映画「シン・ゴジラ」
12年ぶりに登場の日本のゴジラ。他の怪獣は出てこず、54年の初代ゴジラに戻った感じです。会議ばかりで進まない対策、米国の圧力など妙にリアル。ゴジラは最初は水生生物なのに進化して上陸、ぎょろっとしたぬいぐるみみたいな外観が2回目の登場時は巨大化してまがまがしくなり、空からの接近には背中から光線を出して迎撃、口からの火炎放射で都心部壊滅、と攻撃すればするほど強くなってお手上げの状態。今までのゴジラになかった尻尾からの光線という武器もあります。そんな中、官邸から脱出しようとした総理以下主要閣僚がほぼ全滅という危機。残ったのは派閥順送りで大臣になれた無能(と思われている)農水相。主人公の長谷川博己演じる内閣官房副長官を中心としたプロジェクトチーム(各省庁のはぐれ者の集まり)は、多国籍軍の核攻撃を避けるため、タイムリミットが迫る中、血液凝固剤を使ったヤシオリ作戦を決行する__というのが大体のあらすじ。会議シーン、人のアップばかり、専門用語が早口すぎて聞き取れない、という批判もあるが、僕はこれはこれでいいと思った。ただ、日本の政治、お役所仕事のダメっぷりが分からないと楽しめないかも。指揮系統の混乱の恐ろしさは実際、東日本大震災の福島第1原発事故の対応を見れば、ありうる話だと思う。これは子供には難しい。大人の娯楽作品です。「エヴァンゲリオン」の庵野監督だから細部にこだわったこういう映画になったと思う。ヤシオリって何のことかと思ったら、ヤマタノオロチに飲ませた強い酒のことだとか。芸が細かい。日本の政治家で、長谷川博己みたいな有能な人がいればいいが。(C)2016 TOHO CO.,LTD.映画「シン・ゴジラ」この作品情報を楽天エンタメナビで見る☆☆☆☆☆