テーマ:洋楽(3286)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
マニア向けの盤にしておくにはもったいない好盤
1960年代末、アルバム1枚を残して消え去ったバンドに、フィフス・アヴェニュー・バンドがあった(ただし、後に再結成している)。そのメンバーだったピーター・ゴールウェイが1971年に新たな面々を集めて吹き込んだのが、この『オハイオ・ノックス(Ohio Knox)』であり、このオハイオ・ノックスもまた、本盤だけを残して消え去ってしまった。ゴールウェイ自身はその後も活動を続けていくことになったものの、フィフス・アヴェニュー・バンドも、オハイオ・ノックスも1枚だけで姿を消したというのは、今となってはもったいない存在だったように思う。 本盤『オハイオ・ノックス』は、過去に、再発されずレア盤となっていたこともあり、“マニアのみぞ知る隠れ名盤”のように扱われてきたが、当時はセールスに結びつかなかったのだからどうしようもない。けれども、時が流れ、本盤を後聴きした筆者にとっては、このよさが受け入れられなかったのは残念だったと思う。 本盤のよさは“音楽を演ることの楽しみの具現化”である。きっとやっている本人たちは楽しくて仕方なかったのだろうと思う。ニューヨークからロスに居を移し、ハリウッドを見下ろす“農場”で気の合う仲間たちとやりたいように音楽をやる。その結果は、作られた感じがなく、自然にあふれ出てきたという印象を与えるサウンドであり演奏である。 聴き逃がせないと思うナンバーを少し挙げておきたい。2.「ランド・オブ・ミュージック」がその筆頭である。どこか「ライク・ア・ローリング・ストーン」と似ているのだけれど、流れるようで骨がある曲調と演奏は何度か繰り返し聴けば、頭から離れなくなることだろう。4.「カラミティ・ジェーン」は、フィフス・アヴェニュー・バンドのアルバムで披露した曲の再演だけれど、厚みのあるアレンジはオリジナル(元のものも好ナンバーに仕上がっていた)の上を行く見事な出来である。7.「ベイビー・ソックス・ノックス」はもはやタイトルからして遊んで楽しんでいるようだが、この曲にも見られるようなファンキーでソウルな部分は本盤の中心ではないが、欠かせない要素になっている。あと、個人的な好みが多分に含まれるものの、9.「ノー・スリープ・フォー・ザ・ウィキド」に代表されるゴールウェイのヴォーカルの魅力にはついつい惹き込まれてしまう。以上の文面で何をどれだけ伝えられているかはわからないけれど、ロック好きなら一度は試してもらいたい好盤である。 [収録曲] 1. Taking It Easy 2. Land of Music 3. That Lady 4. Calamity Jane 5. There Comes A Time 6. Give Me John Ford 7. Baby Sox Knox 8. Pound or My Dog Dad for Robert Downey 9. No Sleep for The Wicked 10. Abigail Archer 11. North Country Laura 1971年リリース。 【国内盤CD】【ネコポス送料無料】オハイオ・ノックス / オハイオ・ノックス 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020年03月01日 13時53分48秒
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