テーマ:家を建てたい!(9735)
カテゴリ:住宅革命
床断熱
換気装置の床下配管は終わった。しかし、これで換気システムが完成したわけではない。床下に設置される機器の取り付けが終わっただけで、この後いたるところに仕掛けを施さなければならないのだけれど、僕たちがやらなければならない次の工程は床の断熱だった。 床の断熱はとても重要な工事だ。 国や住宅金融支援機構では、基礎を断熱した場合は床の断熱をしない方がよいという考えを持っていて、実際にそのような指導をしている。 これは、基礎断熱をした上で床断熱をすると床下空間は二重断熱をした事になり、結露や腐りの原因になるという考えかららしい。 しかし、この考え方は、地中熱という熱源が存在する事を忘れている。 地中からは常時、熱が供給される。その上にある基礎コンクリートと床を断熱するということは、断熱材で出来た巨大なお椀を伏せたような状態になる(勿論、お椀の下は防湿されなければならない。)。 そしてその内部の気温は、外気がマイナス5℃のときでも地中熱によって13℃以上を安定して維持し、真夏は26℃程度を維持する。 この熱量は冬も夏も露点を迎えない事が確認されていて、結露するような環境ではない。二重断熱がいけないのは、熱源のない状態で異常に低い気温が断熱によって保存されることで、透過水蒸気による結露が発生する事を懸念しているということだろう(ということは水蒸気が断熱材を透過する事を国は知っているということだ。)。 確かに小屋裏や長期間無人で無暖房の居室(たとえば別荘のような)は異常低温を保存してしまい、結露を招く。 結露を防ぐ方法は、冷やすことではなく暖めることなのだ。 暖めることで相対湿度は下がる。 (シケてはこまるコショウや海苔などを冷蔵庫にしまえば必ずシケてしまう。シケて困るものは絶えず室温より少しだけ高い温度に保つ事が必要なのだ。2~3℃上がれば湿度は10%程度下がる。) 地中熱は暖房機の代わりにただで床下気温を上げてくれるのである。 僕は、以前その熱量がどの程度になるのかを測定した事があった。 結果は驚くべきものだった。 (測定データはこの小説が出版されるときに巻末に添付します。) そのときに、日本の家は、暖房が必要なくなるかもしれないとおぼろげに感じたのだった。 僕たちは迷わず床断熱をする事にした。床を断熱することで真冬の床面温度を20℃以上にしようと考えている。 最近の新築住宅では、床暖房設備を持った住宅が増えてきている。非常に高価で、燃費もかかる設備だ。富裕層にしか仕えない贅沢なものだ。いまや床暖房は住宅のステイタスシンボルになっているみたいだ。 しかし、僕は思う。 床暖房を付けるということは、それがなければ寒い家だという事ではないかと。 正しい断熱が施されていればたった一台の暖房機で家中20℃以上を維持する個は容易で、通常の暖房で床面も20℃以上になり、床暖房などという大げさな設備は決して必要にはならない。 床暖房を取り付けるということは、断熱工事の不備をごまかそうとしているとしか思えないのだ。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こりゃ勉強になりました。
今回は、いや今回も。 そうなんですよね~。 まさにそう! 地中熱を結露せずに使うことを発見した 先生にニロース賞を進呈いたします。 (2009.08.26 10:04:50)
昨日はお疲れ様でした。
昨日の講義の復習になりますね。 (2009.08.26 10:52:01)
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