テーマ:ラテン音楽(411)
カテゴリ:ラテン(ロック&ポップス)
ヌエバ・トローバ・クバーナ先駆者の推奨盤
パブロ・ミラネス(Pablo Milanés)は1943年生まれのキューバのシンガーソングライターで、“ヌエバ・トローバ・クバーナ(キューバの新しいトローバ)”の創始者の一人として知られる。1960年代から活動を始め、1970年代以降、80年代、90年代、00年代に特にソロとして多くの作品を残している。70歳代の年齢になった現在も、アルバムやライヴの活動を継続している。 そんな彼のキャリアのうち比較的早い時期の作品で、とっつきやすくなおかつ内容も充実している一枚がこの『エル・ゲレーロ(El Guerrero)』という盤である。“語り部”的な部分もあれば、もう少しバラード寄りの美しく優しい部分もある。さらに政治的な背景を感じさせたりもする。きっといずれの要素も偏りが大きいとリスナーにはそれぞれにストレスになる。けれども、おそらくはそのバランスのよさが本盤を聴きやすくしているのかもしれないと思う。 全10曲のうち8曲(4.と6.以外)がミラネス自身の作詞・作曲。まず、美しさと繊細さでは、1.「クアント・ガネ、クアント・ペルディ(いかほどを得て、いかほどを失ったか)」、8.「エソ・ノ・エス・アモール(それは愛ではない)」がおすすめ。正直、一般論としては、パブロ・ミラネスの外見のイメージとこの手の美曲のイメージは決して一致しない(別に悪い意味で言っているわけではないけれど)。さらに詩的なよさと優しく軽快な音楽の組み合わせとしては、表題曲の9.「エル・ゲレーロ(戦士)」が個人的にはお気に入り。政治色な背景を感じるものとしては、5.「ブエルベ・ア・サクディールセ・エル・コンティネンテ(大陸を再び揺り動かす)」と10.「オメナッヘ(オマージュ)」がいい。特に後者はいかにもラテンなリズムに乗りながらも“自分は何者か”を自問する詞になっているようである。 とまあ、詞の内容(全部はよく理解していないかもしれないけれど)に多少踏み込んでみたけれど、詞の内容がわからなくても、パブロ・ミラネスの美しい楽曲と時に抑揚のある展開を聴いても楽しめるのではないかと思う。多作な彼の作品としては、既出のこちらの盤と並んで、初めて聴く人にぜひ薦めたい。ちなみに、よく把握できていないのだけれど、LP盤には8.(B面3.に相当)のない盤もある模様だが、どちらがオリジナルの形態だったのかは不明。さらに筆者の手元にあるのは、1997年のリイシュー盤で11.が追加されている。 [収録曲] 1. Cuánto gané, cuánto perdí 2. Te espera una noche de éxitos 3. Hoy estás quizás más lejos 4. Mi dulce niña 5. Vuelve a sacudirse el continente 6. Búscate allí 7. 405 años de nunca 8. Eso no es amor 9. El guerrero 10. Homenaje 11. De niña, aquellos juegos te importaban poco 1983年リリース。 【中古】 【輸入盤】Guerrero /PabloMilanes 【中古】afb 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年05月05日 06時02分30秒
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