やっぱり読書 おいのこぶみ

ばか喜びしているわたしのパソコン
実は
忘れていたドルだてトラベラーズチェックの使い残りで買った

いつでも使えると言ったって10年以上もほってあるし
海外旅行にももう行くかわからんから

ドルで思い出したが

初めて（といってもこの一回きり）ハワイに行ったとき
行きの飛行機の中でのこと
車内販売もとい機内販売の香水にわたしの好みのが出た

行きではあるし、お値段もどーかなーとも思いつつ
2壜も注文してしまった

ところが大きなドル紙幣で買おうとしたら
「おつりがない」という
だから買うなと言わんばかり
どこの航空会社だったかわすれたがもちろん日本のではない

「そんなばかなー」と日本人丸出しにしていたら
つまり止めるとも言えず、日本ならこんなことないという怒りやら

隣に座っていらした外国人らしい紳士が
細かく崩したドルをお財布から取り出して交換してくださった

「サンキュー」とにっこり、好意に甘えたが
いかにも「しょうがないなー、あわれな、いなかものよ～」という顔であった

わたしは恥ずかしくて恥ずかしくてホノルルに着くまで
その方のお顔が見られなかった、、、、

なぜそんなばかな衝動買いをわたしはしたのか？
わたしは普通ではなかった

ハワイ行は娘の結婚式に出席するためであった
その前に娘は家出をしていてその結婚する相手と同棲していた

なぜ家出をしたかというと私たちが両親が反対したから

婿の身内が少々精神が異常だったから
娘の苦労を思うと賛成しかねた

だけども娘は出て行ってしまった

１年後、ハワイで結婚式を挙げるというのに
私たち両親は折れた
そのハワイ行きだったのだ

しかも

わたしはその結婚式の一か月前に検診で
肺がんの可能性70％と言われていたのだ

そのようなわけでわたしにとってハワイは美しくも哀しい印象であった

肺がんのほうはハワイから帰ってからガンセンターで精密検査を受け
ガンではなかったことがわかった
あれから15年、ぴんしゃん生きているのだからねぇ

あの旅慣れたような外国人の紳士さん
そんな旅のひとこまはすっかりお忘れだろう

いや、忘れてくれー

ホテルの窓辺からダイアモンドヘッドが明るかった、わたしは暗いはずなのに笑っている