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ヴェネツィアの獅子たち

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Reiko Fujiwara Marini

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2007/01/27
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カテゴリ:暮らし
 ヴェネツィアにも寒気がやってきて、朝の気温が0度前後と冷え込んできました。暖冬で、農作物や冬のリゾート施設が影響をうける経済面とはまた別に、寒さのなかに人々の、ようやく冬が来たという、ある種の安心感のようなものが感じられます。
 今朝八時過ぎにリアルトにある「Pescheria」(ペスケリア=魚市場)を訪ねてみると、土曜日ということもあり、もう市場独特の活気にあふれていました。Pescheriaのあるリアルト市場は、ヴェネツィアの中心部、S.Polo地区のリアルト橋のそばに広がる市民の台所です。アドリア海の海の幸はもちろん、地元サンテラズモの野菜、豊富なヴェネト州の果物や香草類からシチリアの柑橘類まで、あらゆるものがここには集まってきます。朝の七時半頃から「banco」(バンコ=陳列台)に品物が並べられ始め、昼前には引き上げられます。客は、なじみのbancoに直行するか、札に手書きされた値段(1kgあたりのプライス)と品物を見比べてbancoを選ぶなり、買い方はそれぞれです。
 市場の歴史は古く、700年近くも前からこの場所で魚や青果類の商いが営まれ、またかつては屠殺場も近くにあったとのことです。さすがに現代の私たちは、屠殺場の横では食欲を失ってしまうでしょうが、それでも魚市場には、「人間が食べること」の原風景のかけらが残ってるような気がします。日本のスーパーには、豊富な種類の新鮮な魚がきれいに切り身にされパックで売っていて、それはとても便利で快適なことなのですが、「食べること」の本来の姿や現実感覚を遠ざけてしまっている、という部分もあるでしょう。こちらでは、日本にいるときよりも魚をさばく機会が多いので、開いた魚のお腹に飲み込まれた小さな魚を見つけたり、一部分が喰いちぎられたイカやタコを見かけることもよくあります。彼等も、本当に少し前まで生きていたんだなあ、ということをそんなときに実感します。





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Last updated  2007/01/28 01:03:57 AM
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