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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2011年02月01日
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60年代ストーンズをさかのぼってみる ~気まぐれ連載・PART 1~


 ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の全盛期は、本盤『ベガーズ・バンケット(Beggars Banquet)』(1968年発表)に始まる。そして、1970年代前半までが音楽的ピークだったと個人的には考えている。今回はその全盛期の幕開けから時代を下るのではなく、逆の発想で古い方へさかのぼってみたい。今までのように数回続けての連載ではなく不定期更新という形だが、興味のある方はぜひお付き合いいただきたい(数カ月かかるかもしれませんが、最低でも3~4回は続ける予定です)。

 さて、現在では大ベテランのアリーナ・コンサート定番の超大物となった彼らにも、もちろんのこと若かりし頃があった。若々しいながらもシーンを牽引し、熱気に満ち溢れていたころの傑作の一つがこの『ベガーズ・バンケット』である。しかしまあ、この完成度の高さ…。その頃はまだ20代後半の若者たちだったということを考えたら、当時のストーンズは恐ろしいまでの潜在能力を秘めていたわけである。

 1963年にレコード・デビューし、本盤までにアルバムは既に何枚も発表していた(1967年まではUKとUSでリリース内容が異なる)。67年末の『サタニック・マジェスティーズ』発表以降は、同一盤がリリースされるようになり、翌年末の本作『ベガーズ・バンケット』は統一リリース2作目に当たる。この間、1年間ほど経過しているが、実はアルバムの内容自体は7月には出来上がっていた。ジャケット・デザインもできあがっていて、トイレの落書きの写真というものだった。けれども、レコード会社はこの発売を拒否し、もめている間に時間が過ぎて行った。結局、リリース時のジャケットは、白地(クリーム色)のジャケットにバンド名とアルバム名が記されたシンプルなものになった。その際、ジャケット左下に記された“R.S.V.P.”は「お返事ください」を意味するフランス語の略。結局、論争の火種となった“落書きジャケ”は1984年の再発時にようやく採用され、陽の目を見ることになった。落書き内容が結構面白くて、収録された曲名などに交じって、“ジョンはヨーコを愛している(John Loves Yoko)”とか、“ボブ・ディランの夢(Bob Dylans Dream)”とか、果ては“ミュージック・フロム・ビッグ・ブラウン”(ザ・バンドの『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』のもじりと思われる)なんていうのもある。

 前作の『サタニック~』がサイケデリックな方向性を持っていたのに対し、本作『ベガーズ・バンケット』は一転してルーツ音楽に迫るスリリングな楽曲と演奏が特徴である。アコースティック楽器の響きが強く、リズム・アンド・ブルース的な音が目立つ。ところが、アコースティックといっても、まったくおとなしくないのが不思議で、この後、全盛へと向かっていくストーンズ独特のうねるようなリズムが既に具体的な形を持っている。そして、このリズム感こそがこのアルバムの核心と感じる。無論、このリズムがここで完成されたことは、これ以降のストーンズのカラーを決定づけることにもなっていく。

 一般論的には、1.「悪魔を憐れむ歌」、6.「ストリート・ファイティング・マン」、7.「放蕩むすこ」(この曲ではライ・クーダーが参加)あたりが有名曲としての聴きどころ。捨て曲がないので、これぞ聴きどころというのは挙げにくいアルバムだが、個人的な趣味からもう一つだけ付け加えると、2.「ノー・エクスペクテーションズ」(ブライアンのスライド・ギターが最高)は外せない。

 セールス面のみならず、内容面でも本盤は大成功を収めた。ただし、その成功と引き換えに、初期ストーンズの中核を担ってきたブライアン・ジョーンズはドラッグ依存が悪化し、これを最後にグループを去ることとなる(結局、ブライアンは69年7月に死去)。リズム・アンド・ブルースを白人聴衆に聴かせることを何より目標としていたブライアンの参加した最後のアルバムが、上記のような方向性を定める名盤になろうとは、何とも皮肉な結果である。実際、少し前からの流れではあるが、本盤の各曲のクレジットは、ミック・ジャガーとキース・リチャード名義(厳密には“リチャードRichard”ではなく“リチャーズRichards”と表記されている)。余談ながら、発表当時は全曲このクレジットだったらしいが、7.は後にカバーであることが判明し、現在では別の作者名がクレジットされている。いずれにせよ、ジャガー/リチャード色の継続+ストーンズ独特のリズムの完成という点で、バンドが大きく飛躍するためのターニング・ポイントとなったのが本作『ベガーズ・バンケット』ということになるだろう。




[収録曲]

1. Sympathy for the Devil
2. No Expectations
3. Dear Doctor
4. Parachute Woman
5. Jigsaw Puzzle
6. Street Fighting Man
7. Prodigal Son
8. Stray Cat Blues
9. Factory Girl
10. Salt Of The Earth

1968年リリース。



  
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Last updated  2012年08月15日 03時59分59秒
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