まわりみち極楽論
「まわりみち極楽論」 人生の不安にこたえる玄侑宗久 2003/06 朝日新聞出版 単行本 244p 文庫本版2006/11Vol.2 No.0099 ★★★☆☆ 僧侶が芥川賞作家になると、どのようなことになるかは、当のご本人でなければわからないだろうが、葬儀の最中にサインとか求められたら、それはちょっと閉口するだろうなぁ。そのような立場に寄せられた質問に対する、仮想問答集が、この一冊にまとめられている。なかなか平易でありつつ親切でもあり、奇をてらってもいない。著者の人柄が偲ばれるほのぼのとした一冊だ。 ご本人は、物書きとしては作家なのだから、このようなエッセイ集を云々するより、ダイレクトにその小説を読めばいいのだろうが、当ブログにはまだその余裕がない。思えば、「その男ゾルバ」だって「ガラス玉演戯」だって、「2001年宇宙の旅」だって、もとは小説なのだから、何を臆することがあるだろうか。Oshoだって「私が愛した本」のなかで約4分の1を小説でそのリストを埋めている。 先程申し上げたミンデルの「プロセス指向心理学」ですが、「プロセス」というの簡単に申し上げると「個を超えた大きな命の流れ」のようなものです。「トランス・パーソナル」な命の流れと云ってもいい。ミンデルは道教がお好きなようですが、そちらの言葉で言えば「タオ」ということになりますね。無為自然、つまりさかしらな人智の及ばない大きな流れを意識し、起こることは全てその「プロセス」からのメッセージであると受けとめる人生態度です。p214 この方、僧侶や、芥川賞作家、という役割を果たしながらも、しっかりと現代人として、同時代人としての共通意識を身につけている。決して禅や仏教に逃げてばかりいるわけではない。 はてさて、当ブログ、Vol,2に入ってからでもすでに100冊に達しようとしている。あちこちふらふらとして、まとまらないことばっかりに時間を費やしてしまっているようだ。「まわりみち」もまたよからん、とも思うが、もっと生産的に指向性をもってブログ経営をしていかなければならないと、いつも反省する。 [ OSHOagarta/mmp/gnu0.3 ] カテゴリは遅遅として進まず、「玉川Osho・Zenリスト」も、あと「永遠の大河」シリーズ全4冊を読めば終了というところで頓挫している。Osho・Zenはともかくとして、伝統的禅の世界もそうとうに深い。ちょっと覗くだけで、ブッ飛ばされる。でもまぁ、ここで玄侑和尚もせっかく「TAO」に振ってくれているし、すこしづつ軌道を修正していこう。