、先はヤブで道は影も形もない。歩くひとがなく廃道と化した自然歩道はよくあるが、痕跡くらいは残っているもの、・・・どこかでルートを見落としたのかも。１００ｍほど戻った地点に道標が立ち、樹林の中を指しているようにも見える。踏み入ってみると廃道になりつつある自然歩道。雑草が伸び、倒木と得体の知れない不気味な原色キノコ。拾った枝で蜘蛛の巣を払いながら進む。約３００ｍで農道に出る。長田で車道に合流。地元のおじさんから、この道がかつての「東街道」だと教えられる。小田からは東北自然歩道・岩手２９番コース、雑木林の林道を行く。兵士沢で峠越えの山道になるはずが、立派な車道に変わっている。深いヤブを指す道標だけが、消えた自然歩道の名残り。10:00正法寺、門前の土産物屋でひと休み。国道３４３号線を南下、トラックの通行が多い。11:20タイミングよく横沢に東屋、パンとポカリスエットで昼食休憩にする。近くに水場もあり、野営適地である。 ＪＲ大船渡線が見え、長沢の町に入る。13:15Ａコープで食料・飲料を調達。架け替え工事中で橋が渡れず、大船渡線の鉄橋で迂回する。ローカル線とは言え、１時間に１本くらいは電車が来るはず・・・。14:05今日の宿・陸中松川駅近くの「かみや旅館」に到着。ゆっくり入浴。夕食は助六寿司と細巻寿司。北京五輪の開会式を見ることなく、20:30早々に就寝する。「かみや旅館」、素泊４０００円。水沢駅→松川：３０．９ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計１０２２．９ｋｍ）

  2008.08.08

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• 明日から「東北一周徒歩旅行」

  明日から「東北一周徒歩旅行」の続きを歩きつなぎます。昨秋のゴール地点・岩手県奥州市ＪＲ東北線水沢駅が、今回のスタート地点。昨夏・一昨夏の２年続けて、足にできた肉刺と猛暑で１週間の予定を歩き通せず、４日目リタイアの憂き目を見ました。３年連続リタイアを回避するため、今夏は旅のスタイルを大幅に変更・・・・・テントを背負わず、全泊旅館利用の計画を立てました。６泊７日で福島県伊達市の阿武隈急行富野駅まで歩く予定。その６泊のうち３泊は温泉旅館を予約・・・・・と言っても、素泊４０００円前後の安宿ですけどね。

  2008.08.07

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• 「民宿　久保屋」のトイレ

  田舎の古い安宿に泊まると、初めて見る型式のトイレに遭遇することがあります。「水洗式」とか「汲取式」だと分かり易いのですが、その中間的なタイプがあるのです。「東北一周徒歩旅行３３日目」に宿泊した「民宿 久保屋」の洋式トイレ。ＪＲ新型車輌のトイレのように、便器の底が丸いフタで塞がっています。用を足したあと便器脇のペダルを踏むと、その力でコップ１杯分ほどの水が出て溜まります。でも、溜まるだけで流れません。水の量が増えればその重みで底のフタが開くだろうと考えて、数回ペダルを踏んでみました。・・・あれれ、溜まる水が増えただけ。足元をよく見ると、ペダルがもうひとつ。これを踏めば何とかなるのかな？・・・で、踏んでみました。お見事、フタが開いて流れてくれました。こういうのは初めて。使用法の説明書きがあったほうがいいですよ、久保屋さん。名付けて、「足踏ポンプ式水洗トイレ」。撮っておけばよかったですね、写真。

  2007.10.31

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• 小山田駐在所

  徒歩旅行で田舎の集落を通るとき、それが小さい集落であっても、かなり高い確率で「美容院」はあります。その次に高率なのが、「酒屋」でしょうか。その地区の要になる集落だと、「駐在所」のある場合があります。「東北一周徒歩旅行３３日目」、岩手県花巻市の小山田駐在所でお世話になりました。警察官に「宿さがし」を手伝ってもらうのもどうかと思いましたが、こちらは時間を持て余していたので、聞いてみることにしました。事情を説明し、地図を広げてこれから向かう辺りを示すと、「駐在さん」はその地区の警察に電話をかけて調べてくれます。田舎の駐在所は、交番と官舎が一体になった建物。奥さんが、わざわざお茶と饅頭を出してくれます。残念ながら、宿は見つかりませんでした。あと２年で定年を迎えるという駐在さん、ありがとうございました。

  2007.10.29

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• バス待合所に貼られていたポスター

  バス停と言えば時刻表が記されたポストだけのものが多いのですが、ローカルバス路線の場合、屋根とベンチのある「待合所」が設置されているものも時々あります。徒歩旅行中の「ひと休み」の場として、こういう待合所はとても重宝しています。特に雨の日には・・・。「東北一周徒歩旅行３３日目」で雨宿りした待合所に貼られていたポスターです。左下は、地元中学校吹奏楽部の定期演奏会を知らせるもの。自分の頃は中学校に吹奏楽部があったかどうかも怪しいけれど、今どきの中学生は定期演奏会まで開いているようです。右下は、３年前の歳末大売出しのポスター。いまだに貼られたまんま・・・。すでにレトロな色調を帯びてきています。

  2007.10.25

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• 当国三十三観音

  「東北一周徒歩旅行３２日目」の野営地「佐比内農村公園」でのこと。すぐそばの国道３９６号線脇に「当国三十三観音十四番岩谷観音」の標柱が立てられていました。以前に四国の遍路道を歩いた影響で、こういう「札所」を示すと思われる案内標識に出会うと、どんなものがあるのか興味を引かれます。国道から２０～３０ｍ。「岩谷観音」の額が掛かった古い鳥居はありましたが、社はありません。鳥居のうしろの洞窟に何やら祭られているだけ。・・・もう少し気の利いたものがあるのかと、期待するほうが間違いでした。「当国三十三観音」とはどんな「謂れ」のある観音札所なのか、インターネットで調べてみたところ、十三番までしか紹介されていませんでした。

  2007.10.24

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  【東北一周徒歩旅行３４日目】土沢（岩手県花巻市）→水沢駅（岩手県奥州市）

  2007年10月09日（火）晴 04:30起床、コンビニおにぎりとお茶で朝食。05:25「民宿久保屋」を出発する。今日が今回の徒歩旅行最終日、水沢駅まで歩くつもり。ＪＲ釜石線を越えるとすぐ、国道４５６号線。落合橋で猿ヶ石川を渡る。橋のたもとに「東北自然歩道」の道標。06:30毒沢集落のはずれ、「冠山蝙蝠岩」という弘法大師霊場・・・お堂のそばから清水が滴る。 この辺りのバス停には立派なものがある。下浮田バス停には、奥に４畳半ほどのカーペット敷スペースまである。テントで寝るより、こっちで寝るほうがずっと良さそうだ。いったん４５６号線を離れ、未舗装の小さい峠越えの近道を行く。国道１０７号線を渡り、08:10再び４５６号線に合流。４００番台国道はさすがに交通量も少なく、両側には長閑な田園風景が広がる。 09:40歌読で国道と別れ丘陵を越すと、「江刺中核工業団地」。山間地が終わって平地に出る。江刺の町のはずれを抜け、桜木橋で北上川を渡る。11:55今回の終点・ＪＲ東北線水沢駅に到着。12:10発の電車で一関へ、12:40発「やまびこ５４号」に乗り換える。15:18上野着、山手線・総武線を乗り継ぎ、15:50自宅に帰り着く。当初の計画とは全然違う旅になってしまったけれど、低いモチベーションのこういう旅も「あり」なのかなあ・・・。土沢→水沢駅：３３．０ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計９９２．０ｋｍ）このつづきは、来年８月を予定

  2007.10.09

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  【東北一周徒歩旅行３３日目】佐比内（岩手県紫波町）→土沢（岩手県花巻市）

  2007年10月08日（月）雨 05:30起床、パンとカップスープで朝食。まだ降りだしていないが、今にもどんよりした空から雨粒が落ちてきそう。テントを撤収、06:40「佐比内農村公園」を出発する。今日はＪＲ釜石線土沢駅近くに宿を予約してある。ここからどのくらいの距離があるのか測っていないが、地図を見た感じでは、どんなにゆっくり歩いても昼前には着いてしまうだろう。祭日朝の国道３９６号線、07:00雨が降り始める。07:30塚の根で国道から県道４３号線に折れる。角のコンビニで食料調達。稗貫川を渡り、古田峠へと緩やかに上ってゆく。交通量は少ない。峠までまだまだ上りが続くものと思っていたら、ぽっかりトンネルが現れる。入口プレートによると、１９９９年の完成。国土地理院の地形図にはまだ反映されていない。（帰ってからインターネットの「地図閲覧サービス」を見ると、トンネルになっていた）トンネルを抜けて、花巻市（合併前の東和町）。道端にひとり傘を差して座るおばあさん・・・何してるんだろうと思ったところへ、デイケアサービスの軽自動車。おばあさんを乗せて走り去る。こちらはスクールバスの停留所小屋で雨宿り。 10:00小山田地区の駐在所前、あと１時間も歩けば土沢の宿に着いてしまう。その先に宿がないか、駐在さんに聞いてみる。電話をかけて調べてくれている間に、奥さんがお茶と饅頭を出してくれる。駐在さん、ありがとうございます。残念ながら、宿は見つからず。11:10「民宿久保屋」到着。「早過ぎますけど、いいですか？」、「構いませんよ、どーぞ」。２階一番奥の部屋に案内される。パンとジュースで昼食。昼過ぎ雨は上がるが、今日もまたゴロゴロして過ごす。ゆっくり風呂に浸かり、夕方食料調達のため外出。玄関に２組靴があるところを見ると、他にも泊り客がいるようだ。コンビニ弁当で夕食、早々に寝る。「民宿久保屋」、素泊３０００円。佐比内→土沢：１６．４ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計９５９．０ｋｍ）

  2007.10.08

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  【東北一周徒歩旅行３２日目】盛岡（岩手県盛岡市）→佐比内（岩手県紫波町）

  2007年10月07日（日）曇のち晴 06:20起床、のり弁当で朝食。07:20「さくら会館」を出発する。国道４号線を１５分ほど南下、北上川に架かる南大橋手前で国道３９６号線に折れる。北上川の支流・簗川、遡上する鮭の姿が橋の上から見える。犬の散歩で土手を歩く地元のひとには見慣れた光景のようだが、こちらはテレビでしか見たことない。河原に降りて写真撮影。 国道３９６号線は、別名「旧釜石街道」。北上川の西側を南北に走る国道４号線に対して、東側を走る裏道的な存在でもある。それなりの交通量はあるものの、歩道が広く安心して歩ける。今日は一日、この３９６号線を南下する。コンビニで飲物を調達。１Ｌ紙パックの１００％オレンジジュースがローソンでは１４８円だと知った昨日から、こればかり買っている。紙パックからカモノハシ水筒に移し替え、保冷。10:40旧道の通る乙部集落、駐在所の警察官と目が合う。こういうひとなら地域の地理に詳しいはず。地図を示して野営できそうな場所について尋ねてみる。「道の駅でテント張るひとはいるねえ。もっと先？う～ん・・・」。野営地情報、収穫なし。 11:00栃内で国道４５６号線を分ける。ここから山間にはいり、人家が疎らになる。１時間進んで道の駅「紫波」、産直果物の市場は連休の行楽客で大盛況。どこでも野営できるように、水を補給する。12:30ローソンあり、食料・飲料を調達。パンとジュースで昼食にする。野営地の目処はまだ立っていない。農家の庭先にいたおじさんに、地図を広げて聞いてみる。「佐比内の公民館の横に公園があるけど、あそこなら・・・」、有力情報キャッチ。14:05佐比内集落。言われた通り、公民館の隣に「佐比内農村公園」。水道・トイレ・東屋の三拍子揃っている。文句なしの野営適地。ラジオを聞きながら、夕方までゴロゴロする。夕食は、レトルトのスキヤキとご飯。天気予報によると、明日は雨らしい。ユーウツ。 盛岡→佐比内：２３．９ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計９４２．６ｋｍ）

  2007.10.07

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  【東北一周徒歩旅行３１日目】焼走野営場（岩手県八幡平市）→盛岡（岩手県盛岡市）

  2007年10月06日（土）晴 04:30起床、パンとカップスープで朝食。高校山岳部のテントからも食器の音が聞こえてくる。雨に濡れたテントを撤収、05:30焼走キャンプ場を出発する。登山口駐車場には、ハイカーの車がすでに２０台以上。今日の予定は盛岡市内に予約してある宿まで。市内の書店で地形図を入手し、低いモチベーションでも歩き続けることのできる計画を立て直そう。東の空・姫神山の向こうに朝日が昇る。 岩手山麓を下り終えて東北道をくぐると、国道２８２号線。06:45すぐに道の駅「にしね」があり、ひと休み。２８２号線は旧津軽街道にあたり、思った以上に交通量が多い。一本木を過ぎ、08:10ようやく国道から田舎道に逃れる。途端に人家も車も稀、農地と雑木林ばかりの長閑な景色・・・のんびり歩く。県道１６号線を経て、盛岡市郊外。これから市街地中心に向かい、どんどん徒歩旅行には不似合いな場所に入ってゆく。 11:00弁当屋でのり弁当を注文、店内の休憩コーナーで昼食にする。国土地理院の地形図を扱っていそうな大型書店について、店のおばさんに聞いてみる。「ＭＯＳＳじゃないかしら」、市の中心にあるらしい。客のおばさんは「シティ青山にもあるんじゃない？」、ここから１ｋｍほどのところにあるショッピングセンター。まず「シティ青山」に行ってみる。「地形図は置いてないです。ＭＯＳＳのジュンク堂ならありますよ」、・・・盛岡にジュンク堂があるんだ。市の中心まで、まだ１時間以上かかりそう。ＪＲ東北線をくぐり、北上川を渡る。ＭＯＳＳが建つのは、将に盛岡のメインストリート。ジュンク堂は３階、地形図の棚で５万分の１「日詰」「花巻」を入手。早過ぎるとは思いながら、13:20今日の宿「さくら会館」に到着。５分ほど待たされただけで部屋に案内される。14:00から風呂にはいれるそうだ、ありがたい。濡れた装備を部屋に広げ、風呂と洗濯を片付ける。夕方まで、地図をつなげて明日以降の旅程を検討。夕食は弁当屋のロースカツ弁当と和風ハンバーグ弁当。テレビで映画「フラガール」を最後まで見てから寝る。「さくら会館」、素泊４２００円。焼走野営場→盛岡：３０．３ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計９１８．７ｋｍ）

  2007.10.06

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  【東北一周徒歩旅行３０日目】大更駅（岩手県八幡平市）→焼走野営場（岩手県八幡平市）

  2007年10月05日（金）晴れたり曇ったり 昨夜23:40池袋を出た岩手県交通の夜行高速バス「らくちん１号」は、定刻より１０分遅れの06:40ＪＲ東北線盛岡駅前に着く。コンビニで食料を調達。06:55発の電車に乗り込み、おにぎりとお茶で朝食にする。07:33ＪＲ花輪線大更駅で下車、今回の徒歩旅行をスタートする。未明まで雨が降っていたらしく、路面が濡れている。地図を見ながら、岩手山の焼走り登山口へ向かう。森腰集落で県道２３３号線に合流。東北道をくぐると人家はなくなり、県道の両側は草地と雑木林ばかりになる。温泉・天文台・キヤンプ場などの施設が散在する「岩手山焼走り国際交流村」のはずれ、09:35焼走り登山口に着く。ひと休みの後、登り始める。登山道は熔岩流跡の脇、樹林の中を行く。３０分ほど登った頃から何となく気分の悪さを感じ、度々足が止まる。今日は岩手山（２０３８ｍ）を越え、八合目避難小屋まで行く計画なのだが・・・、こんな調子で大丈夫なのだろうか。冷たい飲物を口にしても、胸がムカムカ。登り続ける気力が急速に減退してゆく。10:25登山断念・・・。天候悪化や道が分からなくなって引き返したことは今までにあるが、こういう理由で引き返しを決めるのは多分初めて。東京を出発する前からモチベーションの低さは感じていたが、初日から体調・気力ともこの有り様。計画の大幅変更を検討することになりそうだ。11:00「焼走り国際交流村」の受付でキャンプ場の利用申込、料金は３００円。秋の平日、当然ほかにキャンパーはいない。芝生にテントを設営、ゴロリ横になる。腹は減らないが、することがないからパンと粉末ジュースで昼食。 15:00を過ぎた頃から、高校生のグループが次々到着しだす。引率の教師と思われる大人に聞くと、「高校山岳部の登山講習会が岩手山で行われているから」とのこと。結局、３０くらいもテントが設営される。暗くならないうちに、「山岳グルメ」野菜カレーとレトルトご飯で夕食。日暮れから２時間ほど雨が降る。高校生達も朝が早いと見え、静か。ラジオを聞いているうちに眠りに落ちる。大更駅→焼走野営場：１２．２ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計８８８．４ｋｍ）

  2007.10.05

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• リフレッシュ休暇で「東北一周徒歩旅行」

  会社のリフレッシュ休暇を使って、明日から「東北一周徒歩旅行」の続きを歩きつなぎます。スタート地点は、岩手県八幡平市のＪＲ花輪線大更駅。当初、岩手山（２０３８ｍ）と早池峰山（１９１７ｍ）をつなぎ、ＪＲ東北線水沢駅まで歩く５泊６日の旅を計画しましたが、・・・モチベーション低過ぎ。どんな徒歩旅行になるか分かりませんが、とりあえず出発します。

  2007.10.04

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  大更駅で

  猛暑のなか、ヘロヘロになりながらＪＲ花輪線大更駅にたどり着いたのは、「東北一周徒歩旅行２９日目」の13:45。次の盛岡行き電車は16:04発で２時間以上待つことになりますが、駅前から出る岩手県北バスなら14:22発がありました。駅員は５０歳代と思われる駅長ひとり。「14:22発のバスは何時に盛岡駅に着きますか？」、時刻表を調べた駅長は「15:11ですけど、お盆ですから渋滞につかまるかも知れませんねえ」。「盛岡駅までいくらですか？」、「６７０円です。電車だと８３０円ですから、バスのほうが安いんです」。電車は「いわて銀河鉄道」を経由するため高くなるのだと説明してくれました。この駅でも新幹線の切符が買えると聞いて「盛岡から上野まで。乗車券は秋葉原まで」。「15:40発の『はやて』は満席ですねえ。立席になります」発券機を操作した駅長。こちらはデッキでザックに座っても全然かまわないので、立席特急券４９４０円と乗車券８１９０円を購入しました。１０分ほどして駅長が「キャンセルでました。指定席ありますよ」。キャンセル待ちを頼んだ訳ではないのですが、気を利かせて手配してくれたようです。その厚意を受け、７１０円を追加して指定席特急券に交換しました。汗とキンチョールのにおいが気になるので、本当はデッキのほうが良かったのですが・・・。

  2007.08.29

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• 素泊３０００円の宿

  自分のような徒歩旅行者が、利用する宿に求めるのは・・・風呂に入ること・洗濯すること・ゆっくり眠ること・・・単純に言うと、この３つだけ。部屋が広くて新しいとか、窓から見える景色が素晴らしいとかは別段求めていないのです。どんな宿でもこの３つは揃っていますし、安宿なら施設のレベルに大差はありません。・・・となれば、選ぶ基準は料金ということに。民宿・旅館の素泊料金の相場は、大体４０００円くらい。インターネットを使って、毎回安宿探しに苦心しています。「東北一周徒歩旅行２７日目」に泊まった二戸駅前「佐々木旅館」、素泊３０００円（税込）でした。「エアコン無いかも・・・」と心配しましたが、ちゃんとエアコン付。トイレは「昭和のかおり」がする汲取式でした。

  2007.08.28

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• 清酒 「キリストの里」

  「東北一周徒歩旅行２６日目」の野営地・青森県新郷村は、「キリストの墓」を観光の目玉にしています。「ゴルゴタの丘で磔刑になったキリストが実は密かに日本に渡っていた」んだそうで、その墓が新郷村にあるというのです。村の酒屋では清酒「キリストの里」を売っていました。「キリストの里」なら「ワイン」だろうと思うのですが、「清酒」にしてしまうところが強引と言うかスゴイ。写真だけ撮らせてもらう訳にはいかないので、缶ビールを買いました。「平成の大合併」で経済的基盤の弱い市町村が消えてゆくなか、新郷村は周辺自治体に吸収されることなく存続しています。「キリストの墓」伝説のおかげで財政が豊か・・・なんてことはないと思いますが・・・。

  2007.08.27

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  【東北一周徒歩旅行２９日目】七時雨山荘（岩手県八幡平市）→大更駅（岩手県八幡平市）

  2007年08月13日（火）晴　猛暑 04:20起床、昨晩の残り物のおにぎりとお茶で朝食を済ませる。準備を整えて玄関に出ると、昨日のバーベキューで同席のオノ氏が靴を履いているところ。05:20こちらが先に「七時雨山荘」を出発する。七時雨山へのルートは、はじめ放牧地を緩やかに登って行く。牧草でトレースが分かり辛いうえ、ガスで視界が１００ｍほど。「ニ合目」の道標を過ぎてから、なかなか「三合目」が現われない。そのうちトレースが怪しくなり、終いには草原に消えてしまう。・・・どこかでルートを間違えたようだ。トレースを探しながら引き返していると、牧草地と樹林を隔てる柵の出入口に道標・・・ガスで見落としたらしい。１５分のロス。暫く柵伝いに進んで「三合目」、ここから雑木林の急登が始まる。整備された登山道は登り易いが、何せ蒸し暑い。休み休み登る。「六合目」辺りでガスが晴れる。「八合目」で前を登るオノ氏に追い付く。オノ氏も同じ道標を見落としたそうだが、こちらよりルート復帰が早かったようだ。山頂まで一緒に登る。07:05七時雨山北峰（１０６０ｍ）、日差しはすでに暑い。「七時雨山の名前の通り、少し時雨てくれれば助かるのに」との意見で一致する。こちらは南峰経由で車之走峠へ、オノ氏は別ルートでの下山。07:30七時雨山南峰（１０６３ｍ）。ぐるり全方位の展望、雲海に岩手山が浮かぶ。日陰の無い山頂を後に、下山開始。足場のよくない急降下を経て、やがて樹林帯に変わる。虻がまとわり付いて休憩も取れないまま、08:15車之走峠下で林道に下り着く。 林道の途中に作業小屋があり、山仕事のおじいさんが２人休憩中。一緒にひと休み。「虻、どうにかならないですかねえ」、「動くと寄ってくる」、「ずっとここに居る訳にはいかないですから・・・」、「スプレー、あるよ」、「えっ、貸してもらえますか」、「いいよ」。虫除けスプレーが出てくるものと思ったら、なんと「キンチョール」。一瞬躊躇するが、思い切り全身に吹きかける・・・ハエになった気分。「虻はこのにおいが嫌い」なのだそうだ。確かに虻はあまり寄って来なくなる。全く車の来ない七時雨牧場の道を１時間ほど下り、09:30県道２２７号線に合流。木陰に座り込む。すでに大分消耗している。明日の岩手山はおろか、今日の宿がある東八幡平温泉郷まで歩くことさえ覚束ない。計画を大幅に変更、大更駅前の旅館に連泊して休養。体力を回復させて岩手山に挑もう。１ｋｍ毎に休憩を取りながら、炎天下を行く。地花集落、民家の軒先で休んでいると、その家のおじいさんが出てくる。水を補給させてもらうついでに、電話も借りる。大更駅前「養神館」、「今日、泊まれますか？」、「満室です」・・・この瞬間、旅を続けるための「気力の火」が消える。東京に帰ろう・・・挫折感と共に、少なからぬ安堵感。重い足を引きずる傍らに、車が止まる。１時間以上前、挨拶を交わした渓流釣りの親子。「これ飲んで」と、冷たいスポーツ飲料のペッボトルを手渡してくれる。自分のためにわざわざ買ってきてくれたようだ。消耗と消沈しているところ、・・・「ありがとうございます」。11:20寺田集落、パンとポカリスエットで昼食休憩。 12:40平舘の町で国道２８２号線に合流、大更駅まで３．８ｋｍ。電車の時刻を教えてもらうため、仏具店にはいる。時刻表が無いとのことで、電話を借りて大更駅に直接聞く。「12:57発の次は16:04発です」、「３時間もないんですか？」、「バスなら１時間毎にあります。14:22発だと間に合いますね」。最後の力を振り絞り、13:45ＪＲ花輪線大更駅に到着。ひと息ついて、盛岡から上野までの切符を買う。当然「はやて」は立席しか無かったが、機転の利く駅長のおかげで指定席券を手にする。 14:22岩手県北バスに乗り、15:15盛岡駅。汗とキンチョールのにおいを気にしながら、15:40発「はやて２０号」の乗客となる。18:02上野、山手線・総武線を乗り継ぎ、18:30自宅に帰り着く。昨夏に続き、４日目でのリタイア・・・来夏の旅は、計画・方法を抜本的に見直す必要がありそうだ。七時雨山荘→大更駅：２４．０ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計８７６．２ｋｍ）この続きは、今年１０月を予定

  2007.08.13

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  【東北一周徒歩旅行２８日目】二戸駅前（岩手県二戸市）→七時雨山荘（岩手県八幡平市）

  2007年08月12日（日）晴　猛暑 04:30起床、昨日買ったのり弁当で朝食を済ませる。女将さんに頼んでおいたカモノハシ水筒２本（氷結ポカリスエット１Ｌ＋氷１Ｌ）およびペットボトル１Ｌをザックに詰めて、05:25「佐々木旅館」を出発。いったん国道４号線に出るが、１ｋｍほどで安比川に沿う県道６号線に折れる。県道にはいって暫くの合川集落、「これ、持っていきなさい」早朝の農作業を終えたらしいおばあさんが、エスカップを２本くれる。こういう形で「元気」をもらうと、普段なら半日くらいそのパワーが持続するのだが・・・この暑さ、１本３０分で涸れてしまう。 06:30県道の電光気温標示はすでに２６度。晴天に文句を言ったらバチが当たるけど、天気良過ぎ。今日も猛暑になるのは、火を見るよりも明らか。計画では標高６００ｍの田代平高原で野営することにしているが、それに耐えられる自信は無い。高原にある「七時雨山荘」に当たってみよう。08:30天台寺（瀬戸内寂聴さんが住職の寺）入口にある向田集落、電光気温標示は３０度。電話ボックスから「七時雨山荘」に連絡してみる。「今日は満員です」、「キャンセルは出ませんか？」、「家族連れと団体さんが多いですから・・・」。時間を置いて再度電話することになる。野営に備え、浄法寺の町で食料を調達。暑さが厳しくなり、頻繁に休憩を取らないとオーバーートしてしまう。10:00「海上の湯」、「七時雨山荘」へ電話する。「キャンセルはないです」、「兎に角そちらまで行きます。キャンセル無ければ近くでテント張りますから」。樋口集落で牛乳を調達、パンと牛乳で昼食にする。旅館を発つとき持って出た３Ｌが、残り０．７Ｌ。リンゴジュース１．５Ｌを追加補給。歩きだしても１ｋｍ毎に休憩、写真を撮る余裕もなくなっている。11:40下藤集落、農家の庭先で休ませてもらう。おばあさんが椅子と冷やしトマトを持ってきてくれる。隣では小学生の女の子がビニールプールで水しぶき・・・頭から沈んでしまいたい衝動に駆られるが、そんなことをしたら警察を呼ばれてしまうかも。飲料調達の最終地点と思われる石神集落で、オレンジジュース０．５Ｌを補給。県道６号線から、13:10田代平高原へ向かう県道３０号線へ折れる。「七時雨山荘」まであと８．５ｋｍ、標高差は４００ｍもないのだが・・・。山間の道になれば日陰が増えると期待していたら、然に非ず。少し無理をすれば倒れてしまいそう。５００ｍ毎の休憩・・・熱中症のテンパイ状態である。座り込むときも、路面を触って確かめてから。日陰なのに、ところによってアスファルトが熱いのだ。そんな場所ではザックに座るしかない。朝から一体何Ｌの水分を飲んだのだろう。５Ｌ以上は間違いない。16:05フラフラで「七時雨山荘」にたどり着く。名前を告げて「部屋はありますか？」、「はい、ありますよ」・・・ああっ、助かったぁ。部屋に倒れ込んで動かなくなる。エアコンは無く、高原を渡る風も無い。網戸の無い窓から虻が侵入してくるが、追い払う気力も無い。 風呂からあがって大分落ち着く。夕食は炭火のバーベキュー。本来なら「高原の爽やかな風に吹かれて」なのに、風が無くて兎に角暑い。横浜から来たオノ氏と同じテーブル。６２歳のオノ氏、パキスタンの８０００ｍ峰にも登頂した本格的な「山屋」。カラコルムの山の話を聞かせてもらう。窓から干草のにおいと虻が入り込む部屋で、眠りに落ちる。「七時雨山荘」、夕食付６５００円。二戸駅前→七時雨山荘：３６．３ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計８５２．２ｋｍ）

  2007.08.12

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  【東北一周徒歩旅行２７日目】金ヶ沢（青森県新郷村）→二戸駅前（岩手県二戸市）

  2007年08月11日（土）晴　猛暑 04:45起床、晴れて暑くなりそう。パンとカップスープで朝食を済ませ、テントを撤収。05:50金ヶ沢農村公園を出発する。地形的には東西方向に山が連なる地域を、県道４５号線で北から南へ縦断してゆくので、必然的にルートは峠越えの連続になる。２つ目の峠に差し掛かる辺りから、虻がまとわり付きだす。重いザックを背負って歩くだけで精一杯なのに、虻の攻撃は勘弁して欲しい。06:50西越集落でひと休み、道端に座っていても虻が寄ってくる。08:00にはもう日差しが強くなり、日向を歩くと消耗が倍加する。持っている飲物がどんどん減ってゆく。日陰の見えない長いアスファルト道に踏み出す前、それなりの覚悟が必要。１日１往復のバス停には熊が出没するらしい。 山間地が終わって、09:15東松原で国道４号線と交差。熊原川を渡り、三戸の町の中心を通り抜ける。自販機のコカコーラが５００ｍｌで１００円、１本が軽く空いてしまう。町の南の丘陵地越え、リンゴの果樹園が続く。 上目時で国道４号線に合流、電光気温標示は３２度を示している。４号線の旧道、11:00青岩橋で馬淵川を渡る。この橋が青森・岩手の県境・・・それで「青岩橋」とは何とも安直な命名。木陰に座り込んでいると、おじいさんが寄ってきて「どこまで？この暑いのに、二戸まで歩いて？」・・・融けて無くなりそうです。日向歩きが続く。やっと日陰にたどり着くと、へたり込んでしまう。休む度に靴を脱ぎ、足を外気に晒す。歩行ペースはガタ落ち。12:10金田一温泉駅前の商店でパンとジュースを調達。冷房の効いた店内に休憩スペースがあり、そこで昼食・・・体力の回復を計る。「いわて銀河鉄道」に並行する旧道を行く。いくらか復活したように思えた体力も、店を出てから２０分、呆気なく使い果たす。神社の縁側、ゴロリ仰向け。風でもあれば少しは楽なのに、それも無い。 １ｋｍ歩いて建物の陰に座り込み、また１ｋｍ歩いて木陰にへたり込む。この繰り返し・・・。畳屋のおばあさんから「麦茶、飲んでいく？１杯でいいの？」お言葉に甘えて、イッキに２杯。15:05ヘロヘロになって二戸駅前、今日の宿「佐々木旅館」に到着する。安宿だからエアコン無しかと心配したが、通された部屋はちゃんとエアコン付。２４度に設定し、倒れ込んだまま２０分間静物と化す。復活して入浴・洗濯を片付け、弁当屋とコンビニで食料・飲物を調達する。夕食はトンカツ弁当と生姜焼弁当にビール。テレビの気象情報によれば、今日の二戸は最高気温が３３度。日向だとそれより５度くらい高いだろう。明日からも当分猛暑が続くらしい。日焼けした腕と顔が、熱を持っている。「佐々木旅館」、素泊３０００円。金ヶ沢→二戸駅前：３２．８ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計８１５．９ｋｍ）

  2007.08.11

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  【東北一周徒歩旅行２６日目】奥瀬（青森県十和田市）→金ヶ沢（青森県新郷村）

  2007年08月10日（金）曇 昨夜22:20池袋を出た十和田観光電鉄の夜行高速バス「シリウス３号」は、十和田市駅に定刻の08:00到着。町の北外れの駅から小雨の降る中、予め調べておいた中心商店街のコンビニまで歩き、朝食と昼食を調達する。ヒッチハイクができそうな西の外れの国道１０２号線に着いたときには、もう08:50になっている。幹線道路でのヒッチハイクは成功率が低い。２５分が経ち、行先を印刷したＡ４紙も雨に濡れて破れかけた頃、やっとワンボックスに拾われる。道の駅「奥入瀬」まで乗せてもらい、助六寿司で朝食。09:40今回の徒歩旅行をスタートする。ちょうど雨が止み、幸先良く歩き始める。国道１０２号線を深堀まで戻り県道１６６号線へ、車は滅多に通らなくなる。計画していた道順通り脇道に折れると、やがて未舗装道路に変わる・・・舗装された道より好ましいが、未舗装とは予想外。11:00夏間木集落でひと休み、風のない雨上がりは蒸し暑い。中屋敷集落への小さい峠を越える道が、また未舗装。人里近くにも拘らず、熊でも出てきそうな雰囲気である。峠を下ると、狭い谷間に不規則な形の田圃と畑・・・平地と違って手間のかかる農地なのだろう。12:30笊畑集落、納豆巻とお茶で昼食休憩。沿道のあちこちの畑に、整然と並ぶ黄緑色の見慣れない作物が気になる。いったい何を育てているのだろうと思いながら歩いていたら、畑の隅に何やら書かれた札・・・見ると「たばこの種類　バーレー２１」。へ～ぇ、これが煙草なんだ。指久保集落から漆畑集落へ、今度も小さい峠を越える。 新郷村役場のある金ヶ沢に着く。村の中心とは言っても、国道４５４号線沿いに家が１００軒くらいだろうか。スーパー兼コンビニのような商店で食料を調達、農村公園の場所を教えてもらう。村外れの五戸川の岸、14:50今日の野営地・金ヶ沢農村公園に到着。小学校の校庭ほどの広さ、きれいに整備されている。東屋・トイレ・水場が揃い、野営地として申し分ない。訪れるのは、飼犬を散歩に連れてくるひとばかり。 ラジオを聞いていると、18:00近所の寺から夕暮れを告げる鐘の音。暗くなる前に、レトルト中華丼で夕食を済ませる。真っ暗になり、家族連れが街灯に集まる虫を捕りに来る。「カブトムシ、メスばっかり」と子供の声。思ったよりずっと涼しく、良く眠れる。奥瀬→金ヶ沢：２１．４ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計７８３．１ｋｍ）

  2007.08.10

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• 明日から「東北一周徒歩旅行」

  明日から「東北一周徒歩旅行」の続きを歩きつなぎます。スタートは、青森県十和田市奥瀬の「道の駅・奥入瀬」前・・・昨夏の旅程半ば、足の裏にできたデカい肉刺のためリタイアした地点からです。肉刺対策として、今夏は通気性の良いトレッキングシューズで歩きます。まだ１日しか「慣らし履き」をしていないので、少々心配ではありますが・・・。七時雨山（１０６３ｍ）・岩手山（２０３８ｍ）・東根山（９２８ｍ）をつなぎ、ＪＲ東北線紫波中央駅を終点とする６泊７日の計画。予報によると晴天が続くようで、相当暑くなりそうです。

  2007.08.09

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  初日発売開始時刻に並んだのに・・・

  来月の「東北一周徒歩旅行」、往路の夜行高速バスの切符入手顛末です。東京発八戸行「シリウス号」は、ＪＲバス関東・国際興業・十和田観光電鉄・南部バスの４社共同運行。ＪＲバス以外３社分の発売開始は１ヶ月前からですが、ＪＲバス分だけは１ヶ月１日前から。で先日、ＪＲバス関東分の切符を確保すべく、初日発売開始時刻10:00の５分前、最寄駅「みどりの窓口」へ行きました。並んでいたのは２人だけ。これなら楽勝だと思ったのですが・・・。自分の順番が来たのは、10:10頃。発券機から出てきた切符を示しながら、窓口の女性は「最後の席みたいですね。真ん中の２Ｂ席です」・・・うっ。初日発売開始時刻にトライして、Ａ席・Ｃ席の確保に失敗したことはこれまでなかったのに・・・。「最後部の４人席でなくてヨカッタじゃないか」、こう考えることにして自分を慰めたのでした。

  2007.07.10

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• 悲惨な足の裏

  １週間の徒歩旅行で足に肉刺ができるのは毎度のこと。テーピングで予防はしていますが、肉刺の手当てが毎夕の日課になります。針を刺して水を抜き薬を塗って乾かせておけば、朝には痛みが引いて歩けるように・・・それがこれまでのパターンでした。ところが今回のは、かってない重症、両足裏の指の付け根付近に大きな肉刺。水を抜いてもまた溜まる、しかも歩くと激痛。写真は東京に戻って２日目。ようやく痛みが引いて、足の裏で歩けるようになったころです。

  2006.09.08

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• 東北新幹線　立席特急券

  東北新幹線「はやて」が全車指定席で、満席の場合に限って立席特急券を発行しているのを、今回初めて知りました。席に座れないにもかかわらず、自由席に相当する料金がかかるとのこと・・・なんだかとっても損してる感じ。東北一周徒歩旅行２５日目の08月14日、急きょ乗ることになった八戸から東京へ向かう新幹線は、当然の如く終日満席。14:04八戸発「はやて１８号」立席の乗客となりました。立席なのだからどの車輌に乗ろうが自由なのかと思ったら、切符に「４号車」と乗車車輌を指定しています。立席客を各車輌に分散させるためなのでしょう。立席客が多くて本当に立っていなくてはならないかもと心配しましたが、４号車のデッキには３～４人だけ。ザックに座って帰ることができました。

  2006.09.06

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• 又兵衛の茶屋

  東北一周徒歩旅行２４日目に泊まった「又兵衛の茶屋」は、メインが民芸調食事処と土産物屋。民宿は副業のようす・・・部屋は建物奥に４つだけでした。07月始め、八甲田山麓の谷地温泉に電話したところ、お盆期間中はすでに予約で満室とのこと。それで、直線距離で５ｋｍほど離れたここに予約を入れた次第です。狭いとは言え「又兵衛の茶屋」も風呂は温泉。満室なのかと思いきや・・・他に泊り客は無し。高い宿泊料を払って芋を洗うような谷地温泉より、安い料金でゆったり湯舟（だいぶ年季がはいってますが）を独占できるこちらのほうが絶対得した気分。観光シーズンに名の知れた温泉を予約するのは、至難の業であるだけでなくお金の無駄使い。運が良ければこういうところに当たるもののようです。

  2006.09.05

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• 山荘あざみ

  「山荘あざみ」に宿泊できたのは、幸運な巡り合わせのおかげでした。東北一周徒歩旅行２３日目、国道３９４号線を歩いているとき、たまたま声をかけてくれたおじさんに教えられたのが、大川原集落の温泉。その温泉会館ふくじゅ草で入浴後、受付のおばあさんから、すぐ近所に宿があることを聞いたのです。この日はテント泊の予定なのに、昼過ぎから雨が本降りに・・・雨の中でテントを張るのかと思うと、ユーウツな気分になっていたところ・・・。こんな小さい集落で宿が見つかるなんて全く期待していなかったので、本当に助かりました。壁に掛けてあった旅館業の許可証によると、許可を受けたのは平成17年10月のこと。宿を始めてまだ１年も経っていなかったのです。（温泉会館ふくじゅ草にでている佐藤繁治さんが宿の主人です）

  2006.08.31

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• 岩木山　弥生登山道

  旅行前にインターネットで検索しても、岩木山の弥生登山道に関する情報はあまり得られませんでした。昭文社の山地図では、「実線」ではなく「破線」になっています。東北一周徒歩旅行２２日目、弥生登山道と大石赤倉登山道は頂上直下からいきなり「道なき道」。子供でも登れる津軽岩木スカイライン方向からの登山道とは雲泥の差。これを下るのかと思うと、暫し躊躇せずにはいられませんでした。急斜面に背の低いヤブ、そこに申し訳程度の「すき間」があるだけ。隠れて見えない足場は、足で探らなければならない始末。正しいルートを取れているのか、何とも心細い思いでした。九合目から八合目に下る途中で登山道らしくなりましたが、利用する登山者が稀であることは明らか。九合目から一合目まで真新しい標柱が設置されていたのが救いでした。昭文社の山地図では「下り２時間」となっていますが、普通の登山者が２時間で下るのは不可能。３時間はかかるはずです。

  2006.08.29

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• 【東北一周徒歩旅行２５日目】田代平（青森県青森市）→奥瀬（青森県十和田市）

  2006年08月14日（月）晴04:20起床。左足の痛みは引いているが、右足は回復していない。パンと粉末ジュースの朝食、05:15出発。快晴、田代平は朝霧が棚引いて絵葉書のような景色。県道４０号線は国道３９４号線と交差したあと、大中台牧場を突っ切って伸びる。増沢まで１５ｋｍ近く集落はない。道は下り坂、勾配９％を示す標識も。体力的には楽だが、足への負担は大きい。昨日と同じ痛みが復活してくる。歩く距離に比例して足の具合が悪くなってゆく。休憩して靴下を脱いで足の裏を見てみる・・・手当てしてあった水脹れはふやけ、爪先には水が溜まって膨らんでいる・・・これはもうダメだ、国道１０２号線まで出たらリタイアしよう。足の裏をかばって変な歩き方をしているせいで、足首まで痛みだす。熊ノ沢川沿いの谷間の道が終わり、山間の田んぼが両側に開ける。日差しを避けることができなくなって暑い、09:00増沢集落。痛さと暑さで１０２号線まで歩けるのかも心許ない、ペースがどんどん落ちてゆく。たまに通る車をヒッチハイクしてしまう誘惑に何度も負けそうになりながら、次回に歩きつなぐ不便を思い我慢。ヘロヘロになって大堀橋で奥入瀬川を渡り、10:40国道１０２号線に到着。すぐ前は「道の駅奥入瀬」。ひと息ついてバス停へ、11:14発十和田市駅行がある。バスを待つよりヒッチハイク、11:05中年女性の車に拾ってもらう。１５分ほどで十和田市駅、11:42発の十和田観光電鉄で三沢へ。ＪＲ東北線三沢駅で東北新幹線の切符を求める。盆休み中で終日満席、全車指定席の14:04八戸発「はやて１８号」立席になる。17日盛岡発の夜行バスはキャンセル払い戻し。17:02上野着、山手線と総武線を乗り継いで、17:30自宅に帰り着く。７日間の徒歩旅行計画は４日目で挫折。途中でルート変更したことは過去に何度かあるが、最終目的地まで到達できずに帰ったのは今回が初めて・・・今後の計画作りの教訓とする。田代平→奥瀬：２３．５ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計７６１．７ｋｍ）

  2006.08.14

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• 【東北一周徒歩旅行２４日目】大川原（青森県黒石市）→田代平（青森県青森市）

  2006年08月13日（日）快晴のち曇のち雨04:55起床、足の痛みは治まっている。レトルト中華丼の朝食、05:50出発。計画では八甲田山を登ることにしているが、足の状態によってはパスするつもり。国道３９４号線を東へ、上り坂が続く。沖揚平までの約９ｋｍ、人家は全くない。たまに車が通るだけ。空は快晴。日陰を選んで歩くが、強い日差しで朝から暑い。前方に八甲田山。07:50沖揚平でひと休み。戦後の開拓地、標高は７００ｍ。観光施設「活菜館」はまだ営業時間前、少し先の農産物直売所と食堂が開店している。足の裏が痛みだす。城ケ倉渓谷を跨ぐ城ケ倉大橋。橋の両端に休憩舎とトイレ、水を補給。足の状態を考えると八甲田山に登るのは無理、山麓の北側を迂回して田代平へ向かうことにする。雲が広がり、暑さからは解放される。09:00城ケ倉入口で左折、国道１０３号線を北へ進む。盆休みの観光地だから交通量が多いかと思ったが、それほどでもない。八甲田ロープウェイ乗場前を通過。足の具合がどんどん悪くなってゆく。10:40田代平方面への分岐、パンとポカリスエットで昼食休憩。休憩後の歩き出しの度、足の裏に激痛が走る・・・裸足で尖った砂利の上を飛び跳ねているような痛み。４～５分歩くと麻痺して痛みを感じなくなってゆく。道の両側はブナ林が続く。11:40銅像茶屋前を通過、県道４０号線にはいる。休憩して再び歩き出すとき激痛に襲われるのが分かっていても、バテて３０分毎に座り込んでしまう。考えるのは今日の宿まであと何ｋｍということばかり、景色を眺めたりする余裕は全然ない。小雨が降りだす、昨日と同じパターン。早目に傘の用意。13:40ドライブイン兼民宿「又兵衛の茶屋」に到着。時間が早過ぎると思ったが、部屋に通してもらえる。靴下とテーピングを剥がすと、足は悲惨な状況・・・水膨れは大きく広がり、爪の下に水の溜まった指が５本。これほど酷いことになった経験は今までない、果たして明日歩けるのだろうか。針を刺して水抜き・手当て。ここの風呂は狭いながらも歴とした温泉、水で埋めてぬるい湯にじっくり浸かる。外は本降りの雨、山に登っていたらどうなっていたことか。上がってからも専ら足の手当てで時間を過ごす。17:30夕食、久し振りにまともな食事に在り付く。１泊夕食付６０００円、20:50就寝。大川原→田代平：３２．１ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計７３８．２ｋｍ）

  2006.08.13

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• 【東北一周徒歩旅行２３日目】弥生（青森県弘前市）→大川原（青森県黒石市）

  2006年08月12日（土）曇時々晴のち雨04:15起床、心配した雨は降らなかったらしい。パンと粉末ジュースで朝食。テントを撤収して、05:10出発。今日は八甲田山麓を目指して東へ歩く。空は一面の雲、夏は晴れると消耗が激しいから曇りのほうが助かる。弥生集落を抜けると、道の両側はリンゴ果樹園が続く。自販機の誘惑に負けて、早朝から炭酸ジュースでひと休み。折笠・石渡を経て、城北大橋で岩木川を渡る。国道７号線・ＪＲ奥羽線を越えるころから晴れ間が広がりだし、暑くなる。田舎館村を通る。「平成の大合併」にも巻き込まれなかった特色ある村らしい。「いなかっぺ大将」風大左ェ門の出身地、村役場は天守閣と大手門を備えている。09:30弘南鉄道田舎館駅、足の裏に痛み。靴下を脱ぐと水膨れが数箇所、針を刺して水抜き・テーピングの応急処置。浅瀬石川を渡ると黒石市街、スーパーいとく黒石店で２日分の食料調達。10:30近くの地蔵院で昼食休憩、太巻寿司と野菜ジュース。この寺院は津軽弘法大師二十番霊場とのこと・・・大師霊場は日本全国至るところにある。東北自動車道を越えて、国道１０２号線に合流。日陰のない灼熱歩道でバテバテ、リンゴ園の木陰に座り込む。歩くペースはガタ落ち。12:45南中野で左折、国道３９４号線。コンビニでオレンジジュースのペットボトル１．５リットルを調達。沿道のおじさんから声を掛けられる。徒歩旅行中の旨を話すと、この先の大川原に温泉があることを教えてくれる「いいお湯だよ」・・・今日は大川原で野営にしようか。雲が広がりだして助かったと思っていたら、ポツポツ雨が落ち始める。ちょっと雨宿りのつもりではいったビニールハウス、そのうち本降りに変わる。待てど暮らせど止む気配なく１時間、諦めて傘とスパッツで歩き出す。14:40大川原集落。中心に温泉会館「ふくじゅ草」、集落の共同浴場。とりあえず入浴、料金は２００円。あがって受付のおばあさんと話すうち、すぐ近くに泊まれるところがあると教えられる。雨の日の野営は避けたい・・・「地獄に仏」。温泉会館から２０ｍほど、「山荘あざみ」。ログハウス風、素泊りのみ２５００円。奥さんがコーヒーをいれてくれる。足の裏の状態がよくない、手当てに時間をかける。17:00過ぎ雨があがる、レトルトのハヤシライスにビールで夕食。宿の主人が16日にある伝統行事「火流し」の練習見学に誘ってくれる、集落の大人・子供による横笛・太鼓・手平鉦のお囃子。20:30就寝。弥生→大川原：３５．８ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計７０６．１ｋｍ）

  2006.08.12

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• 【東北一周徒歩旅行２２日目】岩木山神社（青森県弘前市）→弥生（青森県弘前市）

  2006年08月11日（金）曇前日22:30浜松町バスターミナルを出発した弘南バス「ノクターン号」は、定刻より１５分早い07:00弘前バスターミナルに到着。07:20発の路線バスに乗り換えて岩木山神社へ向かう。車内でコンビニおにぎりと麦茶の朝食。08:10岩木山神社前で下車、今回の徒歩旅行をスタートする。本殿で旅の安全を祈願。社殿脇から岩木山百沢登山道、樹林の緩い登りを２０分ほどで神苑桜林キャンプ場に出る。テントは２張だけでひっそり。百沢スキー場を過ぎてからが本格的な登山道。急登「七曲がり」で、休憩中の中年夫婦ハイカーと挨拶を交わす。09:10「カラスの休場」でひと休み。曇り空、風がなくて蒸し暑い。姥石を経て、10:35焼止避難小屋。ちょっと覗いてみると、だいぶ荒れている感じ。この辺りはすでに標高１０００ｍを越えていて樹高も低い、晴れていれば展望が得られるのかも知れない。大石ゴロゴロの難所「大沢登り」に取り掛かる。下部は涸沢なのに、登るに従い流量が増えてゆく。飲めそうにも見えるが、少し温い。女性ハイカーがひとり下ってきて挨拶を交わす。ガスが発生してきて見通しが利かなくなる。体力消耗で休憩が頻繁に。11:30錫杖清水、冷水がパイプからジャバジャバ噴き出す。存分に喉を潤したあと、空いた水筒を満タンに。ひと休み。頂上まであと１時間くらいか、ガスが晴れてくる。種蒔苗代を過ぎ、鳳鳴ヒュッテで津軽岩木スカイラインからの登山道と合流。百沢登山道ではここまで３人にしか会わなかったのに、かなりの数の老若男女ハイカー達・・・バスとリフトを乗り継げば労せずして標高１４５０ｍ付近まで来られるのだから、麓から登るのは「変わり者」だけらしい。12:25岩木山（１６２５ｍ）、広い頂上に３０～４０人ほども。盆休み本番の明日以降にはどうなることやら・・・。パンとポカリスエットの昼食。眺望は得られないが、山頂上空は青空。12:40弥生コースで下山開始。道標が指す方向には、急斜面の心許ない細道。背の低い草木が絡み合って、登山道の体を成していない。根元を踏み分けるように進み、なんとか８合目の標柱。ようやく道らしくなる。14:00、６合目の標柱。急な下りもこの辺りまで、徐々に歩き易いブナ林の道に変わってゆく。誰にも出会わない、熊が出そうな気がしてならない。薄暗い森をひたすら下る。やっと林道、「熊出没注意」の看板。遠雷が聞こえる。リンゴ果樹園を抜けて、15:45弥生集落。はずれの大山祇神社を今日の野営地とする。計画ではあと５ｋｍくらい先まで歩くつもりだったが、疲れているので変更。登山用野菜カレーとアルファ米で夕食、20:00ラジオを聞きながら就寝。今回の徒歩旅行で一番の山場を越えたけれど、かなり消耗している。岩木山神社→弥生：１４．２ｋｍ（東北一周徒歩旅行累計６７０．３ｋｍ）

  2006.08.11

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• 盛岡→池袋線、夜行バス

  夏期休暇の「東北一周徒歩旅行」。一昨日、みどりの窓口で復路の夜行バス（盛岡→池袋）の切符を確保しました。座席はトイレと逆の窓側、８Ａの好位置。一週間前に席を取った往路便（東京→弘前）は、臨時車輌９便を含む１９便が運行を予定していて、今日の時点ですでに１０便が満席になっています。それに引き換え、盛岡→池袋線は６便しか運行が予定されていないにもかかわらず、まだ１便も満席になっていません・・・何故か？答えは多分、少々高くても盛岡からなら多くのひとが新幹線を利用するためだろうと想像されます。夜行バスに乗るのは閑人か貧乏人ということなのだろうか・・・。

  2006.07.18

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• 2006年夏の「東北一周徒歩旅行」計画（その６）

  最終日の７日目は七時雨山を越えて南下します。終点予定地はＪＲ花輪線大更駅。大更駅まで歩きつないでおけば、岩手山を登るところから次回の旅をスタートできます。ＪＲ花輪線といわて銀河鉄道を経由して盛岡へ。銭湯で汗を流し、居酒屋で旅の余韻に浸り、夜行バスで東京への帰途に・・・。往路の夜行バスの切符は先日確保しました。復路の予約開始は今週末。なんとか予約開始前に計画を完成することができました。因みに新幹線を使って帰ると１４５９０円、夜行バスだと８７３０円。居酒屋で余韻に浸り過ぎると、バスを選んだ意味がなくなってしまいそうです。

  2006.07.14

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• 2006年夏の「東北一周徒歩旅行」計画（その５）

  ６泊目・最後の泊まりは、ＪＲ花輪線荒屋新町駅の近辺を予定。インターネットで安そうな宿泊施設を探したところ、民宿３軒・旅館１軒・廃校利用施設１軒が見つかりました。廃校利用施設というのは、もとは小学校だった校舎を宿泊施設として整備した「学校の宿・希望の丘」。１泊２食付で６５００円。以前に埼玉県と山形県で廃校の宿泊施設を利用したことがあり、ちょっと興味を引かれます。まず料金の安そうな民宿から電話してみました。１軒目、「お盆の間は休みです」。２軒目も同じ。この辺りは安比高原が近いから、スキーシーズンがメインらしい・・・「学校の宿」に泊まる宿命なのだろうか。アルマイトの食器と先割れスプーンも懐かしいかなぁなどと思いつつ、３軒目の民宿に電話・・・「はい、お盆もやってますよ」。１泊夕食付で５０００円以下、「懐かしさ」よりも「安さ」を優先してしまう自分なのでした。

  2006.07.13

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• 2006年夏の「東北一周徒歩旅行」計画（その４）

  なんとか３日目までの計画ができて、あと４日分。今回の徒歩旅行のハイライトである岩木山・八甲田山の次は、岩手県八幡平市の七時雨山を目指して歩くことにしました。八甲田山麓から七時雨山麓まで、山あいの集落をつないで南下します。青森県南部から岩手県北部にかけての内陸地域は地形が入り組んでいて、ルート選定の難しいところ。東西方向へは割り合い直線的に移動できますが、南北方向では複雑な道のりになってしまいます。歩く距離を計測したところ約１１２ｋｍ、直線距離（約６５ｋｍ）の１．７２倍。これを３日で歩きます。途中の２泊は野営の予定。食料調達のできる場所さえ事前に調べておけば、人口の疎らな地域だから野営地の確保は比較的容易だろうと思われます。

  2006.07.07

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• 2006年夏の「東北一周徒歩旅行」計画（その３）

  八甲田山麓で宿を確保できたとしても、どこも高そう。そのうえ、お盆の特別料金まで上乗せされることは容易に想像できます。１泊２食で１００００円くらいは覚悟しなければならないかも・・・。昭文社の山地図に載っている八甲田山周辺の宿泊施設、いちばん下に「民宿又兵衛」というのがありました。インターネットで検索してみると、食堂と民宿を兼ねた「又兵衛の茶屋」がそれのようです。これはもしかすると安いかも・・・で、電話してみました。「捨てる神あれば拾う神ありっ！！」、あっさり予約が取れました。しかも１泊夕食付で６０００円のリーズナブルプライス。宿の予約電話をするとき「ひとりです」とこちらが言うと、態度が急に変わって「宴会の予約がはいっているので・・・」などと断られることがよくあります。「又兵衛の茶屋」の主人は「お越しをお待ちしております」、と気持ちよく予約を受けてくれました。これで３日目までの計画ができました。

  2006.07.06

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