最近読み終わった町田康『夫婦茶碗』
同時収録の「人間の屑」の書き手もそうだが
とにかく主人公(語り手)、働かないので困窮しまくり
なんだかかだと理屈をつけ、仕事をしても続かない主人公
困る困るといいながらだらだらと暮らしているので
妻ともども食べるのにも事欠くのであるが
そのことで喧嘩しながらも
野草をゆでて食にする妻ものんきそう
(そんなこと、わたしだって趣味でしてるわい)
あげくのはてにメルヘン作家を目指そうなんて
いわゆる現代社会の貧困スパイラルの問題提議でもなく
じゃ、夏目漱石時代の高等遊民とも違うような
なんともおもしろい落語を聴いているような語り口で
寓意も読み取れるし、文章も巧みなのだ
芥川賞作家の所以であるな~と思うのだけれども
わたしなど「いいかげんにせよ!」と怒りたくなるのもほんとう
ま、芸術を理解できないのだろうけど
やっぱりこのままいったら破滅じゃないかと思うわたしは
まともなんだか、無粋か?