林真理子さん『下流の宴』が文庫になったので読んだ
相変わらず達者な筆さばきで一気読み
「人間を目利きする視線を描かせたら、林真理子の右に出る者はいない」
と桐野夏生さんがこの本の解説、中流の本質をついた作品だということである
ストーリーは
中流家庭の一姫二太郎4人家族
建売だが一軒家を持ち
夫は高学歴一流会社勤め、主婦も国大卒でお医者の娘だったプライドあり
カルチャーセンターで趣味を満喫しながら、子育ても手を抜かなかったのに
息子が高校中退、つまり中卒でフリーターになってしまい
うまく育ったと思った姉娘も親の望み以上に「上流好み」
あげくに息子は年上フリーター娘と結婚したいと言い出すので
「ああ、うちが下流に落ちてしまう」のでは...
ま、ものがたりは矢継ぎ早に展開して息もつかせないおもしろさである
しかしなぁ、この息子のフリーター生活嗜好はどーいうことか
もしこんなひとがほんとうに増えているとしたら暗澹たる気持ち
下流とはなんぞや
基準にするのは金の高だろうか
幸せ度に関係してくるのか
気骨のありなしということなのか
下流とはほどほど生活ということなのか
かつかつの生活が出来るだけ、または足りればいいと
そこそこの賃金しか得ないでだらだらしている
上昇志向を望まず頑張らないのが好きなのである
貧すれば鈍する、こころが下流になるのであろうか
現状、居心地が良ければいいという考え
気楽な幸せ度で測る人生
若いうちはいい、親がいるうちはまだいい
最終的に貯金なんか出来てないから
病気&老齢になったら公的保護になるだろう
いえ、もうなれないだろうに(この国の財政破たんしているよ)
どーするの!!