テーマ:洋楽(3285)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
地味ながら忘れ去られてはもったいないアルバム
U2(ユー・トゥー)というバンドは、1970年代後半にアイルランドで形成された。1980年にデビュー盤を発表してからしばらくは、地元や一部の国では人気を得たものの、世界的に広く認知されたのは、1983年のサード作『WAR(闘)』だった。 本盤『アイリッシュ・オクトーバー(October)』は、1981年に発表された、彼らのセカンド・アルバムである。U2の初期作品らしく、全般に地味で、目立ったヒット曲もないことから、忘れ去られがちなアルバムでもある。 実際、その当時の筆者も、当時のU2によく見られた“澱んだ雰囲気”に馴染めなかった。でも、後になってそれとは別の感想を持つようになったというのも事実である。まず、その“澱んだ雰囲気”というのは、アイルランドという背景もあるのだろうが、それに加えて20歳そこそこの若者たちが作り出しているという点。さらに、その澱んだ感じ、あるいはどんよりとした風景の中で、ヴォーカルやギターの光明が走るというのが、実は病みつきになる要素だということも、後から分かった。要するに、こうしたことが理解できるには、最初にこれを聴いたときの筆者は精神的に子ども過ぎたということなのだろう。 そんなことを思い起こしつつ、いくつかの曲について見ておきたい。まず、冒頭の1.「グロリア」は、アイルランド・チャートで10位(全英では55位止まり)となったシングル曲で、後のライヴ盤『ブラッド・レッド・スカイ=四騎=』でもアルバムのオープニングを飾る曲となった。本盤の収録曲の中では抑揚のあるよくできたナンバーだと思う。4.「リジョイス」は、後々広いファン層に受け入れられている楽曲面と演奏面の特徴がかなり含まれていて、個人的にはボノのヴォーカルが気に入っている。 アルバム後半(LP時代のB面1曲目)の6.「トゥモロー」は、イントロからイリアン・パイプス(アイルランドの伝統楽器)がフィーチャーされ、独特の雰囲気を醸し出しているのがいい。あと、後半で筆者が特に気に入っているのは、最後の2曲。10.「スカーレット」は、ドラムス、ピアノ、ギター(もちろんヴォーカルも)と各演奏がしっかりと存在感を出していて、シンプルかつ短めの楽曲なのについついじっと聴き入ってしまう。末尾の11.「イズ・ザット・オール?」は、ジ・エッジのギターが冴えるナンバーの一つで、さほどの派手さはないが、U2らしい演奏で好曲だと思う。 [収録曲] 1. Gloria 2. I Fall Down 3. I Threw a Brick Through a Window 4. Rejoice 5. Fire 6. Tomorrow 7. October 8. With a Shout (Jerusalem) 9. Stranger in a Strange Land 10. Scarlet 11. Is That All? 1983年リリース。 【輸入盤CD】U2 / October (U2) 【国内盤CD】U2 / アイリッシュ・オクトーバー[期間限定盤(2020年3月31日)]【K2019/11/6発売】 アイリッシュ・オクトーバー [ U2 ] 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021年10月29日 06時24分19秒
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