♪ 頑 固 な 奴 ♪
怒りぽっくて頑固で薄情な
どうしょうもない男であった。
人の話を聞き入れない男だとは
転勤前の友人からの連絡で知っていた。
「 今度そちらに行く片山という男は
とんでもない堅物だからな!! 」
そういった連絡だった。
M大学卒業の38歳の片山鉄治は
その名のとおり融通のきかない
頑固一徹な奴であった。
高校を出た温厚な43歳の
吉川良夫とは、対照的な性格である。
鉄治は一度いいだしたら人の意見を
聞きいれない男であった。
大ベテランで上司や同僚からも信頼
されている班員の良夫が親切に・・・
「 班長こうやった方がいいいですよ!! 」
と切り出しても絶対「はいわかりました」
とは言わないない男であった。
こんな班長とは、いい上下関係を築くことは
できないと良夫も半分しらけた気分である。
「今まで長いこと班長と付き合ってきたが
こんな不出来の班長は見たことがない!!」
と日頃あまりボヤクことのない良夫でも
ボヤクことがあった。
なんであんな性格が生まれたのだろう??
赤ん坊として生まれた時からあんな
性格ではなかったはずだ。。。
こんな班長の下で働くのは嫌だ・・・
前の班長は、よかったなぁ~
部下はみんなそんな思いである。
部屋のムードが鉄治がきてから
暗くなったみたいだ。
情愛もなく人との付き合いも淡白で
中身の濃い男同士の交流もできない
超自己中心主義の性格だった。
班員が残業し、業務に苦しんでいても
われ知らず、時間がくればサッサと
帰り支度をして「 帰るぞうー”” 」
といって先に帰るような男であった。
鉄治は,男同士のケンカは今まで
いくつもやってきたと自ら吹聴した。
この職場に7名の部下をもつ班長として
着任した2日目に早くも班員と
口ゲンカをしたのである。
「まったくやりにくい班長が来たもんだなぁ~」
部下はそう言ってため息をついた。
髪の毛の短いふっくらした
丸い顔に太い眉毛がのっている。
小さなサバの腐ったような瞳と
タラコのような口元。
顔の一つ一つのパーツは
誰が見ても冴えない見苦しい
男であるのだが・・・
一見すればダルマさんみたいな
顔立ちをしているものだから
早くも部下から「”ダルマの鉄”」
というあだ名をつけられた。
はいストップ!!
「ダルマの鉄”」というあだ名の
片山鉄治は、頑固一徹の男である。
新しい職場での仕事ぶりは
はたしてうまくいくのでしょうか?
さあ~ここからは、あなたに
おまかせしたいと思います。
よろしくお願いします。 m(__)m
* この小説に登場する
人物の名前は仮名です。